10夜め 夜とお酒のステキなカンケイ

 とうとう2ケタの大台に乗ってしまいましたこのシリーズ。皆様いかがお過ごしでしょうか。作者は相変わらず吸血鬼にうつつを抜かしております。だって好きなんだもの。


 せっかく作者が酔っぱらっているので(駄目な奴だな)、今回は吸血鬼とお酒の関係性にでも迫ってみることとします。


 日本ではお酒と言えばお清めに使うもの。「お神酒」という言葉を聞いたことのない方のほうが少ないのではありませんか? お清めにお酒を使うというのは、日本人ならおなじみですよね。

 では果たしてこのお酒、「西洋妖怪」たる吸血鬼には効くものなのでしょうか?


 まず、近くにあるだけでは、別に何ともないと思われます。ドラキュラの原作でも、伯爵が用意した夕食の中に「トケイの古酒」が含まれまして、主人公も上機嫌で2杯ほどすごしてはおります。その後も伯爵と話を続けたことから考えて、お酒そのものはもちろん酔っ払いがすぐそばにいても影響はないか、ごく小さいと考えるのが自然でしょう。

 ジョナサン君はお酒に強かったかもしれないので、ここで一方的に「酔っ払い」呼ばわりするのは悪いですね。反省。「2杯」がどの程度かによりますが……。


 本人、もとい本吸血鬼が飲む場合につきましては、「フライトナイト」の2代目ジェリーさながら(実際、彼が飲んだのかはわからないけれども)、あまり影響はない様子。作品によっては「酒には全く酔わない」なんてキャラクターもいる始末。これはこれで、ちょっとカワイソウかな? と思ってしまう酒好きの作者であります。

 酔う、酔わないはさておいて、血の代わりに赤ワインのグラスをくゆらすおしゃれさんも少なくないことでしょう。


 結局吸血鬼にアルコールは効かないのか?

 と言えば、吸血鬼退治に「アルコール」を持ち込む技法もあります。


 吸血鬼の心臓をえぐり出して、ワインと一緒に煮る。


 という退治法がどこかの文献にあるらしいですよ。

 心臓を取り出すだけでも大変な苦労でしょうに、わざわざ煮ますか。そうですか。

 味付けを工夫すれば、ちょっとおいしそうな気すらしてきます……イタリアだ、フランスだの料理本をちょっとめくってごらんなさいな。「ワイン蒸し」がすぐ目に入ってくること請け合いですよ。


 結局のところ「お酒」は、伝統的吸血鬼ならともかく「イマドキの吸血鬼」には効く効かない以前の問題なのかもしれません。

 生前と同じくお酒を楽しむのが、イマドキ死者のトレンドなんでしょうかね。

 今晩はここまで。

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吸血鬼に噛まれてもドラキュラにはなれない 猫田芳仁 @CatYoshihito

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