告白

「私のものになっちゃいましたね‼︎」


テヘッ


と、エトの顔から自分の体をどかし、エトのお腹にまたがる形で照れ臭そうに頭コツンコする女の子。


「ふざけんな‼︎」


怒りのままに女の子を突き飛ばし、ツッコミを入れるエト。



「えぇ〜」


エトの上から完全に追い出され、地べたに座りながら不貞腐れる女の子。


「えぇ〜じゃないわ‼︎何人の顔に放尿しといて丸く終わろうとしてんだ‼︎」


納得いかないエトは、袖で顔を拭いて立ち上がる。


「だって〜」


頬を膨らませて駄々をこねる女の子。


「だっても何もあるかってハッ⁉︎」


そこで、何げなく見ていた女の子の裸に意識が行き、顔を覆って言葉に詰まるエト。


「どうしてもあなたとの繋がりが欲しくて、ダメ……でしたか?」


潤んだ瞳で必死に訴えかける女の子。


「クッ……」


なんだかんだ、そう言われると嫌な気がしないエト。



「と……とにかく‼︎いつまでもそんな格好でいたら迷惑だ。とにかくうちに入れ」


玄関のドアを指差して、女の子をうちに入れることにした。



「ちなみに私の住処でもありますけどね?」


「……マーキング済み?」

「屋根裏は」


「まじか」


そんな軽いショックを受けるエトをよそに、何の不安も感じさせない晴れやかな笑顔で、女の子はエト宅の玄関へ向かう。


こうして、恩返しに来たネズミの女の子と、エトは……


「ちょっと‼︎私を置いてどこ行ってた……のよ……?」


「えっ?」

「えっ?」


「……誰?」


             (……おわり?)

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あなたに伝えたい。〜助けたネズミが恩返しに来た〜 ベームズ @kanntory

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