皮膚感覚的描写がふたりの愛を描き出す

体の自由が奪われていく病の中でも、お互いの存在と愛情を肌の触れ合いの微妙な感覚によって確かめ合う様子が感じられました。

皮膚感覚的な描写がたいへんよく生かされています。
肌の感触、見つめられた視線の熱さ、窓の冷気、そういった一つ一つの感覚が、読み手の皮膚にも跡をつけていくようで、だからこそ作中の2人の愛情をより深く感じることができます。

繊細な、感覚を研ぎ澄ませた中に、愛の形を感じ取ることのできる作品でした。

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