選挙に行こう! 貴方の一票でできること(即効性?)

上野文

気楽にいきましょう

 2016年夏の参議院選挙から、選挙権年齢が20歳以上から18歳以上に引き下げられました。

 200万人を超える若い世代が選挙権を得ます。「ここはいっちょ投票しようか」と前向きな方はもちろん、「政治なんて別世界。選挙なんて関係ない」とネガティヴな方も、ぜひ投票に行ってください。


 私は、このエッセイで、民主主義がどうの、道徳がどうの、親切心だの老婆心だのと語るつもりはありません。

 悲観的な有権者の方は、「どの候補もジャガイモで、どの政党の公約も口約束、マニフェストって詐欺サギフェスト? どうせ一票で変わることなんてない」と仰りたい方もいるでしょう。


 あります。

 投票することで、誰にでもできること。


 それは、”組織票の無力化”です。


 いきなり何を言い出すんだ? と思われるかもしれませんが――。


 選挙は、綺麗事(きれいごと)だけではありません。

 組合だったり、宗教団体だったり、形は様々ですが、「自分たちは○○票用意するね(だから、私たちの言うこと聞いてね。利益をちょうだいね。便宜をはかってね。日本国を壊す手助けをしてね……等々)」

 といった風に政治家や政党にかかわろうとする集団が、現実に存在します。

 特に外国人は、直接日本の選挙に参加出来ませんから、こういった政治団体を通じて干渉や誘導を試みる手合いがいます。

 票を集める手段も荒っぽく、悪質なケースでは……。

「教え子を洗脳して特定の政党に投票させた」

「病気の知人を投票所まで無理矢理引っ張っていって特定の政党に投票させた」

「老人ホームの入居者を騙くらかして特定の政党に投票させた」

 などといった灰色の選挙活動が、時に美談として語られます。


 義憤を抱かれた方も、脱力された方もいらっしゃるでしょう。

 でも、ちょっと考えてみてみてください。貴方は彼らが熱心にかき集めている一票を持っています。

 投票する政党が彼らと同じでも異なっても、『一票を投じることで、一票分の価値が生じて、彼らの力を損なわせます』


 これはたとえ話ですが、もし5票の組織力をもつ団体がいて、10人しか投票しなければは無敵でしょう。

 ですが、もしも100人投票したならわずか5%、1000人投票したなら、もはや組織票としては無力です。

 そこまでいかなくとも、一票を投じることで、一票分だけ組織票は力を失い、身勝手な圧力をかけ辛くなります。

 無論読者の中には、「だけど、組織票のすべてが悪じゃないだろう」と思われる方もいるはずです。

 それは否定しません。が、日本国の未来を想うまっとうな政治団体ならば、投票率の上昇はむしろ願うところでしょう。

 もしも「投票率なんて低い方がいい。何を余計なことを書くんだ!」などと目くじら立てる政党や政治団体がいるならば、そんな輩は民主主義から鑑みて、おかしいと判断せざるを得ません。


 どこかの誰かのよろしくない企みを一票分打ち砕く。

 そう考えたら、ほんの少し痛快ではありませんか?


 選挙区の候補者が全員毒キノコならどうすればいい? ですって……。

 せめて致命傷のカエンタケは避けて、生き延びられるベニテングタケを選びましょう。

 ろくでなしは、次の選挙で選ばなければ、ワンチャンスあります。


 日本国は、国民主権です。

 主権が国民にある、ということは、日本国を維持するも滅ぼすも日本国民の選択次第ということです。外国人が口を挟む余地はなく、白票や棄権は未来を他者へ白紙委任することに他なりません。

 ですから、気楽に投票に行きましょう。買い物ついでに投票所でちょちょいのちょい、期日前投票だって出来ます。

 ここまで読まれた貴方が、どうか納得のいく形で、清き一票を行使されることを願っています。

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