『詩集・今書いている詩Ⅱ』
@19643812
第1話
清水太郎の部屋に投稿していた詩から50偏を選んで投稿しました!
『詩集・今書いている詩 Ⅱ』
還暦男の告白(3)
高田瑛子さんあなたとの思い出は
本当に切なくて
今はもう伝えられませんが
タイムマシンで時をパスして
あなたのもとへ帰ってはいけませんか
あなたがいなくなってから
何処かでまた会えないだろうかと
街角の雑踏の中を 電車の中を
捜しているたろうくんでした
あのときはいけない恋をしていた
たろうくんでした
あなたとお別れして40年になりますが
たろうくんの記憶の河は
思い出に浸かり過ぎて
泳ぎの下手なたろうくんは
向こう岸に渡れそうもありません
時は過ぎゆくほどに
甘く切なくなりますが
磨りガラスの向こうの
あなたがぼやけて
見える40年の歳月です
たろうくんは良い奥さんと娘さんと
幸せに暮らしていますが
ときどき思い出してはあなたと
お会い出来たらと願っています
たろうくんの深沢山
あなたが其処に座しているから
私はあなたを見つめています
あなたが私を守っているから
わたしは此処に居られます
天正十八年六月二十三日の
悲劇を忘れたかのように
由井の山河を 村人を
眺め続けてきたあなた
三角錐の山容を天空に晒して
泰然として今も座っている
私のあなた
私の存在しない時代にも
悠久の時を越えて
有り続けたあなた
私は此処から朝も昼も夜も
あなたを見続けていますよ
私はあなたから離れないでしょう
あなたも私を離さないでください
雪化粧したあなた
茜色に染まったあなた
あなたが其処におられるから
わたしは安らかで居られます
あなたがたろうくんの拠り所です
あなたがたろうくんの産土神です
たろうくんのひとりごと(2)
あなたは独りかい
私には妻も娘もいるよ
父と母はもういないけどね
でもね あの世に行く時は
誰でも独りで行くんだよ
私も若い時は孤独性だったよ
それを解決してくれたのが愛さ
愛を求めてごらん 天に向かってね
神の創造のプログラムが
動き出すんだよ
生かされていることに
感謝してごらん
信じてごらん
プログラムの成功への道が
近くなるよ
簡単なことさ 難しくはないよ
でもね 誰もが夢中でやっている
ゲームだから
答えが出ないうちに
あなたが諦めて
終わらせてしまうこともあるね
答えが出ないこともあるんだよ
次の世に持ち越されてね
完全なものが地上に存在しないように
可能性が残されているんだよ
たろうくんのひとりごと(3)
あなた 心が暴走しすぎて
心のスピードメーターが制限速度を
越えていますよ
タコメーターがレッドゾーンですよ
ああ とうとう高速道路で
止まってしまいましたね
燃料計は如何ですか
ガソリンは有りますか
オーバーヒートですか
心が気鬱なあなた
心が停まってしまったんですね
人は誰でも故障して
停滞することもあるのです
オーラーが輝きを取り戻すように
あなたの心に 笑いと笑顔を
補給しましょうね
ガソリンの中に薬と言う添加剤を混ぜて
また走り出しましょうね
笑顔を作ってごらん
最初はぎこちなくてもいいからね
笑ってごらん
心の緊張が解れて
嬉しいオーラーが輝いて来ますよ
大丈夫ですよ 明るい昼間でも
あなたの星は輝いていますよ
たろうくんは 今日も古井戸の底から
あなたの星を見守っています
たろうくんのひとりごと(4)
真理なんて突然に
閃くものなんだよ
たろうくんは家の前の
冬枯れの雑木林が風に
揺られているのを見て
神の神慮に気がついたんだよ
(ああ わたしは生かされているんだなぁ~)
たろうくんは心の窓が
少し開いたんだね
真理を求めていれば
いつかはわかる時がくるけれども
答えが出ないのが人生だね
だから正解もないんだよ
0点でも生きてゆけるよ
100点満点を求め続けるなんて
あなたらしくないよ
虚しいだけです
たろうくんの娘さんは
小学生の時0点をとりましたよ
でも世渡りがたろうくんより
とても上手ですよ 実生活向きです
たろうくんは優等生でも
失業の繰り返しで
うかうかとした日々を
過ごしてきました
ようやくいま自分の仕事を見つけました
たろうくん「本当の自分を見つけるのも
時間がかかるんですね」
たろうくんの小学校ー創立100周年記念ー
体育館への渡り廊下を
スリッパで行くと
子どもたちの歌声が聞こえてくる
一生懸命にうたっている
穏やかな昼時に響いている
ピアノも唄っている
合唱コンクールの歌かな
今日の祝賀会の練習かな
紅白の幕で囲まれた
体育館の壇上で
正秋バンドがリハーサルをしている
校舎の刈り揃えられた生垣の上に
折りたたまれた
夏の日よけネットが置いてある
プールの脇に気象箱が
