ある種の「軽いノリ」をどう捉えるかによって、評価が変わってくるか。

 同作者の『地球外知的生命体のための、地球人飼育マニュアル』に続けて、今作も読んでみたのですが、書き方や設定等が色々と異なっているとはいえ、全体的にテンポは良く、ある種の軽い読み口は共通しているといった感じでしょうか。とはいえ、話の軸はしっかりしており、伏線の張り方も上手く、ただ単に「軽い」だけではなく読み応えも結構感じられました。

 ただ、その「軽さ」ゆえに、所々で現れるシリアスな面が若干「薄く」なってしまっている印象があります。特に、序盤においては、人が死ぬようなエピソードが「他人事」みたいな感じで片付けられているパターンが多く、どのように読んだらいいのか戸惑ってしまったところも(『地球人飼育マニュアル』は、あくまで「マニュアル」という体裁を取っていたのでそこまで気になりませんでしたが)。まあ、おそらく「あえて」そんな風に書いたと思われるので、そういった「ノリ」をどう捉えるかによって、評価が変わってくる作品かもしれません。

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