9夜め いとしのジェリー
今回はとある映画についてぶっ散らかしていこうかと思っております。
その映画とは「フライト・ナイト」。ある程度ホラー映画に詳しい方なら、ご存じなのではないのでしょうか。数年前にリメイクもされましたしね。
ということで、リメイクとオリジナルの比較もしつつ、この映画の素敵なところと勘弁してほしいところを、個人的な感情で垂れ流していこうと思います。
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今までの随筆で触れたこともある吸血鬼の弱点「招かれないと家に入れない」を、この映画は実に見事に取り入れています。
リメイク前では、オカルトに詳しい主人公が「家に入れないよう家族に言わなくちゃ」と一念発起した時にはすでに、主人公のお母さんが吸血鬼ジェリーを自宅に招き入れて歓談しておりました。その時の主人公の絶望感は、想像するだけで胸が冷え切るようではありませんか?
リメイク後ですが、これはすごかった。
ジェリーが主人公宅にやってきて、扉の前で言うのです。「パーティをしているんだけど、ビールが足りなくなりそうで……少し、分けてもらえないかな。今度倍にして返すから」主人公はこの時点でジェリーを疑っているのですが、主人公の緊張がびりびり伝わってくる素敵なシーンでした。絶対に「中に」入ってこないジェリーの恐ろしさよ……。
リメイクはストーリー中盤で、このことに関してジェリーが激しくマッチョな方法で挑んできます。
家に入れないのなら、家がなくなってしまえばいい。
ジェリーがトラックで突っ込んできて、主人公の家は爆発炎上。
こんなの吸血鬼映画じゃないやい!
リメイクのジェリーは、見た目もやることも、オリジナルのジェリーに比べてちと野蛮すぎる気が……それとも、このくらい派手なアクションじゃないと集客に何があるのでしょうか。
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リメイクと原作で、最も大きい違いは吸血鬼ハンターでしょうか。
身の上は同じです。彼はテレビのオカルト番組に出演している人物で、なら化け物に詳しかろうと主人公が投書をするのです。リメイク版では記者から身分証をかっぱらったり、かなり過激なこともしていた気がしますが……どうだっけ。
この吸血鬼ハンター役の一般人が、リメイクでは実にかっこよい大人の男なのですが……オリジナルは、おじいちゃんです。
オリジナルもリメイクも、最初は話を全く信じていなかったのですが。いろいろあって協力してくれるようになり、主人公と協力して吸血鬼退治に挑んでくれます。
私財でがっつり武器を用意して暴れるイケメンオッサンなリメイク版と、おっかなびっくり腰が引けつつ頑張るおじいちゃんなオリジナル版。
あなたはどちらが好き?
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興味がある方はぜひ見比べてみてくださいな。
最近のでフライトナイト2なんてのもありましたが、あれはフライトナイトの流れを最低限踏襲しつつ百合もの、という凄まじい作りになっております。原型、ないだろ!
今晩はこのへんで。
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