ポツンと立っている
ダイダイが半分だけ色変わりして
冬を迎えようとしている中庭
廊下のスピーカー今日は黙っている
校庭の照明灯 昼間はねむいなあ~
工作準備室 覗いてみた
何を準備するのだろう
子どもたちが自分の椅子を抱えて
体育館へ運んでくる
小さな運命も運んでくる
寒い体育館 人で一杯になると
暖かくなるかなぁ~
寒がりのたろうくんはそう思いながら
歩いています
たろうくんのタイムカプセル -創立100周年記念ー
佳き日に 空が青い
子どもたちがドッチボールをしている
校庭を駆け廻っている
みんな嬉しそうな笑顔の土曜日の登校
私は工作室の絵の具で汚れた
分厚いテーブルとセットの四角い椅子に
座って外を見ている
私の通っていた頃とは学校も
建物も周りの風景も変わっている
大きく見えた教室も机も椅子も
今は小さくみえる
100周年を記念した埋められた
記念碑の横のタイムカプセル
子どもたちの夢が たくさん詰まっている
10年後はどうだろう みんなの夢がかなうといいね
でも神さま 子どもたちの夢が多すぎて
これから先が大変ですよ 同情します
私は手持ちぶさたで ウロウロしているだけ
てもたろうくんも参加しています
嬉しい創立100周年記念行事に
娘に子どもが生まれたら
入れたいなこの学校に
たろうくんの夢も膨らんだ一日です
たろうくんの子どもたちー創立100周年記念ー
子どもたちの歌声って
素晴らしい
子どもたちの笑いって
素晴らしい
子どもたちの夢って
素晴らしい
夢よ 希望よ
あなたの住む
街へ 野原へ
山のかなたへ
雲が湧き上がる空へ
いっぱい届け
たろうくんは今日も
いっぱい感動しました
力をいただきました
早くお休みですよ
たろうくんの海ー八幡はらぼけ地蔵
六地蔵が海を
凝と見ている
あなたの歩く道を見て
立っている
波も立っている浜辺は
風も激しく吹いている
遠い国からやって来た
流木よ
口をあけている
桜貝よ
あなたの何を語ろうか
どんな夢を話そうか
今私の居場所は何処に
あるだろうか
水平線の向こうに
夢がある
希望がある
愛がある
どんなに悩んでも
構わないよ
もう直ぐ夜が明けて
闇が取り払われ
あなたの心にも
陽が差し込みますよ
たろうくんも
お目覚めです
たろう君のお休み
ハエさん窓にしがみついて
外に出ようとして
チッリチッリしても
駄目ですよ
今日のたろうくんは
風邪で会社もお休みです
あなたを外に逃がす
気力がありません
家の中に入ってくる
馬追いも 蜘蛛も
飛びまわっているゴキブリも
殺さない主義ですが
蚊は殺しますよ
娘を刺すなら蜂も
殺しますよ
ちびまるこちゃんの
カメムシはそっと逃がします
やれ打つな 蠅が手をする 足をする
風邪でダウンのたろうくんです
たろうくんのお休み(2)
濡れる 濡れる
初冬の雨に
雑木林も
菜園も
屋根も
みんな濡れる
たろうくんの心も
濡れる
けぶる けぶる
雑木林も
遠くの山も
みんな けぶる
残った木の葉が
雨にぬれて
鮮やかに映える
たろうくんも生き返る
陽が当たる 当たる
乾く 乾く
雑木林も 菜園も 屋根も
たろうくんの心も乾くだろうか
おーい ベランダから巣を張っているクモ君
君は元気かい
君は誰だい
もう獲物はいないよ
君の捕らえた獲物は
糸でグルグル巻きだね
君も早く冬ごもりしないと
干からびちゃうよ
たろうくんの2日目のお休みです
たろうくんのお休み(3)
お天道様
昨日のあなたは
ご機嫌が悪かったのですか
良かったのですか
朝はザーザー大雨
昼はポカポカ陽気
夜はビュービュー季節風
たろうくんの体も狂ってしまいます
久しぶりにFMさがみ83・9MHz聞きました
なんで八王子にはFMがないの
相模原に負けてますよ
医院の帰りにたろうくんは
ジャンボ宝くじ・ロト6・ミニロトを
買いました
「あたるといいなぁ~」
「あたるといいよねぇ~」
願望と願いが入り混じって聞こえます
キイロのハンカチで包み黄色の袋に入れ
本棚の上の本の隙間にそっと置きました
風邪がまだ治らない
体の軽いような力の入らない
たろうくんのお休みの3日目でした
たろうくんの不思議
私を待っていてくれた大幡(八・西寺方町)の
山よ 川よ ありがとう
私が今 此処にいるのが不思議です
私の家が此処に用意されていたのが不思議です
その家に妻と娘と暮らしているのが不思議です
儀海上人が800年前に私の家の横を通っていたのが不思議です
私の生まれた慈根寺(元八王子町)で娘が新しい生活を
始めるのが不思議です
私は此処で 私の中のあなたを受け入れます
私の中のあなた 私の晩年に素晴らしい
プレゼントをありがとうございます 祝福ですか?
