第5話 黄金の夜明けに夢を見た

05



「そうですわね」


 けれど、自分達は。自分は。

 もう、会う事は無いのが前提だ。会話をする事も、姿を見る事も出来なくなる。

 ならば少しだけ、何を言っても見咎められない状況を与える事は格段の褒美と言う事になるのだろう。


「もし、貴方がご自身で気が付かれなかったら言わなくてはなりませんでしたわ……。

 わたくしがこの場で、貴方と会話をする事は褒美。皆様の優しさ。

 それは、皆様が口にされてしまえば貴方は処分対象となってしまうのだと言う事でした。ですが、貴方は頭の宜しい方ですから、その必要がなく安堵しましたわ」

「ええ……そうですね……」


 彼女は、アルテミシアは、まだ門から出ていない以上は学生だ。

 例えでもなんでも無く、貴族と平民と言う隔たりがあっても門から出るまでは許される事はあるのだ。


「そして、この場はわたくしへの褒美の場でもありますのよ……貴方が今のようであるからこそ口にする気にもなりましたけれど」

「……褒美?」


 アイシスは、自分に与えられた褒美の場だと言うのは理解した。平民である自分が貴族である彼らに直接言葉をかける事はもう出来ないし、その家族ともなれば顔を直接見るだけでも不敬と排除されてもおかしくはないだろう。

 何しろ、この学校で起きる全ての事柄が言動が「貴族にとって子供でいられる最後の自由時間」であると同時に「平民にとってはいかに己の能力を誇示する事が出来るかと言うアピールタイム」でもあるのだ。両者の立場も苦労度も結果も全く異なるとは言え、この制度を大人達が廃止しなかった最大の理由である「人材育成」や「人材発掘」に「教育」まで出来るのだから一石が二鳥にも三鳥にもなるのだから止められない筈である。

 この部屋から出た時点で、アイシスはアルテミシアとだって呼ばれぬ限り直接会話をする事さえ難しくなる。

 今は、お互いがまだ学生だから目こぼしをされていると言うだけの話なのだ。

 それでも、決してエンドヴェリクスはアイシスに視線を向けようとはしないけれど……これが、その「答え」なのだろうと言う気はする。

 決して、情が無かったわけではないだろう。

 ただ、アルテミシアも言っていた様に分類分けをするのであれば途中で気が変わった……愛より家や位、お金と言ったものを選んだと言う事なのだろう。アイシスにとって選択肢があった中で選んだ相手が最も好みの顔と安定した経済状況が愛情だと思っていた事の理由になっていないとは言えないのだから。


「そうですわ……貴族に限らず、確かに世の中と言うのは殿方が表立って動いておられるからこそ目立っているのは事実です。ですが、そこに女性の助力が無ければ殿方が輝く事はないと言う場合もありますのよ。

 だと言うのに……世の本には、この様な言葉があるそうですわ。

 ねえ、貴方はご存知かしら?

 『女性の腹から生まれた癖に生意気』

 そんな言葉があるのですって……ご自身がどうやって生まれたかを考えれば、その始まりを無下にするようなお言葉がいかにご自身を卑下なさる事か、それくらいお分かりになるのではないかと思いません事?」

「え、ええと……」


 たらり、とアイシスは額に汗が流れるのを感じた。

 アルテミシアの言葉は、確かに男性上位と言われる世にあって女性達の何割かが思っている事ではあるのだろう。それが全員とは言わないのは男性を掌の上で転がす女性もあるのは確かだし、それ以外の事を考えたこともなく思いつかないと言う環境にあるからだとも言える。

 特に、生まれる前から籠の鳥が当然と言う環境にある世界に生きている人々に思いつけと言うのは無理難題だ。


「真実の愛が不要とは言いませんわ、でもわたくし達が何のために存在しているのか。そんな事さえ思いもつかないのであれば貴族として、いえ人として存在する必要などございません」

「あ、あの……」

「よろしくて、アイシス殿?

