第9話


今日は三日前に 鏡花 と【金環日食】を一緒に見る約束した日曜日。


勇輝 はお弁当の支度をしていた。


施設で生活していた小学生の頃から 勇輝 は積極的に家事を手伝っていたので手際よくお弁当が出来上がっていく…。

鏡花 のお弁当はごはん物だったので 勇輝 はサンドイッチ類とホットドック類にまとめ、飲み物はコーヒーと紅茶を水筒にそれぞれ入れてお弁当の準備を終えていった。お弁当を鞄に詰め終わり自分の身支度も済んだ頃、部屋のインターホンが鳴った。 勇輝 はちゃぶ台の上にある目覚まし時計を見ると午前9時少し前になっていたので少し速足で玄関口まで向かいドアを開ける。


そこには何時もと雰囲気が違う 鏡花 が立っていた。


何時もはポニーテールにしている髪を下ろし腰まである艶やかな髪が朝の少し寒い風で揺れている。少し大きめのベージュ色のセーターにカーキを主体にしたチェックのショートパンツ。少しパープルの入った黒いタイツに膝丈程あるこげ茶色のブーツを履いて少し大人っぽい雰囲気を出していた。


「おはよう 鏡花 。」


「おはよう 勇輝 、少し早かった?。」


「全然大丈夫。それよりも 鏡花 、服装とても似合ってるよ。何時もと雰囲気が違って大人っぽく見える。」


「ぁ、ありがとうぅ…。」顔を赤らめモジモジしながら 鏡花 は嬉しそうに言った。


「じゃあ、行こうか。」


「うんっ!。」


二人で市街地に向かい去年出来た大型ショッピングモールで買い物をしながらいろいろと見て回った。 鏡花 が新しい髪留めを選んで欲しいと言ってきたので全体が白に近い淡いピンク色と鮮やかな赤色の組み紐で銀色のクローバーのアクセサリの着いた髪留めをプレゼントした。


勇輝 は 鏡花 にプレゼントしたいと言った時、顔を真っ赤にして驚いて受け取って貰えなかったが「プレゼント交換しよう」と 勇輝 は提案すると 鏡花 は満面の笑みを浮かべ「それが良いっ!!。そうしましょっ!!!」そう言って 鏡花 は夢中でお店を周り 勇輝 のプレゼントを選んでいった。


暫くお店を周りとある雑貨屋さんで「これ何てどう? 勇輝 に似合いそう。」と言って 鏡花 は紺色の紐をベースに淡い黄緑で刺繍を施し勇輝 が 鏡花 にプレゼントした髪留めについている銀色のクローバーによく似た少し小さい目の金色のクローバーが付いているミサンガを手に取って 勇輝 の手首に巻き付ける様に合わせて見た。


「うん…良い感じだよ。」


「じゃあ、これにするっ!」


満足そうな 勇輝 をみて 鏡花 はミサンガをもってレジに向かった。


ミサンガを購入して改めて 勇輝 手首にミサンガを付けてみる。 鏡花 も先ほど 勇輝 からプレゼントしてもらった髪留めを下ろしていた髪をかき上げて何時ものポニーテールにして付けてみる。


「 鏡花 、すごく似合っているね。」


「 勇輝 もいい感じね。」


「 鏡花 とペアアクセサリーみたいだから余計にうれしいよ 」と 勇輝 は素直な嬉しさを伝えると 鏡花 の顔が見る見るうちに沸騰でもするかと思うくらい顔が赤くなっていった。


「ゎ、私も嬉しい……。」と 鏡花 も俯きながら消えかける様な声で言った。


それから雑貨屋さんを数店舗まわり時折、お互いのプレゼントを見て二人で笑顔になり満足感を味わいながら買い物を楽しんでいった…。


そろそろ皆既日食が起きる時間になりそうなので近くの公園でお弁当を食べる場所を探したが 勇輝 達と同じ様にお弁当を食べながら皆既日食を待っている家族連れやカップルでいっぱいだった。