「たろうくん 不思議ではないのです あなたが私の
プログラムの一員として 経験という名の設計図に
従っているだけなのです あなたの感謝は私の
大いなる喜びと愛へとつながっています すべては
あなたの生まれる前から始まっていた物語の1ページです
まだまだあなたの知らない続きがあるのですよ…」
たろうくん いいのですか
あなたのカバンの蓋が 開いたままですよ
さっき 初恋の思い出が 零れましたよ
古道具屋で買った 値打ち物のエロ雑誌の
背表紙が覗いてますよ
あのー 言いにくいのですが
ズボンのチャックも開いてますよ
ご用心 ご用心 邪悪な北風 吹き込みますよ
閉めましょうね
お月さま 雑木林の隙間から
覗いて笑ってますよ
毎年飾っていたプラスチッチクのクリスマスツリー
娘さんが出てゆくので 今年は辛くて飾らないのですか
クリスマスツリーも 寂しがっていますよ
たろうくんもついてゆきたい
クリスマスになりそうですね
たろうくんのモミの木
おーい モミの木君 君はいつからそこに立っているんだい
随分長い間そこに立っている 気がするんだがね
君は一年中青葉の衣を 纏ったままだね
北風は寒くないかい 夏は暑くないかい
雨は汚れを落としてくれるかい
慰めてくれるかい 雪は重くないかい
もうすぐクリスマスが近づくから 浮かれた人間がやってくるよ
北向きの磁石を持って 地図を眺めている 人間がいるよ
小屋のそばで斧を研いでいる 人間がいるよ
エンジンのかかったトラックが 赤ワイン倉庫の前にあるよ
たろうくんも浮かれた 人間でなければいいね
たろうくんのひとりごと(5)
青春て 何だろうね たろうくんは老春だね
みんなと同じように 笑ったり悩んだりしています
さすがに 胸がキュンとすることは なくなったけれどもね
その代わりにドラマを見て 泣き虫に成りました
会社の美人の受付の女の子や 医院の看護師さんを見て
お話してみたいとは思います お食事に行けたらと思います
時々エロ画像も見ちゃいます まだ男が残っているんですよ
若いあなた 青春はよく燃えますよ 勿体つけないで燃やしましょうね
たろうくんは青春を求め続けて 還暦を超えましたが
心だけは今も万年青年ですよ でも体は病気のデパート状態です
ヒヨドリとスズメは元気だね 妻の洋子さん元気に歩いて
パートに行きました
元気のないたろうくんは スパークユンケル飲みました
たろうくんの愛欲
愛欲に悩んでいるあなた 性欲に悩んでいるあなた
恋に悩んでいるあなた 愛に悩んでいるあなた
自分の暴走に悩んでいるあなた
それはあなたが人間だからです
人間をやめることはできない 一人では生きてゆけません
誰でもが父母から生まれたのです
愛欲は親鸞聖人にもありました 知らない人もいるけど
認めたくない人もいるけれども
親鸞聖人は二十九歳のとき六角堂に参籠して
百日の祈念をされたその九十五日目の聖徳太子の
夢告が次のような教えです
「行者宿報設女犯、我成玉女身被犯、一生之間能荘厳、臨終引導生極楽」
(行者が宿業の報いによって 女犯の罪を犯すなら、
われは玉のような美しい女の身になって犯されよう、
そして一生の間荘厳し、臨終には 引導して極楽に生まれせしめよう)
あなたの代わりに悩んでいた 親鸞聖人がおられました
若いあなたも 老いたあなたも 異常ではありませんよ 正常です
石炭が蒸気機関車のエネルギー源のように
エロスは人間のエネルギーの源ですよ
干からびた あなたでは 私では 未来という列車を牽引出来ませんよ
文明という明日を切り開けませんよ 再びエロスに目覚めた
老春のたろうくんです
たろうくんの守株待兔(しゅしゅたいと)
あなたはいつも 待ちぼうけ たろうくんもいつも 待ちぼうけ
待っても無駄ですよ 待ち人は来ませんよ
良い知らせも来ませんよ 良い出来事も起きませんよ
あなたも たろうくんも いつも期待の海だけど 何もしないで
唯待っているだけの毎日では 進歩がありませんよ
工夫をしなさいね 行動を起こしなさいね
最初は天に向かって あなたの夢の設計図を 大声で語りなさいね
宇宙の創造のコンピューターの スイッチを入れなさいね
あなたの たろうくんの 未来が動き始めますよ
必ず叶うと信じなさいね 夢の実現に向けて 一心に努力しなさいね
同じことの繰り返しのようでも 意志を持ち続けることが
天才なのです 才能なのです
くたびれますか 休むことはあなたに 任せられていますよ
最良の方向を 自由に選べますよ 設計図の修正もできますよ
あなたも たろうくんも 素晴らしい明日が見えて来ますよ
これが本当の期待の海です
たろうくんの祈りと詩
夢を諦めてしまったあなた
望みを失ってもがいてるあなた
辛いと感じているあなた 病と闘っているあなた
祈りなさいね 他力でいいのですよ
一心に祈るのですよ 信じて祈りなさい
疑っても祈りを やめてはいけませんよ
私にはあなたに向かって祈る
それがいま出来ることです
言葉で伝えることも 手を握って励ますことも
永遠に出来ないかも知れません
でも祈りは時間と空間を超えて あなたのもとへ届くでしょう
そして私に残されているのは 詩を伝えることです
いっぱい創りました その中のどれかが あなたに響くでしょう
たろうくんの祈りと詩で ひとりでも元気なあなたを
喜ぶあなたを 笑うあなたを 自分を取り戻したあなたを
知りたいのです
呪文はいりませんよ 唯祈るだけでいいのです
遠い宇宙の彼方に向かって 放射されたあなたの祈りが
新しい命に引き継がれる日まで
たろうくんの祈りと詩は続きます
たろうくんのエロス
少女は何を見ているんだい 求めているんだい
遠い山かい 海かい それともあなたかい
瞳が求めているのは 美しい花かい それとも 邪悪な華かい
青年は何を求めているのかい 平和かい 戦かい セックスかい
おーい たろうくんは何を 求めているのかなぁ~
愛あるエロスの世界かな
好きだね~ 仕方ないけれど エロ画像を拡大して 喜んでいるけど
たろうくんの前世は 性に飢えた僧侶かな
君はまったく好きだから 仕方ないと諦めている お方がいるよ
でも エロスの世界も 信仰の世界だね
男根 女陰は古代から 豊穣のシンボルだよ
夫婦和合の道祖神 繋がった夫婦杉 奉納された神社の男根と女陰
みんないいねぇ~
みんな隠しているけれど 知らない振りしてるけれど
エロスはエネルギーの源です
たろうくんのエロスも信仰にまで
昇華するといいねぇ~
たろうくんのキュウイ
塩化ビニールで作ったキュウイ棚が
自分の重みで壊れてしまっている
雨に濡れた樹が黒く光ってる 葉は残っていない
採り切れない実だけが 残っている
枝は隣の椿 モクレン 金木犀を 飲み込むように伸びて覆っている
全部切ってしまおうかなぁ~ 切らずにおこうかなぁ~
優柔不断のたろうくんは 迷医でも外科手術が苦手です
自然のままに残してやりたいが 庭木は手入れしないと駄目ですか?
