ご本人のおススメもあり、手に取った作品でしたが、これがなかなかどうして、ドツボにハマるほどに面白かったのです。
おじさんとオッサンの違いがよくわかるし、女性が求める本当の『おじさん』というものがリアルに存在していない種のものであるのもよくわかる内容でした。現実って痛いよね……そう思ってやまない現実のお話にぼくは腹を抱えて笑いました。
しかし、これ。同時にヒントでもある。
女性。そして無類のおじさん好きがこんなおじさんを探しているんだというのが明言されており、ああ、なるほど。こういうのが女性の心をくすぐるのかと思わせるネタ満載。
こういう理想のおじさんになれば、そうか、若い女性との恋もできちゃうかもしれないのかとチャンス到来な予感がビシバシ伝わるわけなんです。
世の中のおじさんたちよ。
この世も捨てたもんじゃない。
さすれば磨かれよ、これを読んで、今日明日から女子のハートをメロメロにさせるダンディースマートなおじさんになってやろうじゃないか!!
おじさんを格好よく描くためにはどんな状況、要素が必要であるのか。おじさんを描きたい悩める作家さんたちにもヒントが詰まっているかもしれないエッセイ。
ちょっと息抜きがてら、読んでみるのもいいかもしれない(笑)
これを読む前に、まずは『カクテルの紡ぐ恋歌(うた)』を読むことを強くお勧めします!
あの素晴らしい作品がどのような思考から生まれたのか・・・
そこにあるのは世俗的なおじさんたちの生態と、そこから逃げるように高みを目指す妄想。
そう!妄想こそ創作の原動力!!
やはりそれは全ての書き手の共通項なんだなと少し安心しました^^
一方で、年齢差と「おじさん」という感覚の関係など、創作だからとおざなりにせずにきちんと分析して設定に反映させる姿勢は、なるほどだからこそあれほど真に迫ったストーリーが生み出されるのかと納得させられます。
「ボツになった理由」が続いた後、いよいよここから物語の舞台に直接結び付く裏話が明かされていくのか、日垣一佐というキャラはどのように出来上がったのか、本編ファンには先が待ち遠しいご褒美エッセイです!