第3話



私は女として、人間としての、

自信を失っていた。

何かを努力する事に怠惰になっていたのだ。


いつの間にか家と仕事場の往復。

誰かに褒められるための努力もしなくなっていた。

自分で鼓舞する為に塗ったフットネイルは、

左足の小指だけ塗り直されていない。


その小指が私みたい。

自分でも認められていない自分がいるのだ。


仕事が終わり、家に着けば洗面台に向かい、


「疲れた…。」


呟いても空気に消えて終わるだけ。

明日は可燃ごみの回収日だから、

体裁だけを糧にゴミを纏め始める。


私も都合よく、あてがわれたの如く

そのゴミと同じように纏め捨てられた。

相手には妻子がいた事を、

纏められた後に知った。


浮気(不倫)の真理とは。


浮つかない相手にまでなっていたのだ。

自分が努力しないために。


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ふりまわし。 雪花 @kirarasnow

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