まずは、この物語のヒロイン。そのキャラクターが、実に魅力的ではある。
そこを踏まえて読んでほしい。わたしは、おもしろく読めた。でも、正義感の強い人には向かないかもしれない。
この物語に、ツッコミどころは満載である。寧ろ、ツッコミどころしかナイかもしれない。
ヒロインのセリフは実にシュール、物語の随所にブラックな設定を挟み、そのすべてがカオスを構築している。
追い求める姿は純愛? 追い詰める姿は犯罪? 極端に美化するつもりはないが、そこがまたおもしろいのだ。
判断は、読者の皆さま!
わたしは、ヒロイン≠作家さまであると信じたい?
猟奇的と表現するのが世間一般では正しいのでしょう。筆者様のタイトルでも銘打っておられますように。
確かに常軌を逸する趣向と愛情の片鱗を、読者に対して主人公のつばめ嬢は語ってくれました。
ただ、私には切なくて悲しくて仕方がなく、それ故に彼女が愛おしく映ります。
回りくどい表現を無くせば、"哀れ"に思えてしまったのです。
この感情は差別的である。
否定は出来ません。
彼女のその先に行き過ぎた言動があれば、もしくはあらずとも、それはいけない事だよ、と遠からず伝えられる事になるのでしょう。(法を犯すのは罪であるため)
しかしながら一つの真理として皆様に申し上げたいのは、
愛に決まった形はないという事です。
彼女が示すのも一つの愛の形です。
このように育った背景に、両親からの目に入れても痛くないほど愛があった。
それは物語の中ではつばめ嬢の主観でしか描かれておらず、読み進めていくうちに、非常識な両親である事が伺えます。
そうすると彼女の感じた両親からの愛は、
客観的事実としては本当にあったかどうかは、読者は想像するしかありません。
そう考えると、ちょっとミステリーチックですね。
さて、筆者様の数ある作品で描く、純真無垢な愛が世間一般の普通か否か、違いはあれども、真っ直ぐに生きてきた彼女に対して抱く感情は多種多様でしょう。
私は彼女の白さに胸が苦しくなりました。
貴方様はいかがでしょうか。