一風変わった異世界転移もの。
異世界に転移して熱きバトルを展開させる……ただし重機で。これはもう発想の勝利ですね。異世界×重機のインパクトにやられました。方向性としてはロボットものに似ており、重機に詳しくなくとも楽しめる内容となっております。そしてただ重機で殴り合うだけではなく、ちゃんと重機ならではの戦略性もあるところがよかったです。
そして一見出オチ系のネタに思えますが、この作品はしっかり読者に見せる(魅せる)工夫がされています。漫画を思わせるような構成に、読み手に緊張感をダイレクトに伝えてくる戦闘描写。作品としての出来栄えも良いのではないでしょうか。素晴らしかったです。
これを機に重機ものが流行るといいなと個人的に思いました。面白かったです。
重機(ユンボとかの建設機械)同士の文字通りのぶつかり合いが迫力満点でした。あれは、まじで鉄の塊ですものね。
挨拶代わりの旋回打撃からの股ぐら返し。そして闘いが終われば瓦礫の撤去までできる。作品を読むうちに重機というのが、元から闘いのために存在するようにさえ思えてきたくらいです。
語り口がどこか飄々としているのもいいなと思いました。
しかし重機を異世界まで持って行ったのは、やはりリス系美少女のボリューム満点の尻尾をもふもふしたいからでしょうか? 整備士のエリッタちゃんかわいいかったです。
相手の方もとても良く整理されているんですね。本当に上手いなあ、と思いました。
ラノベ的?な押さえと外し、熱い展開。全てが無理なく、自然にまとまっていて、これはとても良い作品だと思いました。
読んだ後に頭を抱えた。
いや、この作者はセンスの塊だ。
言葉のチョイスが面白いのと主人公の言動等が好きすぎる。
昔、コロコロでやってた「グランダームサシ」「ドッチダンペイ」を彷彿とした。
主人公はどうやら現世に帰りたいらしいのだが、作中でかなりノリノリで重機を乗り回している。
「いや、あんた、絶対、この世界楽しんでるじゃないですか!」と思わずツッコミを入れたくなった。
また、ネタはバレない程度に気に入った主人公のセリフを挙げていきたい。
『俺はサムライじゃなくて重機乗り』
もうね。こういうワードが突き刺さるんですよ。サムライと重機乗りってどっちがカッコイイと思います?
私はこの作品を読んで断然『重機乗り派』になりましたよ。
『サイクロプスに重機ひっくり返されても、まあ、ご愛嬌だな』
ご愛嬌じゃねえよwww
実際にそんな事態に遭遇したら糞垂れ流しレベルです。こういう事を平然と言ってのける男気溢れる主人公が好き。
「サイクロプス」というワードの隣に「重機」というワードがあるだけで既に面白い。