◆tips - [Part Ⅰ]

◆《tipsについて》


■概要


 作者が補足説明や本編とは関係は薄いけどちょっと詳しく語りたい設定やぶっちゃけた裏話を書いていく、要するに作者のサボリ防止コーナー。

 ここで書いたことは後々本編に登場したりもするが、その時はその時で再説明させてもらうので読み飛ばしてもらっても特に全然構わない項である。



◆《木々ノ若草》


■概要


 【リアサルン大陸】には【《人》を司る神】と【《妖》を司る神】と【《中立》を司る神】の三神で守護している。《木々ノ若草》はその中の《妖》を司っている神である。

 神は何らかの外的要因がない限り、基本的に不老不死なのだが、《木々ノ若草》は珍しく寿命を持つ神で、現在は九代目に当たる《狐森こもり 奏音かのん》が襲名している。


 この《木々ノ若草》を襲名するのは現在の代から見て孫の世代であり、子の世代で襲名したのは二代目のみだ。これについては深い理由は殆ど無い。ただ二代目の子が襲名することを拒み、二代目は自分の子の子、つまり孫を子の意見を無視して幼い頃から育て上げほぼ強制的に襲名させただけだ。そして何故かそれが習わしとして定着して、現代もそのサイクルで九代目が誕生したというわけだ。

 ちなみに八代目の子、九代目の親はこの話を聞いたことはあるものの具体的なことは一切知らない。


 何故、この神だけが寿命を持っているのか?

 それはこの神はもともと違う《時空線Y》で生まれ育ち、その時空では普通の人間としてしているからだ。この時空で神格化したならまだしも他時空の、しかも元の時空では相変わらず人間として生活しているのだ、その時空から切り離されない限り、神にコンバートしたからと言って寿命という枷を外すことはできない。

 まぁ初代は化け狐なのでこの枷に縛られないのだが己の《啓示》を己に使いその命を全うした。


■啓示


 神々は《啓示》と言われる俗に言うチート能力を持つ。

 いや一概にチートと呼ぶのはやぶさかなのだが、その能力の殆どが過程を無視して結果のみを導いたりする代物であり、時間移動などお手の物。更にそれはあくまで対象に対しての《命令》なので神々は全く疲れることが無い。能力も使いたい放題。これをチートと呼ばずなんと呼ぶか。

 《木々ノ若草》はその《啓示》を二つ所有している。


 一つは《繁栄》。

 対象の体の細胞を強制的に活性化させ成長させる能力。

 あくまで成長を促す能力なので某光の戦士みたいに急に巨大化したりはしない。常識の範囲内で成長する。

 成長促進倍率は最大で百倍だが、基本的に農作物に行う能力な為、最大倍率を使うことはまずない。使って三倍ぐらいか。


 そして二つ目なのだが、これは代によって能力が異なっている。

 例えば初代が所持していたのは能力は《死》。と言っても名前を書いたら死ぬノートみたいに急に対象が死ぬ能力では無く、『死の有無を操作』する能力である。

 この能力で死を無くされた者は例え心臓を抉られようと死ぬことは無く、永遠の痛みだけが彼らを蝕む。体も朽ちることは無い。だって細胞すら死ねないんだから。

 この能力を持ってすればどんなことをしても死ぬことが出来ない不死のモノさえも寿命と言うモノが生まれる。

 この様に強力な能力を各代の者は所有している。もちろん九代目もだ。


■紡


 また神々はその強力な《啓示》を授かると同時に《つむぎ》と呼ばれる要するに存在するための理由を授かる。

 《木々ノ若草》の場合は《妖の存続》。

 そもそも初代が狐の妖から神に成り上がった存在であるため彼女は《紡》がなくとも妖の存続に尽力したことだろう。

 現在で《妖の神》として崇められている理由もここから来ている。


◆《この作品においての一年の周期》


■概要


 我々の世界では一月から始まり十二月三十一日の十二カ月、各月約三十日、総合約三百六十五日で一年が周期する。しかしこの世界は各期月きげつ二十日、各間日かんにち二百四日で一年周期する。


■期月


 我々の世界でいう月と近い概念。厳密には月と季節を合わせた複合概念。

 各五十日で間日を挟み、蜃月、焔月、惨月、牢月の順に次の期月に移り変わる。

 ちなみにこの世界に「週」及び「曜日」という概念はない。


蜃月しんげつ


 春(二月から四月に該当)に相当する期月。


 華の期月とも言われており、数多の種類の花が咲き誇る季節でもある。

 期月変わり初期は牢月の寒さがまだ強く感じるが、四期月中一番気温が穏やかですごしやすい期月である。

 しかし二十日目から三十日目辺りの中期に入ると雨が多くなり、気温も牢月ほどではないが下がる。この期間を「涙天るいてん」と呼ぶ。(地方によっては「花散らし」や「雨恵うけい」などとも呼ばれている。)

