主人公は、担任から欠席したある少女に手紙を届けるよう頼まれる。
その少女は、高校入学以来、誰ともしゃべらない異質な闇のある少女だった。
その少女の家に手紙を届けにいったときから、主人公の歯車は回り始める。
あのとき、止めてしまった、忘れてしまった歯車が。
そしてその歯車は、少女自身にも影響を与えていく。
はじめは、ホラーだと思いました。
でも、読み進めていくうちに、あれ、これは違うぞ。もしかして青春もの?成長もの?
途中、真相が明らかになっていく過程は、ハラハラドキドキ。
最後の最後まで、ハラハラ。
そしてラストは……また違う展開が待っていました。
高校生のノブが一人の女子生徒、アキコと出会い、色々なものを乗り越えていく~みたいなお話。
こんな風にざっくり書くと青春ボーイミーツガールかなぁと思う方もいらっしゃると思います。が……重い!
Web小説ではなかなか見ないような重めの青春ものなのです。
爽やかな青春小説にはあまりないような、剥き出しの悪意や人間の暗黒的な部分がたっぷりと盛り込まれてます。
すごく現実的です。
序盤はホラーな展開で読者を引きずり込み、中盤で主人公やアキコの過去が次々と明かされていきます。
気がつくと物語も終盤。二人を応援してしまっています。
あと、終わり方がすごく良かったです。
良い意味で中途半端なハッピーエンド。
二人のことだからこれからも色々と悩んで精一杯生きていくんだろうなぁと思います。
個人的に、あずさちゃんには幸せになってほしいです。
そんなわけで、濃厚でリアルな青春小説をお求めの方、ここにピッタリな作品がございますよ!