勇輝 と 鏡花 はいろいろと場所を探したが見つからず、今日は皆既日食の見学の為、特別に学校の屋上テラスが解放になっていたので仕方なく学校の屋上テラスで食べる事にした。


屋上テラスの噴水近くのベンチで 勇輝 と 鏡花 はお弁当を広げ食べていると皆既日食が始まった。


事前に用意していた二つの遮光プレートを使って 勇輝 と 鏡花 は太陽を見てみる。



端から月の影が太陽を侵食していくように重なっていく…………。



ゆっくりと月全体が太陽に包まれるように黒い影が太陽と重なっていく……。



そして周囲が薄暗くなり太陽と月が全て重なり漆黒の円に黄金の縁取りが現る…まるで黄金の指輪の様に光を放っている様に……。


「凄い幻想的よね。」と遮光プレートで金環日食を見ながら 鏡花 は言った。


「ああ、幻想的だな…百年に一度だっけ?、もう見られないかもしれないと思うと余計に感動するな…。」 勇輝 は 鏡花 と一緒に貴重な体験が出来た喜びを嚙みしめながら言った。


「…。」


「…。」


「…。」


「…。」


勇輝 と 鏡花 はとてつもない違和感を感じ始めていた…。普通、金環日食の最大日食…つまり月全部が太陽の中にはいっている時間はほんの数十秒のはずなのに今二人が見ている最大日食が五分程経とうとしているのに形を完全に残してまだ続いている…。


「ね、ねぇ… 勇輝 、何かおかしくない?…。」


「ああ…最大日食が長すぎる…と言うか時が止まった様に動いていない…。」


二人が遮光プレートで太陽を見ながら疑問を口にしていると突然、光り輝いている太陽のリングの縁取り一点の部分が血の様に赤く変色した。


赤く変色した部分から時計の逆回転の方向にまるで血で円を描くかのように光り輝いていた太陽のリングが血の色に染まっていった。


太陽のリングの部分全てが鮮血の様に赤く染まると突然、空気の比重が目に見えて重くなったような圧迫感にとらわれ周囲が微かに分かるくらいの薄紫色の靄に包まれた。


「な、なにっ!。なんなのこれ!」 鏡花 は言いようのない不安感を覚え、 勇輝 に密着するかのように寄り添い 勇輝 の手を握りしめながら言った。


勇輝 は 鏡花 の手を握りしめたまま二人で屋上のテラスの端まで向かいグラウンドや周囲を目を凝らして見渡した。


グラウンドには部活をしていた生徒や 勇輝 達と同じ様に金環日食を見に来た生徒と先生が多数、不安感を抱いているがどうしたら良いか分からずに立ち竦んでいた。


「何が起こっているか全く分からないが今の所、何も起こってなさそう……ん?」と 勇輝 は言っているとグラウンドに居た数名の生徒が何やら太陽のに向かって指を差して隣にいる生徒になにやら訴えている様な姿が目に映った。


すぐさま 勇輝 は指をさしている方向をみてみると太陽の方向なので遮光プレートをかざし、目を凝らして見てみると以前、最大日食のまま動かない漆黒の影の部分にまるで虫眼鏡を使って黒い紙を焼いて出来た点の様にぽつぽつと白い光の様な点が一つ…また一つと次第に増えていった。


