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無理難題な問題が七人の目に映る。晃にも見えているだろうか。




この部隊で一番最初に死ぬ人は誰でしょう




「何、この問題……」


「今までの問題と全然違う感じ……」


「これこそパンはパンでも〜ってやつ?!」


「んなわけあるか(苦笑)」


「え、でもこの部隊って私らだよね」


「それ以外ないでしょ」


「じゃあこの中の誰か……………」


聡、理、智、奨、架、零、真の順で会話を進めていく。晃は一言も喋らない。晃も考えているのだろう。


だが班員はもう分かりきってるみたいだ。


「まぁ答えは一人だよな」


真が言うと他の皆もにっこり微笑む。すると声を合わせて言うのだ。


「「「「「「「晃だね」」」」」」」


『ちょいこら、お前らなんでだ』


やっと口を開いた晃は、声だけでもわかる納得のいってなさだった。まぁ確かに、一人だけその場にいないという状況で勝手に殺されるわけだから、納得しようとも思わないわけだが。


「だって」


「ねぇ(笑)」


七人は顔を合わせてクスクス笑う。晃は不満と疑問だらけだろう。すると七人とも、晃のいるモニター室の方向に向き、ドヤ顔で応える。


「「「「「「「自分が死ぬなんて、考えたことないから!!!」」」」」」」


七人は機械に素早く「晃」と打ち込む。すると画面に「○」と表示され、どこからかガチャンと音がなった。


「ビンゴ〜〜〜⤴︎⤴︎」


真が言うと、晃はホッとしたのか、ドスンッと椅子に座り直すかのような音が聞こえた。それと「なるほどね」と言う声も。最終問題の仕組みもわかったのだろう。


最終問題の "一番最初に死ぬ人" というのは、「こいつが先に死にそう(笑)」や「こいつはこのタイプだから、こいつよりは先に死ぬだろう」などのおふざけでも、心理テストでもない。


俺たち乱雑奇形撲滅部隊が必要とする人材は、自分が生き続けながら乱雑奇形を倒していく、という強い芯を持った者のみ。


この試験で司令塔がモニター室に出られず、実戦試験に参戦できないのは、ただ司令塔が正確な指示を出し、周りをじっくり見させるだけではない。同班員たちが答えを考えさす、いや、この班は本心だったが、その為なのだ。


答えはそう、ここにいない班員。つまり、司令塔。この班では晃というわけだ。


でも、想像以上に早かったなぁ………,。俺としてはもっと悩んでくれても良かったんじゃないかと思う。ぶっちゃけ数学問題の方が、時間掛かってたな。それもどうだよ。智が「私だろうな〜〜〜ははっ(笑)」とか言うかなって思ったんだけど、そこまで馬鹿じゃなかったか。


まぁさて、ここからですよ、皆さん。ここからは何も伝えてない。まだ試験は終わってない。


「終わった〜〜〜〜〜〜〜〜〜」


架はハンマーをしまう。もう試験は終わったものだと思っているのだろう。皆も次々武器をしまい、晃もヘッドホンを首にかけていた。


油断してはいけない。




ゴォォォォォオオオオオオオオオオオ……!!




「へぇ?!?!何!!!!」


智の間抜けな叫び声が試験部屋中に響く。


「何かの鳴き声……?」


「そういや、開けた扉って何の扉よ」


奨と聡は本当に鋭い奴だ。その通り。


開いたのは試験部屋のちょうど真ん中にある部屋の四つの扉。鳴き声はその部屋にいる動物型乱雑奇形。名前はフィアンマ・ドラゴン。炎の竜。そのまんまだ。誰だよ、こんなダサい名前つけたの…………。俺だわ。


高さはだいたい8m。もうこの時代ではデカイなんて思わない。ただし、パワーはかなりのものだ。聡のクレイモアと架のハンマーがあるものの、この部隊は女子しかいないわけで、パワーは不足している。バランス型の真が上から攻撃するか、足元から崩していくか。どちらが速いかはわからない。


パリンッ


ガラスの割る音。…………っておい!!!

なんの音かと思ったらそうきたか。馬鹿だな、ほんと………。怒られるの俺なんだけど。


七人の前、一人の少女。片手に持つのは鋭く光る大きな剣。





「上条 晃、ここにけんざ〜〜〜〜〜〜ん」

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