蠅の月 五日 帝国日報
帝国歴849993年、蠅の月一日、白の六時頃に魔界西端部にあるベルリア山脈採掘場で新たな遺跡が発見された。派遣された調査隊により遺跡は極炎公の居城であることを確認。現場にて既に覚醒していた極炎公直系の子孫であるベリアリス公女が発見され、調査隊によって保護された。これで覚醒された柱は七十二柱のうち六柱目である。このベルリア鉱山は先日大規模な爆発事故によって一時休業となっていたが、この爆発も恐らくべリアリス公女復活の前触れであると考えられており、今後も調査を継続していく見通し。
現地の開発を行っていた鉱山開発会社グリゴリアス(株)の社長サタナキア氏は「非常に嬉しい発見。我々も帝国進展の一助となれたかと思うと鼻が高い。現場作業員にも深く感謝する」とのコメントを発表した。
保護されたべリアリス公女は身体・意識共に異常はなく、数日後に帝国王城にて帝王との会見が行われた。会見は終始和やかに進み、その中で公女は「目覚めた時、とても心地よい豚の鳴き声と肉の焼けるいい匂いがしたので豚の丸焼きが食べたい」と仰られ、帝国議会はこの発言を受けてベリアリス公女の歓待パーティ開催を決定。
最高級ミノス豚の香草詰め丸焼きが振舞われる予定。
なお遺跡現場には、何かをかばうようにして体を丸めた男性作業員の遺体も見つかっており、そこから手記と思われるものが発見され、今後の調査への資料として保管された。事前の保険契約によって現場作業員は死傷した際、ルキフグス暗黒神殿での復活が保証されており、それを待ってから事情聴取が行われる模様。
(写真はベルリア山脈から立ち上る極炎公復活の兆しである火柱。現場管理者であるグリゴリアス社の社員が撮影)
ベルリア魔鉱山採掘者ペイジの手記 不死身バンシィ @f-tantei
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