エピローグ
エピローグ
「しっかりして、お姉ちゃん!」
「……」
少しだけ片付いた自室のベッドに寝転がったまま動かない餡子を小豆が揺する。
「何で! 昨日まで元気だったお姉ちゃんが何で!」
「……」
「死なないで! 死なないでよ、お姉ちゃん!」
「……」
「そうだ! 最近たるんでるお腹触っちゃお!」
「おい止めろ!」
スパンと小豆は餡子に叩かれる。
「やっと起きた! ねえねえ! 次は何処のお店行こうか! 一応下調べによるとKFもハンバーガー出してるみたいだし話題性も兼ねて行ってみようよ!」
「……行かない」
餡子は冷たく言い放った。
「じゃあさじゃあさ、KAは? ショッピングモールにあるけど入ったことないんだよね! BKSとかも行ったことないけど美味しいのかな?」
「行かない」
小豆の提案を全て遮り、餡子はトドのように寝返りを打った。
「何で!? 何で行かないの!? ハンバーガー嫌いになっちゃったの!?」
「……太った」
「え? なになに?」
「太った……」
「え? ごめん、もっと大きな声で言って」
「BMIの値が大変なことになったって言ってんだよ! このボケ!!」
小豆の顔に餡子の百裂拳が決まった。
「そっかー……お姉ちゃん太っちゃったんだ……」
「うう……だからしばらくカロリーを押さえる。だから取材は無し」
「えー!? 嘘でしょ!? まだ沢山お店あるのに!?」
「あんなにハンバーガーばっかり食べてたらメタボになるわ! これからダイエットするんだよ!」
「ダイエット出来たら、また取材するの!? 楽しみにしてくれてる人達もいるから助かるよ!」
「リバウンドが……まあ、考えてやらなくもない。あんまり外食ばかりしてると本当に太るからな。
「
「お前バカか!? うら若き発育途中のJCがカロリーの過剰摂取で太らない訳がないだろ! 私も友達に言われて気がついたんだ……もっと自分を大事にしろ!」
「大丈夫! 私、全然言われないよ! いくら食べても全然太らない体質なんだよね!」
小豆の顎に昇竜拳が決まった。
◆
「小豆です! 皆様、ここまでのご愛読誠にありがとうございました! お姉ちゃんのお腹がハンバーガーみたいになってしまった為、取材は一端休止とさせて頂きます!」
ガコっという音と共に小豆。
「私の書いた記事に暖かなコメントやレビューも書いて頂き本当に嬉しいです! 絶対にお姉ちゃんを立ち直らせてみせます! それまでの間、悲しいですがお別れです!」
ガコっという音と共に小豆。
「……あれ? でも、お姉ちゃんがいなくても取材は続けられるよね? あれ?」
しばらく、沈黙が続く。
「まあいいや! とにかくこれにて以上、【ハンバーガールず!】の記事から美代小豆がお送りしました! ありがとー! 食べ過ぎには気をつけてねー!」
◆
ばいばーい、という小豆の声と共に今日までの取材は終わりを迎えるのであった。
彼女達の取材はこれからも続く。
ハンバーガールず! バンブー @bamboo
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