人間の想定し得ない犬事情が、ワイルドかつ渋い語りで今切り抜かれているのだ。――でも外見はチワワである。
酸いも甘いも嚙み分けて来たチワワのわびすけ。
大変興味深く、犬社会、ひいては人間社会の片隅で生きる彼の犬生が、じっくりと巧みな文章力を持って語られていきます。
読めば、犬生に惚れる瞬間があるかもしれません。
そしてそのギャップと流儀を持ったわびすけに、こみ上げてくる笑いが押さえられずに……。いえ、なんでもありません。
ここにあるのは”はーどぼいるど”なチワワの生き様なのですから。
是非是非、わびすけの流儀を確かめてみてください。かわいい……いえ、その格好良さに惚れること間違いなし!!
飼い犬わびすけが、人生を語るエッセイ。
エ、エッセイ? はい、エッセイなんです。かなり独善的な語り口なのですが、これが面白いのです。犬の目線なんてあまり意識したことはないのですが、なるほど、お散歩ひとつ取っても実はかなり奥深いものだったのですね。
でも、もしかすると、語っているのはわびすけではなく、ご主人が「今のわびちゃんの反応は、こんな事を考えながらしちゃってるのかな」などとニヤリとしながら推測なさり、わびちゃん目線でエッセイを紡がれているのかもしれません。
あら、そんなうがった考えかたをすると、わびちゃんから「お若いの、まだまだ人生経験が足りんの」と、コンコンとお説教されてしまうかもですね。
一話完結のため、連載中ではありますが、ぜひご紹介したくレビューさせていただきました。