 人が己の立場に対して思う頃があるのは構わないのです、それが胸の内に秘めておられる間ならば誰も気付く事はないでしょう。しかし、それが己の内から出された時点で一人歩きを始めるのです、どの様な思惑から口に出されたとしても、その時点で受け取る方がいる限りは別人である以上はすべての思惑を理解する事など決して出来ません」

「え、ええと……」


 たらりと、アイシスの額に汗が流れた。

 確かに、アルテミシア本人は上級貴族のご令嬢だからアイシスに比べれば許されている事も出来る事も格段に大きいだろうし、それを聞いているだけのアイシスにしてみれば巻き込まれただけだと言う印象を持たれるだろう。

 ……だが、この場には。

 そう、先ほどから空気よろしく何一つ声を出す事はなく傍に立ってるエンドヴェリクスを初めとしてその身内やら幼馴染やらその両親やらと、豪華な顔ぶれが勢ぞろいしているのだ……アイシスには見分けがつかないが、この中に王族が紛れ込んでいたとしても疑う気にはならないだろう。ついでに言えば、例え国王がいたとしても見分けがつかないわけだ……何人かはこちらを、アイシスを興味深そうに見ている人がいるのが意図が不明な所もあり。

 つまり、今更ながらにアイシスは怖くなってきたわけだ。

 己の……見方によっては計画的に講じた策略に、ある意味では何も考えずに奔放な振る舞いにより立たされた立場の危うさに、ついでに脱兎のごとき逃亡希望と思考が走ってしまっているために。


「そもそも……貴族と言うのは民があって初めて己の立場を成り立たせると言う事はご存知かしら?

 民より献上される……ああ、貴方達から見れば搾取とか取り立てているとか、強奪されていると言う感覚なのでしょうね、わたくしも王家に無茶な依頼をされると似たような気持になると思いますわ」

「え……?」


 もしかしなくても、とアイシスは思い至る。

 これってば、褒美の場であると同時にアイシスへの罰なのではないだろうかと。

 問いただす事も、逃げ出す事も、先ほど卒業式を終えた身の上である事を含めても上位貴族が勢ぞろいしている最中で許可も得ずに逃亡するなど許されない事は学んでいる。


「だと言うのに、無駄に消費して浪費して経済を回すでもなく立場も弁えずに好き勝手行い、あげく『浮気は男の甲斐性』だなどと平然と口にして置いて支払いを回してくる様な程度で平然としているなどと。全くもって男と言うのは……」

「アルテミシア……もしかして、その『男』の中には私も含まれているのかな?」

「あら嫌ですわ、エンドヴェリクス様。

 淑女の会話に割り込むのは無粋と言うものでいらしてよ? 殿方はすぐに淑女に会話に入り込むことを煙たがるものですけれど、だからと言って殿方が行う事をどなたが許されると言うのでしょう? 皇后陛下が先日、その件で皇太后陛下とともに陛下へと苦言を呈されたと伺いましてよ?」

「流石に耳が早いね……けれど、アルテミシアも今言っただろう?

 口にしなければ、それはその人だけのものだ」

「ええ、そうですわ」


 さらりと肯定したアルテミシアではあるが、その目が笑っていない事を知っているのはエンドヴェリクスだけだったのだろう……アイシスはどちらかと言えば、この状況から逃げ出したくてたまらなかった。こんな、例え今後のアイシスが仮に上級貴族や他国へ嫁入りをする事が出来たと仮定して、その誰か……アルテミシアやエンドヴェリクスとは、まったく関係のない所の人々へと付き合うようになったとしても決して口を割る予定はないけれど。

 アイシスにとって、今の状態は心身ともに良くない影響を齎すと判断するのだ。こんな話を聞いただけでも十分に「処分」対象となるだろう事は学生をしていた時間の間で学んだ数少ない有益な事だと思っている……確かに、紙の上とかで学ぶ事とて無益だとは言わないが。


「わたくしとて、殿方の行いの全てが恥ずべき行為であるとは思いませんわ。

 ですが、殿方からご覧になれば全くの無意味だと判断される事がご婦人方にあると言う事があるのは存じております……例えば、女性が己や目に入る全てに美しさを求めるあまり暴挙に出る方がおられるのは事実……さりとて、例えばアイシス殿に苦言をされていた方やそれ以上を求められる方達にも言える事でしてよ?

