332錠.五月病のせいにして、とりあえず顔を洗う


時計仕掛けの夢がとっくに役目を終えて

心の片隅で埃をかぶっている


そんなことを考えていたら

猫が近寄ってきた

僕はぼんやりと優しく撫でた


そんな気だるい木曜日


窓の外から子どもたちの声

生ぬるい空気

暖かな陽光


なんとなく哀しい


哀しい…?

僕はどうして孤独を感じているんだろう?


それなりに心地よい日々は程よく通り過ぎて

それなりに居心地のよい場所もあるのに

何が嫌だというのか


顔をあげればカレンダーが目にはいる

誰かが犬派だったから

可愛い子犬の写真のカレンダー

5月*日


5月といえば五月病というものがあるらしい

これが、それなのか

僕はちょっと笑う


『よくわからないモヤモヤも、言語化すると

少し楽になるよ』って誰かが言ってた


本当かどうか知らないけれど

とりあえず

顔ぐらい洗おうかという気持ちにはなった






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