伸び放題が いいがなぁ~ 裏庭の榊も伸び放題です
前に住んでいた人は植物が好きで
琵琶も クリの木も 桃も 沈丁花も
西洋シャクナゲも 椿も モクレンも 金木犀も
ゆずも アジサイも キュウイも 榊も 梅も
ツツジも 紅葉も 萩も みんな植えました
知らないうちに 南天も 青木も 八つ手も生えてます
でも クリの木も 西洋シャクナゲも 沈丁花も 枯れてしまいました
手入れをしないたろうくんが悪いのですか?
庭も 草ボウボウです 菜園だけが大根・冬菜・早撮り京一株で元気です
自分勝手かなぁ~ 切られる木のことを考えると
気が重い迷医のたろうくんです
たろうくんのタイヤ
小気味良い音を立てて スタッドレスタイヤが
路面を掴んでいる 唸っている
ハガキ4枚程の大きさで 車体を支えている
あなたは掴んでいますか 連れ合いの心を
家族の心を 友達の心を 恋人の心を
心を掴みきれなくて 泣いてはいませんか
時に人生は 泣き笑いですね 照る日 曇る日の 連続です
たろうくんスピードオーバーです 過信はいけませんよ
程々にしましょう 車の運転も人生もね
「そうかなぁ~」と思いながら 明日も仕事に励む
たろうくんのタイヤです
たろうくんの夜空
あっ ねがい星 かない星 東の空に見っけたよ
半欠けお月さん 西の空に沈んだよ
オリオン輝く南の空に 幸せの願い投げ上げてみたよ
流れ星ひとつ北の空に 捕まえたよ
たろうくんの夢と あなたの恋 叶うといいね
星が揺れるから 明日は屹度 晴れるね
星座が輝く冬の夜空を たろうくんは今日も
見上げています
たろうくんの桃の木
2階で臥せっている たろくんはベランダ越しに 桃の枝を見ています
雑木林で朝日がろ過されて 桃の芽の産毛を淡く 浮かび上がらせている
硬く小さい芽は 幼いあなたのようですね
おーい 桃の木君 13年前には途中から 切られていたね
どんな理由があったのかな ヒコバエから復活して
傷跡は何処にもないね 「桃クリ3年…」だけれども 君は強いねぇ~
毎年 実をつけるけれど 鳥さんか 虫さんの 美味しい食べ物だね
「来年は袋をかけて たべたいなぁ~」
食いしん坊のたろうくんは 寝ながら思っています
たろうくんのゆずの木
おーい ゆず君 君は12月が近づくと 黄色くなるけれど
恥ずかしがっているのかい 少し照れているのかい
たろうくんの家でも 冬至にゆず湯の 習慣だけれど
いつも君が実を いっぱいつけるので 知り合いに配っても残って
もう毎日 ゆず湯ですよ 幸せも一緒に配れてるといいね
日が弱った冬至に大昔 日野市の坂上で 日奉氏が火を焚いて
お祭りしていたそうですよ たろうくんの体も温まるといいね
一年中青葉の君に 黒アゲハ君もやってくるね
白い花も咲いて 嬉しいたろうくんのゆずの木ですよ
たろうくんへの宅配便
幸せは軒に吊るされた 干し柿のように 甘くなって並んでいるかな
希望は隣の家の干し大根のように 萎びてないかな
干し柿も 干し大根も 今が食べ頃ですよ
でも美味しすぎて 幸せも 希望も あなたの胃袋の中で
消化できますかそれとも 消化不良になりませんか
はい 此処にクレオソート丸 置いときますよ
「ピンポーン」「たろうさん宅配便です」「ご注文の愛の干物です」
「水道水で元の愛に戻るそうです」
「代引きですから お金と判子ください」
「ご注文いつもありがとうございます」
たろうくんの銀座
たろうさん私は街を 行く当てもなく
汚れた服と少しばかりの
荷物を引きダンボールを
抱えて歩いているのに
幸せが必要でしょうか
何処に希望があるでしょうか
入浴出来なくて 赤照りした顔にも 明日は来ますが
毎日ねぐらを求めて 唯歩いています
安住の地も 時もありません 伸びたヒゲと白髪を 寒風に晒しています
いつか訪れる安らかな眠り 私の願いはそれだけです
青木ヶ原の樹海にゆく お金も気力もなく 銀座の外れを歩いてます
たろうさん私の未来が あるのなら教えてください
たろうくんの道
楽しい道を往くときは 広く感じる 辛い道を往くときは 狭く感じる
あなたは今どの道を 歩いていますか
広い道は快適に車で行けますね 狭い道は注意が必要ですね
画布に広い道を描くか 狭い道を描くかは 画家の人生ですね
たろうくんならば ジグザグな狭い道を描きます
あなたは自分の往く道を 自由に選べますか
分かれ道では熟慮しなさいね
迷い道でも 脇道でも あなたの往く道ですよ
連れ合いと 家族と 仲間と 恋人と みんなで往けばひとりよりも
楽しい寄り道が出来ますよ
クリスマスが来て 来年の干支のうさぎが 福を招いて待っていますよ
たろうくんも南天で 難を払って新年を 迎えるつもりです
たろうくんの苛立ち
生活している 暮らしている 私もあなたも 息をしている