次第に増えていく白い光の様な点が少しづつ地上に近づいてくる様に大きくなってきた…。


「な、なんだあれは…。」 勇輝 は遮光プレートを外し肉眼で見えるようになった白い光の様な点の姿を見て驚愕する様に口から声を漏らした。


白銀の光を放ちながら大人二人程の大きさのある2枚の翼を背中に羽やし汚れ一つない純白の布を体に巻き付けたような服を着ている体は屈強な人間の男性姿をしていて

姿かたちはまさに天使の姿をしていたが頭部は人間の顔の輪郭をしているだけで目や鼻、口、耳と言った器官等は無くまるで石膏の顔を削って平にした様に平面になっていた。


「 勇輝 ……。」 鏡花 は 勇輝 の名を呼んだがその声は恐怖で今にも消えかける様に小さくなって 勇輝 の腕にしがみ付いて怯えていた。


「此処は目立ちそうだから早く校舎の中に入っ……。」 勇輝 は現状、此処に居てはかなり危険だと判断して 鏡花 に一刻も早く隠れる様に校舎内に向かおうとした時、

一体の天使の姿をした生物がグラウンドで何が起こっているか分からずに立ち竦んでいた一人の男子生徒の目の前にゆっくりと舞い降りた。


「あ……。」立ち竦んでいた男子生徒はいきなり顔と顔が引っ付きそうな位に自分の顔に近づいてきた削り取られた様に何もない顔を間近に見て口元はガチガチ震えだし

恐怖のあまり涙目で輪郭しかない異様な顔を凝視していると天使の姿をした生物の二枚の翼が立ち竦んでいた男子生徒を包み込んだ。


「ぐぇぇっ!!ぎゃぁぁぁぁぁぁぁっああぁぁぁーーーーl!!!!!!」二枚の翼で包み込まれ姿が見えなくなると同時に男子生徒と思われる絶叫が静まり返ったグラウンドに響き渡り男子生徒を包んでいた二枚の翼の隙間から血の様な赤い液体が噴水の様に勢いよく飛び出した。そして絶叫の様子を見せつけるかのように天使の姿をした生物の石膏が削り取られた様な何もない顔に絶叫する男子生徒の顔がまるで顔の上から透明なビニール袋を被せられ苦しみもがく姿が浮かび上がった。


男子生徒の絶叫が無くなると天使の姿をした生物が男子生徒を包んでいた二枚の翼を広げると、ボトリっ!、とゲル状のピンク色をした肉の塊が血だらけになって落ちた。


「うあぁぁッーーー!!」


「いやぁぁぁーーー!!!」


「ヤバイっ!、ヤバイっ!、ヤバイぃぃぃぃぃぃ!!」


「はっ!、早くっ!、にっ逃げないとっ!!!」


肉の塊になった男子生徒の周りにいた生徒や先生が絶叫と共にグラウンドから逃げ出そうをするが天使の姿をした生物が次々にグラウンドに降りて肉の塊になった男子生徒の様に次々と二枚の翼で逃げ惑う周りにいた生徒や先生を包んでいった…。


絶え間なく絶叫がこだまし、グラウンド一面に浅い池が出来た様に肉の塊になった生徒や先生の吹き出した血で覆われていった…。


「と、とにかくここから逃げよう。」 勇輝 が今にも気を失いそうな 鏡花 の肩を抱き支えながら言うとそのまま屋上の出入り口まで 鏡花 を支えながら走り出した。


屋上の出入り口まであと1m程に近づいた時、ドンッ!!、と 勇輝 は何か見えない壁の様な物にいきなりぶつかった。


「痛っ!!」


「キャッ!!」


勇輝 と 鏡花 は突然の痛みに驚き、二人で尻もちをついた。


「な、なんだこれは…一体…。」 勇輝 はすぐさま立ち上がり突然何かにぶつかった何もない空間に手を伸ばすと掌にツルツルとした壁の様な感触が伝わって来た。


勇輝 は目を凝らしてよく見てみると僅かに薄紫色の薄いシャボン玉の様な空気の壁が屋上のテラスの半分程の大きさでドーム状に広がって見えた。


掌で 勇輝 はその空気の壁を叩いてみたが叩いている感触は掌に伝わってくるが音はまるで消したかのように鳴らなかった。


勇輝 はその空気の壁に 鏡花 をもたれさせて座らせると空気の壁を手探りで出口を探していった。


「出口が見当たらない…閉じ込められたみたいだ。」まだ恐怖で震えている 鏡花 の傍に戻りながら 勇輝 は言った。


勇輝 は違和感を感じて周りを見渡すと天使の姿をした生物は次々と空から降りて生徒や先生を襲っているが空気の壁に囲まれた 勇輝 達にはまるで存在していないかの様に天使の姿をした生物が次々と通り過ぎって行った…。