 「涙天」を乗り越えると焔月に入るため徐々に気温が高くなっていく。この頃、急な寒暖差から体調を崩す者も少なくはない。

 


焔月えんげつ


 夏(五月から八月に該当)に相当する期月。


 最も気温が高くなる期月であり、最も生物が誕生する期月である。

 暑いので山や海などで涼む目的でレジャーを楽しむ者が後を絶たないが、人・妖以外の生物たちが最も活動する期月なので注意しないと一大事になる。また日が顔を出す時間が最も長い期月でもある。

 一方、夜も空はある程度明るく、綺麗な星空を観測することが可能であり、そういった意味では人も妖も最も活動する期月なのかもしれない。

 蝉がうるさく、暑さに弱い者はこの期月を嫌うが最も活動しやすい期月であることに変わりはない。


惨月ざんげつ


 秋(九月から十一月に該当)に相当する期月。


 昆虫や野生生物は冬眠の準備を始め、花々が枯れ始め、徐々に牢月の寒気を取り込むことから「終焉の期月」とも言われる期月。

 焔月と牢月の中間の気温を保っている蜃月とは違い、この期月の気温は焔月から牢月への橋渡しの如く日を超すごとに下がっていくのが特徴。

 一方、完熟した木の実などが旬の期月でもあり、焔月とはまた違った理由で山に入る者も多い。

 また三十七日は神々の会合がある「神集しんしゅうの日」であり、この日は神の目を盗んでと言う名目のもと、活気付けを目的とした「解放祭り」が各地で開催される。


牢月ろうげつ


 冬(十二月から一月に該当)に相当する期月。


 最も気温が低くなる期月である。

 気温の関係からこの期月のみ雪という特殊な気候、まぁこれは説明しなくていいか。こちらの世界と同じく、路面などが凍結したり積雪で家が沈んだりすることもある。あと池が凍り付いたりもする。

 だがこの期月の本当に怖いところはこの期月のみ行動するウイルス「ヘテロウイルス」の存在である。このウイルスの存在ゆえに「病魔の期月」とも呼ばれている。

 このウイルスにかかる確率自体は人なら年間一万人に一人、妖なら年間八千匹に一匹とそこまで高くないのだが、このウイルスは自身が引き起こす病の他、別のウイルスに擬態して潜伏している病気を併発させる機能を持ち合わせているため非常にタチが悪い。

 このウイルスによる死亡率は八割強であり、「ヘテロウイルス」が発症させる病気「吐血風邪(症状は三十八度ほどの熱と鼻水、くしゃみとタンに混ざる血。この血の量は個体差があり、少し混じる者もいれば、本当に吐血するものもいる)」が併発させる病気を発見しにくくしている。

 ウイルスが一番活発に活動する期間は二十日から二十五日と短いのが幸いか。


間日かんにち


 各期月の間に一日だけ存在する日。


 一般の者からしてみると謎の祝日なのだが、ある地域に配置されてある「四期しきの塔」で務める者の役職交換日として設けられた日である。

 なのでこれを知らない者から一種の厄日と考えられ、この日に生まれた者は忌み嫌われる。その為、この日に生まれた者の親は子供の将来を思い、密かに誕生月日を前の期月の五十日か、次の期月の一日生まれに改ざんするのが一般的である。


■四期の塔


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■hェオty??k姫


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◆属性/属性色


■概要


 この世界、【インモラル界】に存在する人、全生物、いや万物には必ず《属性色ぞくせいしょく》と呼称される色を宿し生まれる。


 《属性色》は《赤》、《青》、《緑》、《白》、《黒》の五色ある。色と呼称されているが体のどこかが染まったりするわけでは無い。

 《属性色》は《魔力》及び《妖力》の源であり、この《属性色》は身体の成長と時間の経過と共に《属性》へと形を変える。

 この《属性色》及び《属性》は個に付き一つが原則であり、いくら人造物でも二つ以上の《属性色》を持たせることは出来ない。二つ以上の《属性色》を身に宿していると属性色が互いに混じり合わないようにと反発しあい、所有者の意思に関係なく《属性色》自身が勝手に体内で暴発して身体機能をことごとく破壊してしまうからだ。


 《属性》は過ごしてきた生活環境や《属性》所有者の性格が著しく影響し、例え同じ《属性色》を持ち同環境で育った兄弟でも性格が違えば《属性》も違う。例え似通った性格でも異なることが多い。

 また偶然同じ《属性色》で《属性》までも同じだとしても、能力の使い方まで同じとは限らない。使い方もまた《属性》を持つ者の数だけあると言える。必ず己に合った《属性》に変化するということはないので、いくら優秀な《属性》やトリッキーな《属性》を引き当ててしまっても、最終的には使いこなせるかは所有者の技量によると言うことだ。


