激動の幕末を駆け抜ける、男女のまっすぐな生き様

新撰組の沖田総司と斎藤一を主人公に据え、妖というファンタジー要素をミックスさせた歴史ファンタジー。
幕末の激変する日本の空気感がひしひしと伝わってくるよう。

雰囲気も抜群ですし、歴史上の人物たちが皆、非常に魅力的に描かれています。
彼らの矜持と各々の思想がぶつかり合う様は、時に読んでいて辛いほど。
感情の揺れ動きが胸に迫ってきて、何度も涙がこぼれました。

自分が会津の生まれなので、新撰組と会津藩が追い詰められていく後半は、心情描写の巧みさも相まってかなりしんどいものがありました。
だからこそ、穏やかなラストに温かい涙があふれました。
歴史物にあまり興味がないという方にも、ぜひ手にとって頂きたい一作です。

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