気がついたら引き込まれていて、一気に最後まで読んでしまう、そういう作品です。登場人物の行動原理、そして展開される犯罪の双方にリアリティがあり、物語にたしかな説得力が宿っています。
ヘミングウェイみたいに切り詰めた文体と、フォークナーのように重層的な物語が好きです。
現実と区別のつかないほどのリアルさがある。放射能物質や、原子力施設についての詳細な描写、犯行メンバーの一致と不和。そのせいで、読み始めてから、読み終えるまでその世界の中にいたし、読み終えた後も、自分…続きを読む
これほどまでにリアルな犯罪小説があったのだろうか。自分もどこまでレビューで書いていいのかわからないけど、この作品は社会へのメッセージを持ちながらも娯楽作品としての義務も果たしている面白い小説だと…続きを読む
まず、何かこれからとんでもないことが起きそうだという予感をにおわせるタイトルが素晴らしい。これだけでぞくぞくしますね。 作中では原爆や原発などについて語られており、その知識量に圧倒されます。…続きを読む
雰囲気を伝えると、映画化された「予告犯」に似ています。原作は未読なんですが、あの映画にメッセージ性が近い。でも、ストーリー展開は全く違います。また、原発物としては、本作品を読み始める前に高村薫先生…続きを読む
もっと見る