旅籠卓の冒険者 セッション21

@SchroMaigo

第1話 空中要塞

GM:というわけで旅籠卓のセッション21を開始します。

PL一同:パチパチパチパチ

GM:まず便宜上、RP中なら各PCの名前で誰がしゃべっているか表します。

ヴァネッサ:つまり私だったらこうなるんですね

GM:そういうことです。PLの会話はPL1~5という形で表します。

PL2:こういうことですね。

GM:最後、実卓では全員男性で、実際のプレイ中も喋り口調は男性のものを使用していましたが、ここでは全て女性口調で統一します。より正確に言うなら、ニコニコ動画で公開していた時と同じような形にします。

PL3:つまり、ボクの場合は女性口調でも一人称が「私」でも「あたし」でもなく「ボク」ってなるんですね。

GM:その通り。では注意書きはこの辺にして早速ですがお話を進めたいと思います。

 


 時は大陸歴312年。ザルツ地方では各地の守りの剣が何者かによって破壊される事件が相次ぎ、当初こそ秘匿にしていた各国ですが、いくら秘匿にしようとも穢れ持ち達には守りの剣が動作していないことをすぐに気が付かれ、間もなく守りの剣のいくつかが破壊されていることを大衆は知ることとなります。そんな中、あなた達のPCはこの守りの剣破壊の真犯人を突き止めることに成功。真犯人は“竜魔人”の二つ名を持つドレイク種の「ヘイムダル」とその一派でした。これ以上の被害を防ぐためにもあなた達はダーレスブルグ公国、ルキスラ帝国両国からの援助も得て反対にこちらからヘイムダル一派の拠点に乗り込み、その拠点の破壊に成功します。ですが、その拠点で相手は空中要塞ともいうべき飛空船を何隻も作り上げていたこと、さらに飛空船はすでに飛び立った後であることを知ってしまいます。そして拠点からの脱出時、あなた達を守ってルキスラ帝国近衛騎士団騎士団長のエラルド・クルティスが瀕死の大けがを負ってしまいます・・・

 

PL4:ここまでは、ニコニコ動画で公開した通りですね。でもエラルド・クルティスは大けがを負わせる必要があったんですか?

GM:(PL2を見ながら)それについて何か申し開きはありますか?

PL2:仕方ないのよ。そう、尊い犠牲ってものなの

PL1&3~5:???

GM:ほら、PL2のPCキャラ「アイーダ」には「銀鱗の極煌盾」なんていう公式アイテム「銀鱗の煌盾」の上位互換アイテムを作っちゃったでしょ。でもこんな盾は平隊員じゃ持てない、きっと隊長のエラルドだけが持っているだろうって設定にしたらね・・・

PL2:もう殺してでも奪うしかないじゃない(笑)

PL1&3~5:ひでえ(笑)

GM:ということでPLからの要望でNPC1名が不幸な状態になったことと、空中要塞もかくやという飛空船の存在を知ったあなた達は大慌てで公国と帝国に戻ります。ちなみに公国側にはメイ(+トゥルーチェ)必須、帝国側にはヴァネッサ&アイーダ(+エラルド)の3名が必須、ユウとジェリコは好きな方に行っていいわよ。

PL5:公王or皇帝と親しい間柄になっているPCはそれぞれの国に必須、公国・帝国軍人がぞれぞれの国なのも道理ですね。私のPCは、公王とも皇帝とも友人なんですけど、ここは人数の少ない公国に行きますね

PL3:ボクのPCはどっちとも無関係なんですけど、まあ愛着のある公国行ってことで。

PL4:ところでヘイムダルの拠点ってアレスタ海の小島にあったんですよね?どうやって往復したんですか?