 前提として、殿方を主導とされる社会の造りに置いて女生は儚くも殿方の一存で生死を握られていると言う現実がございます。ましてや、上位貴族の女性に対して己の家の存続を謀る為にねじ込んだ話であろうと、それを自覚する事もなく簡単に婚約破棄を申し出る方がおられます……それは、相手が女性である事を除いたとすれば家同士の存続やその間で交わされた政治的な問題をすべて無視されると言う事になります。

 よろしいですか? すでに婚約破棄をされて家から出される当の本人はどうでも良いとしても、その巻き添えとなった家や領民の立場はそんな無頼者を削除した程度で向上するわけでもありませんのよ?」


 ここぞとばかりにセリフを畳みかけるアルテミシアに、最も顔を青くしているのはアイシスではあるが……何しろ、アイシスにしてみれば己の安定した生活を無意識で求めていたと言うだけであって「真実の愛」があれば権力でどうにでもなるだろうと思っていたのだ。

 都合のよい事に、相手は恐らくアイシスを手放す事はしないだろうと仮定した場合。貴族として正妻となれぬのならばお金と家だけを貰って安穏とした生活を送れればそれでも良い、仮に放逐される事になれば実行される前に小さな宝石などを持ち物に縫い付ける等して逃げ出せばよいと思っていた……どんな生活を送ってきたのかと問われると苦笑いをするしかないのだが、そんな中で生きて来たのだから死にたくなければ生き残るしかなかった。

 とは言うものの、アイシスを含め似たような立場で放り込まれた……お互いがお互いの認識をしていなかったので、誰が誰かは知らないとは言うものの……もしかしたら、お偉いさんたちの中にいる誰かの中に同じ立場の人達がいる可能性は……捨てきれない……。


「この時期ですもの、様々な可能性を考慮して可能な限り多方面に渡り双方で調整を行っておりますから。最悪の事態は回避できているとは言いますが……それに伴い、堕ちた方を輩出したお家は著しく狭い立場であると同時に、後手に回れば爵位を落とし領地を一部取り上げられる事もありますのよ?

 それでいて、当の本人が『真実の愛』とやらを謳歌など……」


 確かに、そこまで言われてしまうとアイシスにも事の重大さがよくわかった。

 学校に入学する前に言ってくれれば……と言う気もしないでもなかったが、あの父親が「金持ちを誑し込んで来い(意訳)」と指示したわけだし、当時のアイシスも人の話を聞いたかどうかは怪しい所だっただろう。その程度の自覚はある……と言うより、これは恥ずかしい過去だ。殲滅したくなる。無理だろうが。

 まじめな話、ここでアルテミシアがアイシスの知らない所で動いただろう功績はとてつもない事だろうと言う事は、想像がつく。


「命を取り上げる程度で済ませられるなどと、思われるのも業腹ですわね」

「あ、あの……」

「あら、どうかなさいまして?」

「……い、いえ……」


 色々な意味で逃亡希望なアイシスはいっぱいいっぱいだったが、余りにもアルテミシアがにこやかに応えるので「逃亡させてください!」とは流石に言えない……こんな機会は生きている間に二度とあるものではないのだから貴重な機会だと言う事は判っている……判っているのだが、ここまで懇切丁寧に己の悪行をさらけ出されてしまうと……正確には、「もしも実現していた場合」なので実際には実行されなかったのではあるが……アイシス以外の誰かにとっては、それは「実現してしまった夢」なのだ。

