様々な逸話が飛び交う、学校の魔窟・吹奏楽部。部活なんて入るつもりはなかったのに、よりによってその一員になる羽目になってしまった主人公。しかも、何故かその噂の根源の1人であるクールな美形の先輩にやけに気に入られてしまい…!?
強烈な個性と音楽の本気がぶつかり合う吹奏楽部のように、主人公たち個性豊かな面々も自らの本気をぶつけ合い、やがてそれぞれの心を知り始めていきます。クールで少し無愛想、でも一途で何より格好良い先輩に纏わる様々な事情や過去が明らかになる中、主人公の思いは……?
リズムもぴったり、美しい音色で描かれる恋のアンサンブル。皆様もぜひ、「うんりょー」にお邪魔してみませんか?
キャラクターひとりひとりが生き生きと描かれているのがたいへん魅力的でした。
先輩たちの個性的でそれぞれの面白さををたたえたキャラが、和気あいあいとした部活動の雰囲気に直結しているため、「うんりょー」という場所そのものの魅力にもしっかりと結びついています。
変わり者と言われる鷹能先輩をしっかりと受け入れる「うんりょー」の器の大きさ、包容力もとてもいいなと思いました。
決して誰も拒んだりしない優しいその場所に入ってみたいなという気持ちになってきます。
また、演奏場面もありありと目に浮かんできました。
特に「ジャングルファンタジー」の徐々に躍動していく感じにはたいへん臨場感がありました。
鷹能先輩の初めからエンジン全開で迫ってくるところも面白く、それと美しい外見のコントラストが映えていました。
彼の横顔に見とれる一方で、そのグイグイ来る感じに少し引いてしまうヒロインの戸惑いをはらんだ好奇心に寄り添って読むことが出来ました。
「相手が好きで好きでたまらない」という恋愛感情は、こういう「気になって仕方が無い」という好奇心から始まるよなあ、という共感とともに、物語が進んでいきます。
なにより、超絶イケメンにこんな風に好かれるなんて羨ましい!という気持ちでいっぱいです(*´艸`)
かなりの頻度でニヤニヤ笑ってしまうコミカルな場面が出てくるのも嬉しいです。
設定もよく練られていて、こういう点が苦手な自分としてはお手本にしなければなと思いました。
「うんりょー」の魅力のかなで、ほのぼのと甘い恋愛の味を楽しめる作品です。
新入生の女子高生、知華は帰宅部しかないと決めていたにも関わらず、ひょんなことから吹奏楽部へ引っ張られてしまう。彼女を部活動に無理矢理参加させようとする先輩、鷹能は超イケメンであるものの、よからぬ噂がつきまとっていた。そして知華は想像をはるかに超える出来事に巻き込まれていく……
舞台設定、登場人物ともにウイットに富んだ文章が、この物語をとてつもなく楽しく盛り上げてくれます。誰にでも読み易い表現や文言が使われておりますが、緻密に構成されたストーリや吹奏楽に造詣の深い筆致、そして何よりも書き手が心をこめて紡いでいるからこそすんなりとこの物語に入り込めるのだと思います。
主人公の知華ちゃんが、ともかく熱くまっしぐらであり可愛さ全開です。鷹能くん(最後まで「先輩」としか呼ばれていなかったような)も最高のイケメンなんですけど、一般常識という歯車が時おりかみ合わなくなり、それが読み手からすると「おいおい」と突っ込みたくなるのです。
正統派な胸キュン物語。それだけでは決して終わらない、楽しさ満載のお話です。吹奏楽をご存知なくても、丁寧に描写されていますので違和感はまったく感ずることなくラストまで一気に読んじゃえます。
こんなことなら、高校時代に吹奏楽部の門を叩いておけばよかったかしら、なんて思います。
サブキャラも魅力抜群で、続編やスピンオフを絶対に希望したいと挙手しております。
最初から最後まで読み手を惹きつけてやまないストーリー展開は、まさに見事! の一言。
甘酸っぱくてキュンキュン、切なくてキュンキュン。
作者さまはキュンキュンの魔術師かもしれません。
読み終わるまで、心臓持つかなってくらいでした。本当に。
好きだけれども心とは真逆のことを言ってしまう、可愛くない乙女心。
婚約者に対する罪悪感と、彼を思う恋心に板挟みになって揺れ動く乙女心。
このあたりがとても丁寧に描かれていて、素晴らしかったです。
吹奏楽部での演奏風景も臨場感たっぷりで、学生特有の楽しさが全面から伝わってきました。
恋の高揚と、テンポ良い音楽のリズムが、とても良い相乗効果を生み出していたと思います。
これぞ青春! 可愛くてカッコよすぎる二人に釘づけ間違いなしです♡