夢や希望はどうだろう すべて幻想ではないのか
(時を写真で切り取れるか)
こうありたい ああなりたい 思い巡らしても
実現しない思いは幻想ですね
たろうくん考えが「メビウスの輪」になっていますよ
帯状発疹の後遺症で悩まされて 現実から浮いていますよ
クリスマスイブの夜まで仕事になって 奥さんと娘さんで祝えなくて
ガッカリしているのは判りますが 早く帰れると良いですね
現実の厳しさに苛立ちの 隠せないたろうくんです
たろうくんの動物園
動物園の動物達は あなた幸せですか
どんなに環境が良くても 捕らわれているのです
何代にわたって交配されて 飼育されているのです
本当に彼らはそれでも 幸せとあなたは思いますか
人間に見られるだけの 彼らの人生ってなんですか
そのうちに人間動物園が出来て
あなたの子孫が いや孫が 飼育ケージの中にいて
案内板に「この人間ずる賢くて 危険 餌を与えないでください」と
書かれるかも知れませんよ
その時の飼育員は たろうくんでしょうかね
たろうくんの会話
台所の妻と娘の会話 妻「私の運はいいのかな?」
娘「お父さんを引いたので悪いのじゃない!」
妻「でもスクラッチで7万・5万当たったし?」
たろうくん「家も買えたし 私はお母さんで良かったよ!」
あなたの会話ならどうなりますか
今日から娘さんは新しい生活を始めるので
たろうくんの家から仕事場へは最後の出勤です
そのまま新しい家に帰ります
娘「おっ父 行ってくるよ!」 たろうくんはソファーに寝ながら
「おう!」とだけ答えました
たろうくんの家から新しい娘さんの家まで 車で8分です
高尾駅からタクシーでワンメーターです
「仕方ないよね 近くにいてくれるんだから」
「いつまでも 3人で暮らせないからな」
たろうくんは娘さんがジャンボ宝くじを買ったので
「大当たりしたら 1000万円貸してね」と言いました
「返す当てがないから もらうのでしょう」と奥さんが言います
「当たってくれるといいなぁ~」と心の中で思い
たろうくんは少し嬉しくなりました
たろうくんの風船
希望をいっぱい吹きこんだ 風船を持って
娘は家を後にした 行く先は彼氏との新しいアパートへ
たろうくんの風船は萎んでいます
でも大丈夫たろうくんの風船は 奥さんの洋子さんが
新しい空気を入れて膨らませてくれますよ
娘さんは直ぐに帰ってきますよ 幸せという風船を持ってね
「いつでも帰っておいで 此処にお前の家があるからね」
そうたろうくんは娘さんに言いたかったのです
たろうくん娘さんは判っていますよ
お父さんのことを一番心配していますからね
たろうくんの特効薬
たろうくんの症状を聞いていた 西寺方医院の理事長先生は
「これはもう特効薬しかないですね」
この薬は11月に承認された 最も新しい薬だそうです
まるでたろうくんを 待つていたような薬です
不思議ですね
この薬を開発してくれた皆さん ありがとうございます
西寺方医院の看護師さん スタッフの皆さんありがとうです
高血圧・糖尿病・下肢静脈瘤・風邪・帯状発疹と続いた
今年のたろうくん
改めて健康でいることのありがたさを感じましたよ
でも一番の特効薬は皆さんのエールと
自分勝手なたろうくんの用事を してくれた奥さんの洋子さんです
来年は65歳の坂を無事に越える たろうくんだといいですね
たろうくんのフクロウ
「あっ 今フクロウが啼きましたよ」今年の春に来たフクロウ君です
「私は此処にいますよ 見守っていますよ」
「君は何処にいたんだい」
君のいない間のたろうくんは 大変でしたよ
フクロウ君「食べ物は十分ありますか」「いろんな世間を見ましたか」
帯状発疹の痛みに耐えて
たろうくんはようやく年賀状を書き終えました
今日の仕事を替わってくれた 須藤さんありがとうございます
会社の武蔵部長さんありがとうございます
派遣先の桜井さんありがとうございます
阿部社長さんご迷惑をおかけしてます
今日の夜は娘が帰ってきます フクロウ君たろうくんの分以上に
娘を宜しくお願いします
「寒月にフクロウ啼きて道遠し」
たろうさんの娘
昨日の夜9時頃 娘さんの 携帯から「河原宿のあたりだよ」
と連絡がありました 娘の最初の里帰りです 腕の痛いたろうさんは
特別サービスで歩いて5分ほどの バス停まで車でお迎えです
いつもは母親の洋子さんが 坂を下ってお迎えでした
たろうさんが元気な時は 必ず車でお出迎えに行ってました
娘に何かあって後で後悔しても
いけないと夫婦で思っている 過保護な親です
今日は11時まで爆睡の娘です 起きてきたら冷蔵庫を漁って
足りないものを物色です 持つていった物のリストです
トイレットペーパー・折りたたみ傘・明太子・鮭切り身(6)・