 アルテミシアと言う存在がいたからこそ何とかなっただけであって、これは起きたかもしれない現実でしかない。


「無頼者と言うのは、どうかと思わないでもないが……」


 性別が同じと言うだけで、思わず庇いだてをする様な発言となったのだろうが、それは幾ら何でも悪手だと言う事がアイシスにはわかったし。恐らく、この会話に聞き耳を立てているだろう人達も複雑そうな顔をしているので、同意見多数と言う所なのだろう。


「あら……それでは、エンドヴェリクス様の意見を採用して無法者とお呼びいたしましょうか?」

「……いや、どちらにせよ彼らにはそれだけの事を行ったと言う事ではあるな」

「エンドヴェリクス様が御当主でしたら、彼らにどの様にお申し付けになられるのでしょう?」


 ふと、アルテミシアが漏らしたのは思わずと言ったような感じだった。

 別に本人とて、言うつもりはなかったのだろう……「あら?」と言いながら口元に手を当てているあたり仕草が可愛らしい。

 どうして、とアイシスは思う……確かに、学生をやっていた頃は制服やお互いでキャラクターづくり……アルテミシアにしてみれば、階級を超えて現れる生徒達を警戒こそしても信頼も信用も出来ないのだろう。実際に、上位貴族の間でしばしば開かれているサロンや男子生徒の間で行われているゲームと言うのは、情報交換の場として使われているのだと言う事がのちに判明した。

 アイシスが関わる前に、似たような立場の娘がサロンの無益性を訴えていた事で方々から白い眼で見られる事となったらしい……アイシスも、確かにサロンが開かれる事で迷惑だと思ったら同じような事をしていたかも知れないとは思う。ただ、同時にそれをしてしまって問題定義をされた場合は、やはり同じように「殿方の倶楽部も同じ事ですわよ? 殿方はゲームのない人生をどれだけ過ごせますの?」と言われてあっさりと捨てられたかも知れない。


「そうだね……私なら、そうならぬ様に差し向けた事だろう。

 家に、領地に、領民に不利益を平気でかぶせて置きながら平然とされるなど許される事ではないのだからね」

「……それ、わたくしがお傍になくても同じ事が仰せになる事が出来ましたかしら?」

「痛い所をついてくるね……」


 アイシスもアルテミシアには全くもって同意見だった……その際に、エンドヴェリクスの隣に立っていたのはアイシスだと仮定して、アルテミシアではなく別の令嬢が居たとすれば不可能ではないのだろう。

 だが、その時にアイシスに未来が無くなると言う事だ。


「ですが、仰る事は間違っておられませんわ……わたくしとて、わたくし一人の力であればここまで配慮する事は出来かねたと思いますもの」

「おや、アルテミシアならば……」

「世事は不要ですわ、エンドヴェリクス様。

 家の者、先達の皆様、そう言った方々からの助言を受けて初めて、この国がらみのカラクリを見抜くことが出来ました……いえ、誰も隠しているわけではありませんでした。単に、わたくし達の視線の外側にあったからこそ、わたくし達は視線を向ける事も興味が起きるわけでも無かったのです。

 視野を広く持ち、己の感性に対して疑問を持ち、それらを決して無下に行わないと言う事につきますわ」


 まだまだだと己を卑下するアルテミシアではあるが、周囲の者と比べれば格段に見所も出来も良いと言われているアルテミシアである……それが、他の有力貴族の子息からしてみると己より出来が良い為に、その事で親達から比較対象にされている事もあって男子生徒からも女子生徒からもアルテミシアの同級生としての評判は高くはないが……アルテミシアの近くで仕事ぶりや努力の姿を見て認めている者とて決して存在しないわけでもない。

 確かに、性格からしてきついと言われている事からも人心掌握への才能は今の所持っていないが……それも、彼らが「生徒」と言う守られた環境の中にあるからこそであって。そこあら出てしまえばアルテミシアの有能さや慈悲深さは広く知られる事となる……自分達が、どれだけ無能なのか。