 《魔術》及び《妖術》はこの《属性》を具現化したものを示す。

 その際に消費されるのが《魔力/妖力》であり、《魔力/妖力》はつまるところ体力である。過度に使いすぎると眩暈や疲労、行使の方法によっては気を失うことも珍しくなく、最悪の場合、命を落とすケースもある。消費量も使い方によって違うので慣れないうちは過多は禁物である。

 ちなみに《魔術/魔力》と《妖術/妖力》と何故呼び分けられているのかというと、【人】の言葉か【妖】の言葉かという、ほんの些細なことで方言みたいなものと感じて頂いて構わない。



■魔術師


 【人】の世界では《魔力》、《魔術》を扱うことが出来る【人】のことを《魔術師》と呼称し、崇められる。

 これは後程詳しく語るが、《属性色:黒》が覚醒するは《恐怖》を克服する必要があり、《恐怖》に打ち勝つと言うことは並大抵のことではない。

 つまり《魔力》を行使する、《属性色:黒》を《属性》に変化できたということは《恐怖》を克服したということ。そんな《魔術師》には『現実という恐怖に打ち勝つ希望』という意味が込められており、それこそ人々の《勇者》そのものである。

 だが、現実はそんなに綺麗なモノでは無く、この《魔術師》と呼ばれる者の大半は《属性色:黒》ではなく違う《属性色》を所有しているイレギュラーの者が殆どだったりする。



■属性色一覧


●《属性色:赤》


 連想されやすいイメージ:《火》、《情熱》、《血》 etc…


 熱に関することに対して連想されやすい色で主に妖の龍系統の者が持つことが多い《属性色》。

 もっとも覚醒が容易く、それ相応に能力に伸びしろがあまり見られない《属性色》である。

 ただし使いこなせば他を寄せ付けない、唯一無人の力を手に入れることが出来るとされている。

 消費《魔力/妖力》が《属性》によってまちまちで大技を使っても消費量があまりかからないものも多々ある。

 龍系統の体力が化け物扱いされるのもこの辺りが起因している。


●《属性色:青》


 連想されやすいイメージ:《水》、《冷静》、《機械》 etc…


 水に関することに対して連想されやすい色であり、主に水辺の生物が所有する。

 妖や野生生物だけでなく水辺の近隣に住む一部の人にも表れることがあり、唯一人が自然に普通に手に入れることが出来る貴重な《属性色》である。

 覚醒する《属性》が大雑把で扱うのに時間がかかることが特徴的。なので使い方が何通りもある者が多い。

 付加能力以外の能力殆どが《魔力/妖力》を大幅に消費する《魔術/妖術》が多い。

 なのであまり使用しようとしないが、使われると厄介この上ない能力が多い。

 また《属性:火》や《属性:闇》など《亜種属性》がもっとも見受けられる《属性色》でもある。


●《属性色:緑》


 連想されやすいイメージ:《木》、《成長》、《毒》 etc…


 自然のモノが連想されやすい色であり、妖の五割ほどがこの《属性色》を所有しているとされている。

 能力差が激しい《属性色》であり、例えば同じ《毒》でも『体内で毒を生産してタイプ』や『地面を毒に置き換えるタイプ』、『触れた部分を腐敗させるタイプ』など、《属性》の能力の分岐点が他の色と比べて多種である。

 また複数の《属性》や能力タイプを所有する者が多い《属性色》であり、二つないし三つ以上の《属性》を持つ者も珍しくない。

 コントロールタイプの能力が多い《属性色》でもあり、消費《魔力/妖力》は初動では少ないものの徐々に消費量がかさむものが多い。


●《属性色:白》


 連想されやすいイメージ:《純潔》、《光》、《優しみ》 etc…


 あまり所有している例が少なく謎な部分が多い《属性色》。

 聖なるイメージが強い反面、能力を生かしきれない《属性》に変化することが多いという。

 消費《魔力/妖力》量も不明。


●《属性色:黒》


 連想されやすいイメージ:《夜》、《妬み》、《恐怖》 etc…


 人の大半が所有する《属性色》であり、《属性色》の根底に《恐怖》が根付いている理由からもっとも覚醒が難しい《属性色》でもある。

 己の抱えている《恐怖》心やそれを克服する方法は所有者によって違うが、属性と違い明確な覚醒条件があることも特徴のひとつと言える。

 《恐怖》を克服出来れば他《属性色》をも受け付けないほどの心強い力を手に出来るが、再び《恐怖》に負けてしまうと二度と《魔術》を使うことが出来なくなってしまう。

 精神に干渉する能力が多く、消費《魔力/妖力》はそれなりに多い。

 また《属性色:緑》のように多種多彩な能力を習得するわけでは無いが、属性で物理系統と精神系統の能力がセットとなっていることが多い。 

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KIMERA@1st - Enfance dragon,rêve de quoi? - @beat_zebull

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