She's phantom. So, nobody gets her.

彼女は幻影。それゆえに、何者も彼女を捉(とら)えられない。

異世界に生きる女剣士、クロウ。
彼女はかつてこの世界を「救った」転生者の子であった。

その転生者によって「救われた」結果、狂ってしまった世界――昨今の異世界とは似て非なる、ファンタジーのようでいて、ハードボイルドな荒んだ世界。
その狂った世界の中、闊歩する悪党どもを相手取り、わが道を歩む女剣士、クロウ。
彼女の二つ名はファントム――幻影、あるいは幽霊。
その剣閃は、鋭く、速く、誰にも捉えることはできない。
その彼女の旅路は、有象無象の思惑が跳梁し、そして転生者の影が見え隠れする。
果たしてクロウは、その人生はいかなる軌跡を行き、いかなる結末を迎えるのか――


具体的な敵や旅の過程を語るのは無粋でありネタバレなので控えますが、重厚かつ長大な冒険活劇であり、気がつくと毎日読んでいる自分がいます。
そして大長編ではありますが、それゆえにこその、読み進めていくことの面白さ、読んでいくことにより、主人公・クロウと旅の道行きを共にしているという味わいがあります。
その主人公・クロウが愛飲する火酒のごとく、どこまでも熱く、酔わせてくれる逸品だと思います。

ぜひ、ご一読ください。

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