足指のペディキュアひと塗りが、日常を切り取っていく

好きな男にペディキュアを塗ってもらう。想像するだけで、ぞくぞくする。
しかも、マニキュアではなくペディキュア。手指ではなく、足指だ。
想像して欲しい、男に捧げ持たれた自分の片足を。
それには、シンデレラがガラスの靴を差し出された時とは違うエロティシズムが潜んでいる。

要するに、この作品は短いながらも目の付け所が秀逸だ。
テーマのみつけ方が山田詠美さんを思わせる。見てはいけない男と女の一幕の裏側を見てしまったかのような。

ただ片足にペディキュアを塗ってもらうという話なのに、こんなにも読み手をドキドキさせる。

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