韓国では有名な物語なんだそうな。ロミオとジュリエット的な悲話。

風流と哀愁。それこそが詩人に大切な要素なんだろう。本作品は、その両者を適度に漂わせた逸品です。
同人誌か何かの冊子に掲載し、その冊子は完売だそうです。実績に裏打ちされた作品です。確かに、文章は読み易いだけでなく、綺麗。

話の展開については、身も蓋もない言い方をすると、才色兼備なボンボンが俗人に騙されて…とのオーソドックスな内容。だからこそ読者は悲恋に同情できるんですな。
駄文では感情移入できないから、やっぱり、本作品の最大の魅力は文章ですね。

書き手には良質の教科書だと思います。

ただ、昨今の険悪な日韓関係に毒され、「だから、豊臣秀吉が攻め入った文禄・慶長の役を未だに口撃材料に使うのか」と思う自分が一方にいます。私も感情に左右される人間なので。

星の数は、短編にはMAX2つが信条、だからです。