 だからこそ、アルテミシアは己が無能だなどと嘆く必要はないのだ。

 エンドヴェリクスとて、やはりそう思っていたのだ。

 ただ、立場的に一足早く現実を理解する事が出来たから今はそう思っていないと言うだけであって。


「これから貴方がどなたかと子を孕み生み落とし、その子が大きくなったとしたら国の監視により貴方と同じ様な立場に立たされる事もあるでしょう。出来れば、国としてはそうして貰える方が都合が良いと判断すると思いますわ。

 かと言って、子を産む事は女が命を懸けて行う事……殿方は仕込むだけですから、どうしてもその辺りに思い至らぬ哀れな生き物なのです。

 ですから、貴方がこれから先に向かわれる先でどの様な人生を歩むことになるのか。それを決めるのは、貴方でしかありません。ここで、こうしてわたくしが『当然の事』を貴方にお伝えする事も、またわたくしに与えられた褒美にすぎませんのよ。

 ですから、あと一つだけ」


 唇の前で立たされた、一本の指。

 それは、常ならば内緒話を表す事となるのだろう。だが、この場合はどうなのだろうか?


「貴方のお父君は、本当に頑固でしたのよ。

 ぎりぎりになるまで、貴方と母君を探し出さない様にしていましたの。そうして、出来れば貴方がお役目を果たせない状況にしたかった様ですのよ。これは勘ですけれど」

「勘……ですか……」

「ええ、経験から裏打ちされた勘ですわね。

 貴方のお父君が、母君に手を付けられたのは偶然でした。あの方、あれでもそれなりの地位にいるので身辺は綺麗にしておかなければなりませんのよ……常に命の危険に脅かされている方ですから仕方のない事ですけれど。

 誤算なのは、一晩で貴方という命が宿ったことと。それにより男爵家の奥方の勘気に触れた事、男爵が留守にしていた為に、そして貴方の母君が体質により女性から嫌われていた事が重なったのですわ。

 その体質は、確かにすべての始まりでした。その体質を抑える手段を研究する者がある事も、その事情が広まっていない事も、沢山重なった不運に過ぎません。

 貴方と言う人物を手中に収めれば、弱点として認識されてしまう……だからこそ、貴方の父君は貴方をあえて探すことは出来なかった。

 ああ、勘違いなさらないでくださいね? それについては殿方の不徳ですもの……心底恨んでいただいて問題はありませんのよ? 手段など幾らでもあると言うのに、試すことも出来ず近づくことも怖がるくらいならば最初から国か娘かどちらかを選択すれば良かっただけの話なのです」


 ただ、とアルテミシアは続けた。


「本人にとっては、そうする事しか出来なかったと。

 そんな言い訳しかしない者も、世の中にはあるのですわ」

「私は……貴女に助けて貰った……?」

「いいえ、わたくしは勝手に行いたいことを成しただけ。

 貴方が助かったと思ったのであれば、それは貴方が勝手に助かっただけの話です。

 もちろん、その事でわたくしに心の底から感謝していただいてもよろしくてよ?」


 それからの事は、多くは残されていない。

アイシスは、用意されたと言う土地に同類達と移住した。その際に、番犬と揶揄されたユーノが着いて行ったと言う事は判っている。しかし、ユーノがその後でどうなったのか記述は残されていない。アイシスのその後に着いても、歴史書には残されていない。

 ただ、その王国では時々上流階級の家では悲喜こもごもがあると言う話が時折流れただけだ。

 ついでに言えば、何年かに一度の割合で見かけによらず唯一の宝飾品を身に着けた生徒が入学して。そして、卒業する事があると言う。その際に何人かの卒業生が姿を消したと言われているが、それも定かではない。

 長い時の果てに、それまで田舎と知られぬ場所だった所が。

 ある時を境に、特に上流階級の避暑地として幾つかの騒動を起こす事があるのだが……。

 遠い、未来の話だろう。



終わり

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

school love 源 三津樹 @Inquest13

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