明るく、挫けず。人間にとって欠かせない「心の強さ」。

いつも明るく、温かくて、おおらかで。
私も、以前熊本を何度か訪れたことがあります。その気候だけでなく、そこに住む人たちの明るく人情の厚い人柄に、強く惹かれました。

熊本を襲った震災。それにより、大切な宝物ががらくたに変わってしまう悲しみ…どんなに辛い経験だっただろうと想像します。
でも、作者様の叔母様は、いつも明るく逞しく、周囲を気遣う。辛い気持ちのなかにいながら、それは簡単にできることではないはずです。
そして、家庭の安全を守ることを何より大切にし、防災対策を怠らなかったお祖母様の聡明さ。

見舞う立場の私達が、彼女たちに癒やされ、学ばされてしまいます。

明るさを絶やさない心と、簡単には挫けない強さ。それは、周りの人だけでなく自分自身をも救う、人間にとって不可欠なものなのかもしれない。
…そんな大切なことを気づかせてくれる、深く温かい作品です。