オカルトと裏社会、ふたつの影の絶妙な融合

裏社会に生きる銃器のブローカー&ディーラー・イザと、呪われた家系に生まれた大会社のCEO・御堂圭吾が、人ならざる者たちに立ち向かう…もとい鎮めたり宥めたりする連作物語です。

ホラー的な要素も多分に含みつつ、人ならざる者たちがただ怖いだけでなく、非常に人間臭く描かれているところが魅力です。
さらに、豊富な裏社会や銃の知識が、舞台設定やアクションシーンを説得力のあるものにしています。
アクションシーンは、血飛沫が上がる様子やその場の匂いまで伝わってくるようで、真に迫っていて格好いいです。
こういった点が、作者さんの個性が強烈に光っているところだと思います。

主要なキャラクターたちは決して軽くないものを背負った人ばかりですが、どこかお茶目で飄々としているところが粋ですね。
個人的には圭吾さんとアウリスさんのエピソードが一番好きです。
『撃ち落とされるまで、あと何分?』をお読みになった方はぜひ、こちらもお読みになって雰囲気の違いを堪能してみて下さい。

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