第52話まで読んでの感想です。あとはエピローグを残すところだと思いますが、レビューを。
特別消防部隊員である主人公「清志郎」、ある日彼は特殊な火災に出くわすことになります。ここで描かれる火災現場の迫力があまりに圧倒的、まるで本職が書いたような緻密な設定・知識によりその現場のリアリティーが増しています。まるで災害映画を見るような、生々しい現場の中、そこにスルリとファンタジーという異物が紛れ込みます。
そしてここからが作者の真骨頂。不思議な物語がゆっくりと流れ始めます。登場するのは江戸時代に活躍した歌姫「シオン」彼女は守り神のような存在で、やがて引き合うように二人は出会うことになります。
引き合うように交錯する二人の運命、結ばれる友情、悲しい過去、やがて明らかになる強大な敵、その敵を打ち破る唯一の方法……と物語は時にコメディたっぷりに、そして情感たっぷりに、二人の想いをどんどんと積み上げていきます。そして訪れる手に汗握るクライマックス。
文章の読みやすさ、会話文のテンポの良さ、とにかく気持ちが盛り上がっていく盛り上げ方と構成、どれをとっても一級品のエンターテイメント小説です。そして最後に訪れる幸せな気持ちになるエンディング。
ぜひぜひ読んでいただきたい一作です!
最新話(第47話)まで読んだレビューです。
いやもう、圧倒的な迫力とスケールの熱い大作です。
この熱さ、もちろん火事現場が舞台になっているからというわけではないのですが、その火事現場の描写が序盤からものすごい迫力で描かれています。
そんな危険な現場に赴き消火活動と人命救助を行うのが特殊消防隊の隊長であり代々火消しの家系である渡清志郎なのですが、とある火災現場で彼は驚くべき事態に巻き込まれてしまいます。
その後、彼は江戸の歌姫シオンと出会うことになるのですが、浅からぬ因縁をもつ二人は手を携えて、ある使命を全うするために全力を尽くすことになります。
その使命とは、憎悪の炎から大切な人と世界を守ること──。
最新話ではいよいよクライマックスを迎え、清志郎とシオンが数々のピンチをくぐり抜けて使命を果たそうとしています。
緩急のついた展開ときっちりと整えられた素晴らしい筆致で、物語に引き込まれたら一気に読み進めてしまえます。
クライマックスをリアルタイムで追うなら今がチャンス!
二人と作者様を応援しながら、ぜひその迫力を楽しんでください(^^)
でも最後になんか嬉しいホッとする気分になるのは何故?
一言でいうと江戸と東京、時間と場所をまたにかけた人情物語・・・。
という表現では括れないなぁ、時間を超えた恋愛小説・・・とも違うし。
結局、小説の王道をベースにさまざまな分野のエッセンスを放り込んだ作品に仕上がっている。スパイスは、江戸の人の粋と心意気+現在の都会人の信念と意外なモロさ・・・かな。いい塩梅に柱になってる気がします。
全般的に長編ものというのは、エンジンがかかり加速しだすと一気に盛り上がりいつのまにか次の展開をワクワクして待っようになる。
そこまでにいかにして飽きさせずつなげていくかということがとても重要になると思います。その辺の進化を感じますが、まだまだ進化できる要素を持っていると思います。今後の作品も楽しみです。
(なんで上から目線なの?と言われるかも知れませんが、読者はたいていそういうもんなんで・・・笑・・・汗)
RAYさんの作品全体に共通するキーワードは‘人を想う気持ちの強さ’だと勝手に思ってるですよね。その大切さと持っている無限大のエネルギーみたいなものが読み終わった満足感に混じって後味のように心に残る。
人柄と共に作品が多くの人に愛されるのはそこなんだと思う。