勇輝 はその様子をみて原因は不明だが天使の姿をした生物はこの空気の壁に囲まれた部分は認識しないもしくは認識出来ないと判断して 鏡花 を落ち着かせる事に専念する。


「大丈夫か?、鏡花 。」 勇輝 は 鏡花 の手を握りしめ肩に手を添えながら言った。


「えぇ……なんとか…。」と 鏡花 は言いながら握りしめられていた 勇輝 の手を軽く支えにして少しよろめきながら立ち上がり辺りを見渡した。


勇輝 と 鏡花 の居てる屋上のテラスは見えない空気の壁で完全な防音設備の部屋の様に周囲の声や音が完全に遮断され何も聞こえないが音を消したスプラッター映画の様に周囲では天使の姿をした生物が次々と生徒や先生を襲い肉の塊と血の海に変えていく様子が広がって行った。


「どういう事?、ホラー映画の撮影?、訳が分からないわ…。」まったく現実味が無い状況に理解が全く追いつかなく 鏡花 は呆然としながら言った。


「ああ…私も何が何だか全然分からない…分からないが今の状況は私と 鏡花 がこの空気の壁みたいな物でこの屋上テラスに閉じ込められている事と、今襲っている天使の姿をした生物は私と 鏡花 が認識出来ないと言う事位…か…。」


「 勇輝 はよく落ち着いてられるわね…。それじゃあここに居れば襲われないで済むってこと?」


「現状は襲われていないと言うだけだから保証はない…私と 鏡花 だけが襲われないとは思えないから襲われない原因として一番可能性があるのは私と 鏡花 が閉じ込められているこの 見えない空気の壁が原因だと思うけどこの状態がいつまで続くか分からない…正直な話、一刻も早く此処から逃げた方が良いとは思うんだけど閉じ込められているし逃げたとして安全な場所なんて無さそうだし…。」


「じゃあ、このままジッとしてるしかないってこと?」


「ジッとしているだけだったらジリ貧になる可能性が高い…今は情報が少なすぎるから対処が分からない…とりあえずどんな小さな事でも良いからあの天使の姿をした生物の情報が欲しいからよく


 観察する事が先決だと思う…ん、どうした 鏡花 ?。」 勇輝 が淡々と状況を説明していたら 鏡花 が呆気にとられた顔をしていた。


「ほんとに 勇輝 って恐ろしいくらい冷静ね…。」


「そうか?、自分では信じられないくらい驚いているし、怖いと思ってるよ。」


「私には何時もの 勇輝 にしか見えないわよ…。」


「と、とりあえず何でもいいから気付いた事があったら教えてほしい。」


「わ、分かったわ、まだ少し怖いけどやってみ…?!っ」 勇輝 を見て話していた 鏡花 は 勇輝 の背後の何もない空間にまるでガラスに入ったヒビの様な亀裂が僅かに見えた気がした。


その瞬間、 鏡花 にとてつもない不安と恐怖が込み上げてきて本能的に 勇輝 に危険が迫ってくるのを感じ言葉よりも先に 勇輝 の体に飛びつきそのまま 勇輝 と一緒に横に転げる様に飛び退いた。



ドッゴォォォォォォォォォッーーーーーーンッ!!!!!!!



横に飛び退くとほぼ同時に空間に入った亀裂がガラスが割れた様に弾け、漆黒の空間から赤黒い稲妻の様な光が突然轟音と共に噴き出した。


「痛っ!!、きっ 鏡花 、だ、大丈夫かっ!!」 鏡花 に飛びつかれ一緒に地面に転がっていた 勇輝 が自分に覆いかぶさっている 鏡花 を心配してみてみると


鏡花 の両足の膝から下の足が切り取られたように切断して血が噴き出していた。


「 鏡花 !!」 勇輝 が叫び声を上げて 鏡花 を呼ぶと僅かに意識を保ちながら苦悶の表情を浮かべ反応した。


勇輝 は 鏡花 が生きていることに一瞬安堵してすぐさま 鏡花 の両足の止血をしようと立ち上がろうとした時、辺りの空気が激しく渦巻き一つに集束する様に集まっているのを感じて 勇輝 は顔を上げる様に見た。


