第2話
こんにちはバーテンダーさんです。今日はパーラの街に買い出しに来ています。ここはルガランド王国随一の都市で観光地としても人気の高い街です。レンガを基調として作られた民家で整えられた街並み。中央広場には古代に作られたとされる大きな噴水がこの街の栄華を象徴しています。しかし用事があるのは商店街の方なので今日はいく予定はありません。
「す、すみません!?アリエルの酒場ってどこにありますか?」
可愛らしい猫耳の獣人の女の子が話しかけてきました。見た目は十二から十五くらいの俺の胸程の身長しかない可愛らしい獣人さんです。突然ですが俺は獣人が好き、いや愛しています。特に猫耳がついたーーとこれ以上考えるのはやめましょう。クールでビューティなバーテンダーさんらしくありませんから。
「アリエルの酒場ですか。これから私も行く予定なので、もしよろしければ一緒に参りませんか?」
「本当ですか!?良かった!私この街に知り合いがいなくて……」
猫耳少女と二人で街を歩く。
アリエルの酒場とは酒の墓場と言われ数多くのお酒が眠っている場所です。中には珍しいお酒も隠れているのでバーテンダーさんはよく行きます。しかしこんな女の子がお酒を嗜むとは思えませんが。
「なぜこの街に来ようとしたのですか?えっと……」
名前を聞いていませんでした。
「ニャンシーです!この街にはどんな依頼でも絶対に失敗しない凄腕の冒険者さんがいるとか!その人にお願いしたいことがあるんです!!」
そしてアリエルの酒場はその英雄が
「私の事は……バーテンダーさんとでもお呼びください」
「はい!バーテンダーさん!」
元気がよろしいようで。
「ニャンシーさん。その方は依頼は絶対に失敗しませんが、依頼金がとても高額だと聞いた覚えがあります。しかしニャンシーさんはそれほどお金を持っているとは見受けられません」
「だ、大丈夫です!いざとなれば私の身体を使ってでもーー」
「こらこら、乙女がそのような事を言うのではありません」
「で、でも……」
余程深い理由があるのでしょう。少し可愛そうです。が、これもお仕事の為、ニャンシーにさらに問いかけます。
「英雄にどの様な依頼をなされるのですか?」
「え、それは……いわなきゃ駄目ですか?」
「お願いします」
ニャンシーさんの顔に影がかかる。
「ごめんなさい。でも言えません」
少し追い詰めすぎてしまったようです。ここは謝らなければ紳士ではありません。
「いえこちらこそ無理強いをしてしまい申し訳ありません。アリエルの酒場はそこの突き当たりを左に曲がった所にあります。ではこれで」
「え、バーテンダーさんも用事があったんじゃ……」
「ええ別の用を思い出してしまいまして、これで失礼します」
と、俺はニャンシーの前から消える。そしてアリエルの酒場に別の出入口から入る。そこに立てかけられていた俺専用の異様なオーラを放つ漆黒のローブを羽織い準備を済ませる。SS級冒険者の
バーテンダーさんは世界最強 @mobrann
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