この世の中で
@zumizumi
第1話
プロローグ
目を覚ますとそこは何もない空間だった。
色々な感情が飛び交う中、無心に空をみあげていた。
いつもなら星々の光、飛行機の光、月の明かり
数え切れないほど光があるのに、今は何もない。ただ単に上と言う空間があるだけ。
そこに存在意義があるのかどうかもわからない。
僕は考えることをやめ、出口を探すことにした。
第一章 出会い
僕はどこにでもいる、普通の高校生だ。普通という表現はありきたりかも知れないが、他に表現のしようがない。今日は中学生から友達の拓也と遊ぶ約束をしていた。
しかし、待ち合わせの10:00になっても拓也は来ない。寝ているのかと思い携帯に電話を掛けてみた。しかし電話に出たのは拓也ではなかった。サイレンとともに僕は全力で病院へ走った。
拓也が事故にあってからどれくらいの月日が経っただろうか。拓也の意識はまだ戻らない。あの日僕が遊ぶ約束をしていなければ拓也は事故に合わなかったのかも知れない。今の僕に残るものは後悔それだけだった、後悔だけが僕の胸を苦しめている。
毎週金曜日に僕は拓也の見舞いに行っている。それがいつの間にか日課になっていた。今週も見舞いに行った。病室に入ると知らない小さな女の子が立っていた、女の子は僕をじっと見つめるだけで表情も変えない。ただ見つめていた。僕は気まずくなって病室を出た。10分ほど経ったので病室に入るとそこに女の子は居なかった。
家にかえる途中あの女の子がなぜ見つめていたのか考えていた。思い当たる節は何もない。しかし、何かを忘れているような気がした。こんな気持になったのは今までになかった。あの女の子はそれを教えに来てくれたのだろうか。僕が忘れているものを。考えすぎかもしれないけど、今の僕にはそう思えてならなかった。その時、何かが動き出したことに誰も気づかない。
この世の中で @zumizumi
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