374錠.電飾

絶望が消える前の

その一瞬の

君の瞳を僕は見ていたい


電飾で着飾ったところで

いつもの帰り道はいつも通り

きらめきがうっとうしい

『夜道が明るくなって良いんじゃない?』

なんて言う君もいつも通りで

浮かない顔をしている

信じてくれたらいいのに

僕の言葉

君のためなら僕は何だってできるし

君の絶望だって消してあげる

偽物じゃない本物の明かりで

全てを照らしてしまおう


幸せを祈るわけでもなく

駅前で輝くツリーを見上げる

電飾が点滅している

『青白い光って案外きれいかも』

なんて言う君の瞳は少し

輝きを反射している

信じてくれてもいいのに

僕の心

青でも白でも黒だって赤だって

君が望む色を全部集めて

嘘か本当かすぐにわかるように

全てを照らしてしまおう


絶望が消える前の

その一瞬

希望が生まれた後の

その一瞬


その一瞬の

君の瞳を僕は見ていたい

その一瞬に

隣にいたら僕のことを君は


信じてほしいんだ君に

僕のことを



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