世界を変えることはできますか?

にわかながら哲学的な話が好きなので、シミュレーテッドリアリティ(哲学的ゾンビ)から始まり、ベンサムやら悪魔の証明やらと、至るところにそっち系の要素が散りばめられていて、非常に興味深かったです。
世界が違えど、世界に対して考えるべきことは変わらない。
タイムマシンや人工知能、記憶の可視化、種の保存といったSF要素を孕んだストーリー展開、さらにそこへ切り込んでゆく物理学、生物学など多分野からの考察ときて、あらゆる要素が詰まっているのではないか?と思ってしまうほどの濃密さがあります。
ようやく舞台が整ったところ。
話が難しいので好みは別れるかもしれませんが、理系の人、世界を変えたい人、哲学・SF好きの人におすすめです。

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