牛肉(200g) プリン(2)・ヨーグルト(2)・焼きそば・
梅干し(少し)・丸美屋のふりかけ(5)・午後の紅茶(明けたもの)
ほうれん草・わかめ・長ねぎ(これはカップのインスタント)
プリマのハムセット〔ハンバーグ(2)・荒引きポーク・
あい鴨ハム・ベーコン・ミニステーキ〕
今日母が買ったもの ミカン・ゴマ昆布
「何でも持っていきな」「娘のためだから仕方ないですね」
「自分の家の家計費のことだけ計算して
こちらの家計は計算していないね」
彼氏が13時頃きて 帰ってゆきました ヒヨドリがピーピー啼いて
クリーンヒータの音がする
静かな夫婦の暮らしがまた始まりました
たろうさんは長椅子で寝そべっています
たろうくんの大晦日
弱い朝日がリビングに 差し込んでいる 長椅子に寝そべっている
たろうくんの耳元で クリーヒーターが 唸りを上げている
加湿器の蒸気が 真上にあがっている
静かな大晦日の始まり 昼を告げる時計が鳴る 陽が強くなる
部屋は暖房が要らなくなる
「大丈夫 迎えに来られる」「ああ ゆくよ」
緩やかなS字の坂には 塩カルが撒いてある
初めての信号機を過ぎると 陵北大橋で突き当りの信号を
右折し次の信号の角が 妻の勤めているエコスたいらや西寺方店
駐車場の誘導員は顔なじみだ
判り易い所に車を入れ替えて妻を待つ 帰りも片手運転だ危ない
妻が乗り込んでくる 家までは5分もかからない
ジャムをつけてパンを食べる これが旨い
皿に入ったキャベツを そのまま口で食べる
「もう 二人は起きているかね」
「昨日遅かったから どてっと寝てるんでしょうよ」
「少しは片づけているのかな」「今日は忙しくて行けませんよ」
左手でパソコンを打つ スズメが餌を啄ばむ音が聞こえる
たろうくんは長椅子に寝そべり 右腋の下に左手を差し込み
帯状発疹の痕を撫でる 少し感覚が戻ってきているが
痛みは続いてる もうジャンボ宝くじの抽選が 終わっているだろう
「あたしと お母さんに当たったから 宝くじは当たらないよ」と
娘が言っていたのを思い出す
耳鳴りがして起き上がる
大晦日の昼下がりのたろうくんです
たろうくんのお正月
帯状発疹の後遺症で痛い たろうくんは考えます
人の痛みを知りなさいとの 教えでしょうか
今までにない痛みの 毎日なのです 挫けそうになります
あなたも痛みますか 身体ですか 心ですか
何時まで続きそうですか 薬で治りそうですか 私の詩では駄目ですか
心まで負けてはいけませんよ 私の痛みはもう直ぐ治るでしょう
消えるでしょう
あなたは消えない痛みを 持っているのですね
私に売ってもらえたら良いですがね
自分に希望を持ちなさいと 誓うお正月のたろうくんです
たろうくんの詩始め
山で「おーい 希望よー」と叫ぶと
「お~い 希望よ~」と小さく 帰ってくる
街で「希望よー」と叫んでも 返ってこない
雑踏の中から「失望ー 絶望~」と還ってくる
でも信じている 屹度いる
新しい望みが生まれて
笑顔が溢れる友がいる
あなたがいるから
たろうくんは今日も詠います
「希望よー」と寝ながらね
たろうくんの鶯(うぐいす)
正月2日の事始の日に たろうくんの庭の桃の木の下で
藪鶯(やぶうぐいす)が「チッチッチッ」と 啼いていました
鶯君まだ「ホーホケキョウ(ホー法華経)」と 啼けないんだね
悟りは先だね
「ホーホケキョウ(ホー法華経)」は ありがたいお経だけれど
あなたは知っていますか
法華経では女人は救われません 仏教は男の宗教なのですよ
今の日本は葬式仏教になってますね 男も女もありません誰でも
救われる事になってます
キリスト教は最初から 男女平等です 神道ではどちらかというと
穢れを除けば女性優位ですね
夜に蛍光灯の周りを グルグル元気に飛び回ってた
ハエ君が二階の廊下で 死んでいましたよ
娘さんがいないので ハエが死んでいても 大騒ぎになりません
たろうくんも片付けません
ハエ君は成仏できたでしょうか「一寸の虫にも5分の魂」が
たろうくんの信条ですね
今日も藪鶯(やぶうぐいす)君が「チッチッチッ」と啼いていますよ
穏やかなたろうくんの昼下がりです
たろうくんの夕焼け
雲の隙間から 陽が差し込む 夕焼けの里が茜色に 染まるころ
「カア カア」烏が 勝手に啼くんだよ
昨日は元三大師の ご命日なのに「カア カア」烏が 啼くんだよ
トンビが グルグル廻っているんだよ
庭の菜園の大根も 冬菜も 早取り京一カブも 出来が悪くて
春の菜の花は最悪だね
でも時間は過ぎて たろうくんの定年は迫ってくる
たろうくんは帯状発疹で 寝ている 娘さんが 帰って来るから
落ち着かないね たろうくん
寝ていられないよ いそいそとバス停まで 車でお迎えですよ
啼くなよ 烏よ トンビよ帰れ 娘よ 帰っておいで永遠に
彼氏と共にね?
