第2話
始まり
暗い部屋の中に1人の青年がネットゲームをしている。そこに『ピンポン』というインターホンの音が鳴り響いた。
「きたか…」
「はーい!今いきまーす!」
部屋の外から妹の朱莉(あかり)の声が聞こえる。
「!朱莉?ヤバいな……くそ、俺が行くか…」
そう言うと青年はネットゲームを消すと立ち上がり部屋を後にした。
ーーー
「はい、これ。龍輝さん宛の物です。親族の人ですか?」
「はい、妹です」
「そうですか、ではここに記入をお願いします」
「…っと。これでいいですか?」
「はい!ありがとうございます!それでは」
そう言うと荷物を持ってきた男は朱莉に荷物を渡すとでていった。
「ふう、お兄ちゃんの事だからゲームかな?なんだろう?」
キョロキョロと周りを見渡す朱莉は誰もいない事を確認するとニヤッと笑い、包みを破こうと手を伸ばした瞬間、
「ちょっと待てー!」
「キャッ!お兄ちゃん⁉︎いつ出てきたの?」
「今だよ、それより…」
ジーー
青年は包みを破こうとしている手をじっと眺める。
「お前は今何をしようとしてるんだ?朱莉?」
「いっいや!何もしてないよ(ニカッ)
はいこれ、お兄ちゃん宛で届いたやつ」
「おう、ありがと、じゃー学校頑張れよー」
「お兄ちゃんこそ、ゲーム頑張って!」
「おう、ありがとさん」
青年はそのまま今降りてきた階段を上っていった。
俺の名前は宮本龍輝(みやもとりゅうき)高校2年生。歳は17。引きこもりである。理由は簡単。好きだった相手が陰で俺の悪口を言うっていたからだ。
それ以来俺は人が信じれなくなり、徐々に社会との溝が生まれ、今まで友達だった相手とは顔が合わせれなくなり、親とも顔を合わせるのが気まずくなり最終的に今の引きこもりと言う結果に収まった。
だが俺は幸いな事に昔からネットゲームをしまくっていた半分オタクだったので引きこもっても楽しいゲームライフを送る事が出来た。
そんなある日、俺の引きこもり生活に新たな革命が起きたのだ。
『ユグドラシル・オンライン』
俺は月に2回買い出しに行く。まぁ買い出しと言うっても気になるゲームとお菓子を買いに行くだけだけどな…
そんな感じで買い出しにいった店の正面にあるテレビ、そこで流れていたCMがこのゲームの初回参加、より分かりやすく言うならお試しの募集だった。
俺はそのゲームのお試しを希望し参加する事が出来た。それから1ヶ月、ついに日本全国で同時売り上げが開始されたのだった。
俺はすぐネットで応募した。そして今日、ついにそのゲームが俺の元に来たのだ。
「お兄ちゃん行ってくるよー」
「おーう」
龍輝はそう返事をしながら自分の部屋に足を運ぶとすぐに扉を閉めゲームの準備をする。
服を脱ぎカセットと一緒に入っている服を着る。そして頭にはヘルメットのような機会ベリアンをつけるとゆっくりとベットの上に横になった。
「またあの世界に……俺は…」
青年は目を閉じ一言
「ゲームスタート」
その言葉と共に青年の意識は落ちた。
ユグドラシル・オンライン @6613RIKITORA
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