概要
22年ぶりに僕は帰る。黒い町に。死んだ母と顔も知らない父に会うために。
小学生の頃、僕が過ごした「黒い町」。
僕と母が生まれた町。
僕と母が出ていった町。
そして、母が死んだ町。
死んだ母と顔も知らない父に会うため、22年ぶりに僕はその町に帰る。
僕と母が生まれた町。
僕と母が出ていった町。
そして、母が死んだ町。
死んだ母と顔も知らない父に会うため、22年ぶりに僕はその町に帰る。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!街コン金賞作品です!
初めての小説とは言え、雑誌の編集・ライターをしてらっしゃるから、門前の小僧お経を唱えるですかね。金賞おめでとうございます。
拝読して感じたのは、記述を寸止めにして、読者をもどかしくさせ、その先を想像させる所が複数有るなという事。ネタバレになるので具体的に書きませんが、作者なら「してやったり」と手を打たれると思います。それが奥行きを醸し出しているなぁと勉強になりました。
さて、私は受賞作が公表されるまで、本作品の存在を知りませんでした。「相変わらずクジ運が悪いなぁ」と自分の不運を嘆きつつ、「俺は新着レビューで読む作品を探すが、果たして本作品のレビュー数は?」とチェックしたら、少ないんですね。初…続きを読む - ★★★ Excellent!!!本格的。映画感覚の"心に残る"短編小説。
ネット上に氾濫するキャラクターありきのドタバタ小説とは一線を画す、緻密に練られたうえでの自然体な作品でした。
本格的ですが読みやすく、主人公の故郷に対するわだかまりがとけていくのにそって、私の心の中で絡まった糸もほぐれていくようでした。読了後はサラッとした温かさが心に残ります。
故郷を受け入れ、母の死を受け入れた主人公ですが、父との間の溝が埋まらなかったのが気になりました。しかしそれこそが自然で、作品に余韻を持たせたとも思います。
作品名どおり、色彩の移り変わりがとても美しく、映像美を感じました。加えて、ある意味淡々とした文章と対比的な人情味のある佐賀弁は聴覚的な刺激になりましたし、…続きを読む