今日も夕焼けの里に 夕焼け小焼けの チャイムが響いて
救急車が 走ってゆきます
バイクが走り廻って パトカーが追いかけてます
幸福と不幸は裏表で 嬉しさと悲しさが
交差するたろうくんの こころに今日も
夕焼けが綺麗に映えていますね
たろうさんの夢
ピアノが立っているリビングに 幼い時からの娘の写真が
額に入って飾ってある いっぱいある
ピアノはもう引かれない 自動演奏も使われない 調律も何年もしてない
妻はひとりしか生めなかったのです 娘よ お前は彼氏の前では
淫乱で 子どもを5人も 産んでほしい
お父さんはお前の子どもたちに 自分の夢を託す
男の子には 作家 歴史家 画家 女の子には 音楽家 女優
お父さんの家は お前の子どもたちの
託児所となって支えるから 二人で働いておくれ
みんなを学ばせる学費を稼いでおくれ
今お父さんはこの夢を 天の創造のプログラムに組み込んだから
お父さんの夢は動き出すよ スイッチが入りました
だからたろうさんは85才まで 元気に生きますよ
奥さんの洋子さんも共に元気でね
信じていれば夢は 実現するのですよ 20年後が楽しみですね
夢見るたろうさん
たろうさんの灯油
「お寒む 小寒む 山から小僧が…」の歌声を流しながら
灯油売りのおじさんが 今日もやって来ました
たろうさんの家を 通り過ぎてしまったので
あわててたろうさんは 呼び止めました
「家にもお願いします」車はバックで戻って 来てくれました
ポリタンク2つで 3160円でした
寒がりで着膨れした たろうさんを 心の中まで
温める灯油が あるといいですね
今日も娘さんが 帰ってきます
洋子お母さんは 娘さんの好きな イチゴを買いました
「もっと温度を上げてください」 寒がりのたろうさんが言います
暑がりの洋子さんは 嫌な顔をして少し温度を上げます
この灯油でも心が 温まらないのですか たろうさん
クリーンヒーターが 唸っていますよ
今夜も星が揺れていますね 八王子は明日氷点下5度ですよ
たろうさんはもう寝ています
たろうさんの如意棒
朝から猫が盛りのついた 鳴き声で騒いでる
そんな季節なのだろうか 春なのかな
たろうさんの如意棒は 力なく萎んでいます
もともと精力がない上に 大きくもなく早漏気味で
自分の思うようにならない 困った如意棒ですね
もう暫くセックスレスですよ たろうさんの歳では
仕方がないですね 自慢ではありませんよ 自信喪失です
でもこの歳になると 夫婦はこれで充分なのですよ
負け惜しみではありません 現実なのです
今は若くてもセックスレスだそうですね 日本の将来が危ういですよ
セックスは毎日でもしましょうね
若いあなた神様は使うように 身体を作られたのですよ
夫婦は淫乱でも良いのです
干からびた気力では 新しい活力ある日本を作れませんよ
先進国病でしょうかね
人類が滅びないためにも セックスに励みましょうね
今日はたろうさんからの 過激なメッセージです
たろうさんの地球
朝と夜の始まりと終わりは 地の果てでヘラクレスが
いまだに大きなカーテンを 開け閉めしているのだ
太陽は東から西に 動いているのだ たろうさんは海を
あまり見ないので 水平線が 平でないなんて信じない
名工は「…水平の水が曲がっている…」と知って発狂する
たろうさんの尊敬する埴谷雄高さんの「死霊」の一節だが信じたくない
そうでしょう 車で運転していても 丸いなんて思わない
山坂があるだけです
たろうさんは帯状発疹で 寝ていても寝床の下が
丸い地球だなんて思いたくない
ああ 大昔のこの世は 何処までも平の世界が懐かしい
川の水は地の果てで 滝のように落ちているのだ
「それでも地球は回っている」ガリレオが最後まで言っていた
あんたは偉いが たろうさんの夢を 最初に壊した男だ
ブラジルのクリチバの joseさんとは 長い糸電話で 繋がっているのだ
たろうさんは今も 自分の夢と空想の世界を 信じながらも
現実の世界で 帯状発疹の 特効薬を飲んでます
たろうさんの物干し竿
「竿やー~竿竹はいりませんかぁ~」 今日も軽トラックで
竿竹売の声が 宝生寺団地に響いています
女の人の売り声だ たろうさんは甘いから
運転手まで女の人と思ってしまう
「声かけようかな いや止めておこう」ともう一度考えます
そうなのですたろうさんは前にも 洋子さんのいない時に
駐車場の段差ブロックや 風呂場の水漏れのマスキングを
頼んだりして 叱られたのです
たろうさんの家の物干し竿はかなり 痛んでいるのですが
たろうさんは希望印の洗剤と柔軟剤で洗った
洗濯物を干してもらいたいのです
たろうさんは下着を畳んだときの あの優しい希望の香りと
柔らかさが 嬉しいのです
あなたの家の物干し竿にも 希望印の洗剤と柔軟剤で
洗った洗濯物が干してありますか
希望は物干しに吊る下がっていますか 物干し竿は痛んでいませんか
「カインズで買えば安いのよ」 帰ってきた洋子さんに言われて
「ああ 買わなくって良かった」と 心の中で思った たろうさんでした
たろうさんから45歳のあなたへ
45歳のあなた 私の歳までは 20年ありますね
長いと感じるか 短いと感じるかは あなた次第ですよ
私の歳になると1年は短いです カレンダーは直ぐに12月を
捲ることに成ってしまいます
若い人は長く感じることでしょうね
人生65年穏やかなことばかりでは ありませんでしたよ
私も辛いことが3度ありました 3度目は家を買って2年目でした
今から10年前になります それは会社をやめると決意して
家のローンをどうして支払って行くのか 妻には
どのように言えば良いのか
車で陵北大橋を過ぎるときに 橋の下を覗きたくなりました
家を手放す位ならいっそと思いました
そのとき 私は自分の心におられる
神に 今の私を助けてくださいと叫びました
でも神は 私の妻でした 妻は私の言うことを聞いて
またか仕方がないと言った顔です
さすがにわが神です
それから仕事も3度変わりました その都度 妻は神でした
娘は天使でした 自分で思いつめてはいけませんね
前を向いて歩いても 脇見をしてもいいのですよ
廻れ右も時にはあるでしょう 道に迷って立ち止ることも
そんな時わき道を見つければいいのです
今あなたは何処にいますか 道が見つからなくて苛立っていませんか
