第61話 2020年のクリスマスに想うこと
恐ろしい病魔が世界中を襲った2020年。
昨年の今頃、その病気が中国の一都市を蝕み始めていたのでしょう。1年で世界が変わってしまいました。世界中のクリスマスシーズンが今まで通りとはいかなくなってしまいましたね。
世界中で移動制限やロックダウンが行われている今年、子供たちはサンタさんが来られるのかどうか心配しているとか。もし読んでくださっている今が25日ならこのサイトを見せてあげてください。
🎄サンタを追いかけよう
https://santatracker.google.com/intl/ja/
中国に住んでいた頃もクリスマスを楽しみました。こちらのエッセイでも「第27話 クリスマスは花市場からやってくる」でご紹介しました。クリスマス一色に染まる花市場でクリスマスの飾りや生花のリースを買い家中を飾り付けました。西洋系のホテルのイルミネーションはおしゃれでした。クリスマスケーキは日本人向けの生クリームのいちごのケーキを手配しました。(中国の生クリーム事情は「第41話 生クリームに飢える」にて)中国でも肯德基は人気でした。(
今年もささやかなクリスマスの飾りつけをしました。
子供も大きくなりツリーを喜ぶこともなく(笑)!
サンタさんもやってこない(だろう……)けれど、
季節の風物詩として少しだけ我が家をクリスマスモードに。
玄関の小さなスチールのツリーには中国で買った七宝焼きの飾りをぶら下げます。
景泰藍という名前らしいですが、日本でも見かける七宝焼きと同じようなものだと思います。銅製で金線で縁取られた花などが鮮やかなエナメルの色で彩られ、球体や星型、ベルの形をしています。クリスマスにぴったりなので赤、白、緑などを選びました。中国に住んでいるときに何度か出かけた観光客の訪れるお土産屋さんで買いました。行くだびに何個か買ったので帰国時には小さなツリーにまんべんなく飾れる数になりました。
「これくらいの大きさのやつ、もっとある?」
「私は赤がいいかな」
「見て! 茶器の形もある!!」
腰高の陳列ケースの上にたくさんのオーナメントを出してもらって友達とあれやこれやと選びました。お店のおばさんもお店の奥とケースを何度も往復しながら話をしてくれました。
元は皇帝しか使うことが許されなかった景泰藍だとか。今はもちろん庶民でも買うことができます。
セレクトが終わったらお約束の値段交渉。
「みんなで買うから安くして」
「他の友達も今度連れてくるから安くして」
そんな日本ではできないお店の人とのやりとりを経て家に持ち帰ってきた小物たち。
リビングのワイヤーには(オーナメントを飾るにはシンプルな鉄製のツリーが必要なのです……)ベトナム旅行で買ったバッチャン焼き(陶器)のオーナメント。白地に藍色で描かれた抽象的な柄模様で球体やハート型。赤いサテンのリボンで枝に結びます。
こちらは家族で出かけて、子供のプール遊びの合間に「牛さんに乗れるよ!」と牛車ツアーを織り交ぜたバッチャン村ツアーで買いました。ツアーガイドさんに連れられて入ったお店(提携店?)だったので、ずいぶん高い値段を吹っ掛けられました。
「早くしてよ。帰ってホテルのプールで遊びたい!」
といういかにもつまらなそうな子供たちの視線に気づかないふりをしながら(笑)選んだオーナメント。なんでもヨーロッパからのクリスマスオーナメントの大量注文があって作っただけだから売切ったらもう作らない。在庫限りだなんてお店の人のセールストークにのってしまいました。もちろんディスカウントはしてもらいましたが、それでも高かったかなぁ……💦
ひとつひとつのオーナメントを取り出しては買ったときのことを思い出します。
もう10年くらい前のことだけれど、昨日のことのように思い出せます。
友達と和気あいあい買い物したこと。
子供たちの興味のない顔(笑)。
ふふふふ、とひとり笑みがこぼれます。
今頃あそこのお店はどうしているんだろう。
変わらず営業しているのでしょうか。
観光業はどこの国も大変でしょう。
今までは海外からも多くの観光客が来ていたのにきっと今はいないでしょう。
今どちらで拙作を読んでくださっていますか?
日本? それとも日本以外?
寒い地域ですか?
暑い地域でしょうか。
雪が降っていますか?
波の音は穏やかでしょうか?
陽ざしはどうですか?
雲は重くたれこめていますか?
どこにいても
同じ空の下
同じ月を見上げてる
月は明日を照らしているでしょうか
陽射しは明るい未来をもたらすでしょうか
穏やかな風が吹いて
花が世界中を彩り
柔らかな春が芽吹くでしょうか
近い未来にこの病気を克服できますように。
感染した方が皆回復しますように。
医療従事者の方々のご苦労が報われますように。
周りからいわれのない偏見や差別を受けませんように。
この病気で今までどおりの生活ができなくなったすべての人たちが
新しい生活を始められますように。
「コロナ、そんな病気もあったね。あのときは大変だったよね」
と振り返ることのできる未来がやってきますように。
止まない雨はない
明けない夜はない
暗いトンネルの向こうにはきっと明るい世界
Merry Christmas and Happy New Year.
メリークリスマス & 謹賀新年
May your wish come true.
どうか
どうか
どうか
来るべき2021年はよきことあまた起こりますように。
2020年のクリスマスに想うこと
※ちょっと脱線
どこのお店かわかりますか?
発音してみるとわかりやすいかも。
パンダの国で暮らしてみたら ~ 駐在妻の中国滞在記 ~ 桜井今日子 @lilas-snow
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。パンダの国で暮らしてみたら ~ 駐在妻の中国滞在記 ~の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます