電子メール 二通目
また会ったね。久しぶり。
あの頃も同じ時間帯だったよね。
午後一時くらいだったはず。
二十年ぶりくらいになるのかな。
あの時、小学生だった君たちの内の何人が僕のことを覚えていてくれたのか、少し興味があるんだ。
まさか、忘れたなんて言わないよね?
……その顔。絶対に忘れてるでしょ。
ああ、大丈夫。怒ってなんかいないよ。
ただ、このことが、僕には寂しく感じられて。
突然やってきて、ネガティブな雰囲気をつくってごめんね。
……じゃあ、この前僕が話したこと、覚えてないことになるのかな?
今は落ち着いているし、少しだけなら君たちと話せるかも。
前回話したことは、お得意のインターネットで調べるといいよ。
君たちは本当に便利なものをつくったよね。
頭の代わりになるものなんて、僕なんかでは到底思いつかない代物だ。
僕の声が、そのデータベースにしっかりと残ってるはずだから。安心してもらって構わない。
それで、今回の話なんだけど……。
君たち、何でそんなにいがみ合っているのかな?
同じ人間同士、仲良くやっていくべきだと僕は思うんだ。
別に、仲直りすることを強要しているわけではないよ。
単純に、その行動が不思議で仕方がないのさ。
お互いに不利益なことばかりで、見ているこっちも不愉快になるよ。
この不愉快さも、決して憤りとかではなくて。
心の器が、悲しみによって冷えてしまっただけなんだけど。
ともかく、争いは止めた方がいい。
当事者だけに止とどまらず、外部にも被害が出てしまう前に。
これからは、みんなで仲良く過ごすんだ。
……でないと、後々後悔することになる。
暗い話で、本当にごめんね。
君たちの全員が悪いわけじゃないのは僕もわかってるから。
じゃあ、また。
災いのもと 真城夷澄 @Isumi_S__0251
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