仕事が決まらなくても 今のあなたに与えられた日々を
一生懸命に生きましょうね
無駄だとあなたが思う時間も 与えられた人生の休暇と思いましょうね
あなたも家族を持つといいですよ 神に出会えるかもしれません
今日は神を2つ持った たろうさんから弟へのメッセージです
たろうさんの廃品回収
「…ラジカセ・ミニコンポは無料にて回収いたします…」
今日も廃品回収の車が 宝生寺団地を廻っています
「毎度ありがとうございます 本日は人間の廃品回収に
おうかがいしておりま~す」という日が来るのでしょうか
人間は健康でなくては廃品回収もしてくれないでしょうね
その時は「…健康診断書を添えてお待ちください…」と
なるのでしょうね
老人の医療費が増えていますね たろうさんもお世話になっています
薬も一杯飲んでます 去年は病気のデパート状態でした
痴呆症・若年痴呆症・介護・介護疲れ他人事ではありませんね
たろうさんの両親は介護の必要もなく亡くなりました
洋子さんといつも「息子孝行の親だったね」と言っています
「清正お父さん タツお母さん」ありがとうです
清水由貴子さんの自殺は同じ名字なので悲しいです
介護ご苦労様ですが 「私たちも廃品回収に出したいわ」の
辛い言葉を聴きたくはありませんね
暗いことばかり考えていたので
「…本日も人間の廃品回収にお伺いしております…」
「あれれ…空耳アワーかな~」とたろうさんは一瞬 思いました
たろうさんの家の前を廃品回収の車が
「……ありがとうございま~す…」と通り過ぎました
たろうさんの住む町
八王子市街の東から朝日が昇り 南の高尾山の上を通り
西の夕焼けの里に 夕日となって沈みます
(本当は地球が西から東に動いてる)
富士山は邪魔されているので見えません その犯人は高尾山です
洋子さんは江戸っ子だから 富士山の見えないところには
住みたくないそうです
元八王子っ子のたろうさんはそのたびに 悔しい思いをします
元八王子小学校からは「でんべそ山(大嶽山・別称キューピー山)が
見えるよ」と むき気になって言います
とても富士山とは太刀打ち出来ません
一訓君(私の友達)のお母さんが 私の家を見に来てくれた時に
「いい家を見せていただきましたよ でんべそ山は見えるかねぇ~」が
第一声でした
陵北大橋の上は寒いので洋子さんが
「店に着いたら頬が凍っているようだ」と言います
陵北大橋は八王子八十八景に入ってます 恩方がずーと見渡せます
この橋から でんべそ山が少し見えます
たろうさんは腕がいま不自由なので
休んでいても車で送り迎えが出来ません
だから借りがいっぱいあります
「あんたがボケたら面倒みるからね 俺が先にボケたら
ボケもん勝ちだよ」
冗談交じりに言います
洋子さんは「私をボケるなんて言わないでよ」とお冠です
たろうさん早く治って仕事に行きなさい
みんながそれを待ってますよ
たろうさんの娘(2)
娘が休みで 彼氏が夜勤だから 車で送ってくる
娘が帰ってくるのです 明日は家から仕事に行きます
ヘルスメーターの電池も換えました
首をキリンさんのようなが~くして待ってます
たろうさんは少し寂しい 車で帰ってゆくたびに
娘さんの部屋の荷物が 少なくなり部屋が片付いてゆくのです
大事な大きなクマのぬいぐるみも 持ってゆくと言ってます
洋子さんは 娘のベッドで ゆくゆくは寝たいと言っていたが
まだその気はないらしい まだ下の寒い部屋で寝ています
未練たらたらのたろうさん もう諦めなさいよ
でも父親なんてそんなものですよね
長谷川潤も 香里奈も 北川景子も ファンで美人だけれど
たろうさんの娘の方が美人ですよぉ~
(馬鹿な父親ですね たろうさんは?)
「おいスズメ 私が立ち上がるたびに逃げるな
俺が主人でいつも餌をやっているだろ~」
餌台が窓辺の近くにあります
たろうさんスズメに八つ当たりはいけませんよ
娘さんは何処にも行きませんからね
たろうさんが生まれた所に住んでいるんでしょう
洋子さんはパートから帰って来て 昼飯の焼きそばを作っています
美味しいですよ たろうさん食べる前と後に
忘れずに 薬飲んでくださいね
娘さんはもうすぐ帰って来ます」からね
(あ~あ~ 娘さんも大変ですね)
たろうさんの神さま
たろうさんの神さまは語ります
「たろうさん わたしはあなたの心の中に いますよ
心を通じてあなたに語ります わたしは姿を顕わしません
姿形はないのです あなたのインスピレーションがわたしの囁きです」
たろうさんはいつも考えています「神はおられるのだろうか」
「私は何のために生かされているのだろうか」
「私は誰に守られているのだろうか」
「私は何故に詩を作っているのだろうか」
たろうさんは友人に「…山ノ神・うちの神さんと言います…」
と教えられて「なるほどね」と思い納得しました
確かに洋子さんはたろうさんを助けてくれる神さまです
娘さんはたろうさんを癒やしてくれる天使です
「たろうさん自分の周りをよく見なさい あなたが一番
大切なのは誰ですか 娘さん 洋子さんですね
そうですよ あなたが思っているように
あなたのご両親もあなたのことを大切に思っていました
そのご両親もそのまたご両親を大切に思っていました
ごれが続く家族の絆です それがご先祖の縁に繋がります」
「あなたが運転中に危ないと思ったときに 助けているのは
わたしだけではありません おわかりですね あなたに繋がる 人々ですよ ご両親を始めとするご先祖です」
「でも一番今を生きている人々があなたを助けていることを 忘れてはいけません
今を生きるのです 生きている人々が わたしの業(愛)をなせるのです
死んだ人に教えるのではなく 今を生きる人にあなたは教えるのです」
「たろうさんあなたを守っているのはだれかわかりましたね
あなたが詩を作るのもわたしの業(愛)を人々に教えるためですよ
今の人々の魂を救うためですよ それがあなたの役目です」
たろうさんは100篇目の「今書いている詩」のために
この詩を書きました
たろうさんは誰かに生かされている 書かされているのだと思いました
『詩集・今書いている詩Ⅱ』 @19643812
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