そこには地面を這うように低い姿勢で3m程ある重厚な西洋のランスを限界まで弓を引き絞る様に構えている少女の姿をした人物いた。


「なっ!!!」 勇輝 は余りにも現実離れした光景を目にして驚愕した。突然轟音を発した場所の空間にはガラスを叩いて割れた様にヒビが入っていて割れた部分はまるでブラックホールの様に光を一切通さない真っ黒な空間が広がっていた。そこから飛び出してきたと思われる西洋のランスを構えている少女の姿はまるで神話に出てくる悪魔の様な姿をしていた。


激しく渦巻く空気と共に長い燃える様な赤い髪が激しく揺れその髪をかき分ける様に頭の両側から頬を守る様に沿って角が生え耳は長く尖っていて純血の様に赤いイヤリングが激しく揺れている。


血が通ってないように思うほど真っ白な肌に絶世の美少女の様な顔立ちをしているが髪と同じ真紅の瞳は焦りと凄まじい憎悪を宿し、牙の生えた口元は歯を砕くかと思わんばかりに食いしばっていて憤怒の表情で狙いを定める様に 勇輝 を睨みつけている。


勇輝 は 理由は分からないが標的が私であると瞬時に判断して 鏡花 を巻き込まないように離れようとした時、辛うじて繋がっている意識の中の 鏡花 も殺意の矛先が 勇輝 のみに向けられたものを感じて 鏡花 を庇う為に離れようとする 勇輝 の腕を掴み、痛みに耐えて瞑っている目を強引に開き訴えかける様に 勇輝 を見つめた。


勇輝 も 鏡花 の目をみて何を言いたいのか理解し 鏡花 の傍を離れるのをやめて優しく抱きしめた。


二人とも十分に理解していた…どちらか一人が生き残ったとしても確実に死ぬことを… 勇輝 が目の前にいる西洋のランスを構えている少女と戦ってもあの瞬光の一撃を目の当たりにして到底、万に一つも人間が勝てる可能性が無い事は十分に分かっているし、殺害対象の 勇輝 だけ死んでこの閉じ込められた空間に 鏡花 が一人生き残っても何れ出血多量で死んでしまう…どうせ直ぐに死んでしまうのなら一人でさみしく死ぬのは嫌だと…見つめ合う 勇輝 と 鏡花 はお互いが同じ思いなのを理解した。


「 鏡花 と一緒なら死ぬのも悪くはない…。」 勇輝 は 鏡花 に囁くように言った。


「 私でいいの? 」と消えかける様な声で 鏡花 は言う。


「 十分すぎるよ。」と笑みを浮かべながら 勇輝 は言った。



ギリㇼッ!!!!!と此処まで聞こえる歯軋りの様な音が聞えた。



勇輝 は 鏡花 その音に気付き音がした方向を見た。そこには狂気じみた嫉妬に加え先程よりもさらに空間が歪む程の憎悪を滲ませた表情をした悪魔の姿をした少女が重厚なランスにさらに力を加え大型の竜巻の様な勢いで空気と光がランスの先に集束し続けている。

「うらやましいわ…私もあの方と一緒にそんな風になりたかった……。」と悪魔の姿をした少女が 勇輝 達を鋭い眼光で睨みつけながら微かに聞き取れる位の小さい声でつぶやいた。


勇輝 と 鏡花 はその声に驚き悪魔の姿をした少女を見て目を見開いた。


「貴様が存在しているとあの方が完全に消えるの…だから……消えなさい。」と悪魔の姿をした少女が言うとそれを合図に持っていたランスに集束していた光が一瞬消えた刹那、ランスと共に悪魔の姿をした少女が赤い稲妻を纏い瞬光のごとく 勇輝 達に襲いかかった。

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天使と悪魔の異世界物語 @akiki

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