トラブル その他短編

ユーキチ

トラブル


「タカシごめんな、オマエんち向かってるんだけどよ、今ちょっとトラブってる」

「え…ヒロシ、オマエそれ本当か?」


「へ?ほんの些細なことだけどな、トラブっちまってるから…」

「些細じゃねえよ!すげぇ些細じゃねえよ!そうか、虎、ぶっちまったかヒロシ!!」


「へ?たいしたことねえよ、トラブっちまったのは仕方ねぇ、」

「たいしてるよ!たいした奴だよ!虎ぶってんだろ!?」


「まあそうだよ、今トラブってる最中だよ」

「何ィ!?虎ぶってる"最中"だって!?ヒロシおめぇすげぇな!余裕シャクシャクだな!どこだ今!?どこで虎ぶってんだ!?」


「え!?車だよ、車ん中だよ。警察が道を閉鎖しててよ、おかげで車ん中で時間勝負ってわけだ、」

「おおお~!で、どうだ?手強いか?」


「手強いも何も、もうお手上げだぜ、身動きとれないんだから…」

「ば、ばかやろー!あきらめんじゃねぇ

あきらめるんじゃねぇぞ!オマエがウチに来るのをオレは信じてるからな!」


「無理さ…もうオマエん家行けそうにねぇ…、それによぅ、かなり長い時間との格闘だったからよ、もう、眠気が…ふぁ…」

「寝るな!寝たらいけねぇ、寝ちゃあ…」


「じゃ、な……………」

「ヒロシ!?ヒロシ!!」


「……………」

「ヒロシーーーーー!!!」


END

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