◆Ending02◆戻るべき場所

 ログレスの港に潮風が吹き、ラヴィニアの髪を軽くゆらす。

 激しい戦いを終えたロイヤルリベンジの一行が、彼らの本拠に帰還する時が近づく。

 次の航海は王都に戻ってきた時とはまったく違ったものになるだろう。


GM:では、最後に締めのシーンに参りましょう。何かご希望はありますか?

ラヴィニア:み、みんな当然わたくしのミナミーノ島についてきますわよね。

鉄也:なんで突然、そんなに自信なさげなんですか!?

ポメ郎:これまでの自信満々のラヴィニア様はどこに行ったポメ?

ラヴィニア:だってほら、一応みんなにも自分の生き方があったりするじゃない?

ポメ郎:水くさいポメ! 島の大神官に任命されたボクは忠誠度マックスだポメ。当然ついていくこと大決定、死ぬまでお供しますポメ。

ラヴィニア:ポメロのくせに、泣かせること言いますわね!(バーンと背中を叩く仕草)

ポメ郎:いたいポメ(笑)。

ゼロ:イビルゴッド重工業の従業員として、ラヴィニア様と共に歩むことに大きなメリットを感じます。大おば様の依頼ではなく、私の意志であなた様にお仕えしたいのです。

ラヴィニア:くるしゅうない!(笑)

鉄也:ギ……俺はいずれは現代世界に帰って、ナナミを花園に連れて行きたい。が、帰還の前に身体元に戻さないとまずいと、今気がついた。

一同:今気がついたのかよ!?(爆笑)

鉄也:そのためにお金を貯めたいから、ラヴィニアさん仕事ください。

ラヴィニア:安月給ですわよ!

鉄也:アンタって人はぁーっ!?(一同爆笑)

ラヴィニア:じゃ、話が決まったところで、早速ログレスの港から出港しましょう!


 ログレスを騒がせた悪役令嬢が、この王都を去る。

 そんな話をどこからか聞きつけたのか、ラヴィニアの出港時には多くの見送り人が姿を見せていた。


GM:さて、港には大勢の人たちが見送りにきています。大おば様、王都新聞のキシャー、四人のボンクラ子弟たち……。

ゼロ:会えて嬉しい顔、そうでもない顔、いろいろですな(笑)。

GM:そうそう。ラヴィニアの活躍に勘当を解いた、ご両親も姿を見せています。

ラヴィニア:なんと調子のいい親だ!?(笑) でも広い心で別れの挨拶をしましょう。

GM:そして、そこから少し離れたところに停まった馬車の中から、ルティとイレーネがラヴィニアたちを見送っています。

ラヴィニア:なんでそのふたりが!?

GM:なお、その馬車の中ではこんな会話が行われています。


 「挨拶しなくてよろしいのですか?」

 「はい。今はまだワタクシはあの方の前にでる資格はありませんもの」

 「それで、本当にミナミーノ島に移住なさるおつもりなのです?」


ラヴィニア:ちょっと待て! 移住!?


 「はい。ワタクシのせいで、実家のダイアモンド鉱山が爆破されて職にあぶれた坑夫たちがいます。彼らとともにあの方の島で採掘のお手伝いをするつもりなんです」

 「……まあ、あたしとしては最大の危険人物のもとに手駒を送り込めるのは都合がいいのですが。あなたもいい根性しているのです」

 「ええ、だってワタクシはヒロインですもの。悪役令嬢なんかに負けていられませんわ」

ラヴィニア:このふたりの方がよっぽど腹黒いじゃねーか! ……ですわ!(笑)

ポメ郎:ヒロインちゃんも結構逞しいポメ。

ラヴィニア:ええい! わたくし、負けませんわよ!!

GM:やがて出航の時間となり、船はエルーラン王国の岸を離れます。

ラヴィニア:じゃあ、みんな。わたくしの野望に最後までつきあってもらいますわよ?

鉄也&ポメ郎&ゼロ:おーうっ!!


 そして、帆船は風を受け、港から大洋へ向けて滑るように走り出す。

 甲板に立ち、ラヴィニアは船の進む先を見つめる。

 彼女がこれからどんな波瀾万丈の物語を紡ぐのか。

 この時、知る者は誰もいない……。



『アリアンロッド 2E・リプレイ・フォーリナーズ』

第二話「悪役令嬢の帰還」

―FIN―


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アリアンロッド2E・リプレイ・フォーリナーズ オレたちが異世界トリップして、エリンで無双する? ドラゴンブック編集部 @dragonbook

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