美しき女刑事――斑目壬澄と『犯罪王』を名乗る少年――森屋帝司郎によるミステリー小説。
このミステリーの最大の特徴は、超常犯罪なる不可能犯罪が存在するという事。
こういった未知の犯罪はミステリーではタブーと言われている。理由はそんなのがあったら何でも出来ると。
しかし読んでみたらどうだ――ただ超常犯罪に頼っている訳ではない。それはあくまでちょっとしたアクセント。むしろそのアクセントがある事で、一連のストーリーが夢想のような空間を醸し出してくれる。
読むとそう感じて、何と言うか不思議な感覚を与えてくる。その不思議さを味わおうと、続きを求めたくなる衝動が感じられる。そう思わせる作品です。
後最後、オネショタ(壬×帝)はええぞ?
一人の刑事が断崖絶壁の孤島で殺人事件に遭遇するミステリーです。
今回のお話、非常に引き込まれました。
まず第一にキャラクターが非常に立っており、会話だけで誰が話しているのかが読めるのです。その読みやすさが見事にストーリーを作りあげ、回答編まで誘ってくれます。
ダンガンロンパというミステリー形式のゲームが存在するのですが、それと似た感動がありました。また実際に人が介在できるレベルを超えた超常現象もリアリティに富み、探偵の解説編も嬉々として楽しむことができます。
是非、多くのミステリーファンに読んで頂きたい一品です。
あなたもご一読を!
ドラマや映画のように、情景や登場人物一人一人の様子が目に浮かんできました。
ただ、その時点で私たちはだまされていることがあったりして、映像化する際にはそこが難しいところだな、と思いつつ、とても楽しみであったりします。思わず、映像化が決定しているかのような感想を書いてしまいましたが、それくらい面白い小説でした。
文章のミステリーが苦手な方でも、ドラマなどを見るような気持ちで読めると思います。
内容はネタバレになるので言えませんが、我々が物語の中に感じる常識をどんどんと壊していく様子にとても驚き、また爽快な気分になりました。
主人公の5年前の話もいつか読みたいと思いました。
ミステリー小説なのにミステリーじゃない。そんな言葉が思い浮かびます。超常的な存在を追いかける主人公の立ち回りと、次々に起こる事件にはドキドキさせられっぱなしでした。
このまま推理でエンドかと思っていましたが、まさかのバトル。
飛び入りの登場人物や、各キャラクターの個性も相まって読んでいて非常に飽きない展開でした。面白かったです。
物語の中で仕組まれたトリックも圧巻で、読んでいた私もすっかり騙されました。こういうのが読みたかったと思えるような作品です。
この作品を読まれる方は、是非トリックを解いてみてください。きっと騙されますよ。