GM:行きは妖精魔法のボトムウォーキング+カレント+擬装用にカムフラージュやヒドゥン・ドレスなんかの魔法をたこ積みして強行隠密仕様で強引に近づいたわ。帰りはハルカのディメンジョン・ゲートでそれぞれの国へ、ってところね。

PL2:GM。この卓のハウスルールではテレポートやディジョン・ゲート、ファイヤポート等の双方向に移動可能な魔法については制限があったはずですが・・・

※なので一方向に対してのみ移動可能なエスケープ、レスキュー、リターンは制限対象外。

GM:・・・その時冗談半分で「ただし達成値50以上でこれらは無効化できる」って言ったでしょ。で、今のヴァネッサの魔力は43よ?

PL3:あ、期待値で無効化できる・・・

GM:でしょ。GMとして自分の発言は守らないと。でも連打されるとこっちもお話がめちゃくちゃになるから「達成値50以上でも短期間に連打すると著しく体調を崩す」というのを追加したわ。

PL1:ちなみに連打するとどう体調を崩すんですか?

GM:メインヒロインがメインゲロインになるわね。

PL1:それは嫌だなあ


 場面は変わってルキスラ帝国帝都。ルキスラの保有する守りの剣のうちおよそ半分がヘイムダル一派によって破壊されたこともあり衛兵達は厳戒態勢で市中を警備。そのピリピリした雰囲気を察してか帝国民も必要最低限以外は家に閉じこもり、帝都はかつての賑わいがウソのように静まっています。そんな中、ヴァネッサとアイーダの姉妹はユリウス帝のいる皇城の門前まで来ました。


門番1「止まれ。これより先は・・・とヴァネッサさんにアイーダさん?それにアイーダさんの背中にいるのは?」

エラルド「・・・私だ。・・・君達。すまないが大至急陛下に取り次いでくれ。一刻を争う情報をつかんだ」

門番2「一刻を争うって、どうみてもエラルド様のお怪我こそ一刻を争いますよ。早く病院に連れて行かないと」

ヴァネッサ「私達もさっきからずっとそう言っているんですけど、全然聞いてくれないんですよ!!」

悲鳴にも近い声でヴァネッサは抗議する。よく見れば彼女の手からは魔法の輝きが見れ、魔法にわずかでも詳しいものがみれがそれが高位の治療魔法をかけ続けていることがわかる。そしてその高位治療魔法でもエラルドは歩くことが出来ず、何とかしゃべるのが精いっぱいの状態なのだ。まずは病院と思うのが当然であろう。今すぐ病院へと主張するヴァネッサ達とそれは後回しで今すぐ陛下に合わせろというエラルドとの言い争いが始まろうとしたその時、

??「どうした!騒がしいぞ。何事だ」

一同「「「陛下」」」「「ユリウス様」」

ユリウス「ん?おぉ。ヴァネッサにアイーダ!戻ったか!・・・それにアイーダに背負われているのはエラルドか?」

アイーダ「そうです。エラルド隊長は私達を庇って・・・。だから急いで病院に連れて行こうとしているんですけど」

エラルド「・・・陛下。私のことは心配無用。それより急ぎ報告したく・・・」

ユリウス「よし。わかった聞こう。が、お前がそんなになっても至急知らせたい内容だ。衆人の目があるここではまずいな。急ぎ皇城の医務室に向かうぞ。ゲイリー、今すぐ医務室の人払いをしろ。ヴァネッサはそのまま治療魔法をかけ続けてくれ。」

アイーダ「ここまで来たということはなにか皇城外に用事があったのでは?」

ユリウス「知っての通り守りの剣が失われてな。今から守りの剣が失われた地区に赴き、慰安と考えていたが、それ以上の事情をお前たちが持ってきただけだ。気にする必要はない。」

 

 場面はまた変わってこちらは同時刻のダーレスブルグ公国の議事堂にて・・・

ストーダ「・・・以上だ。」

バイロン「待て宰相。それでは」

ストーダ「全ての公国民の生活圏を守りの剣内に収めるのはもとより出来ていなかった。現に地方では守りの剣がない、というのが当たり前であるしな」

バイロン「しかし、貴族を」

ストーダ「バイロン。現実を見ろ。政治家は理想を目指しても理想を語ってはならん。夢想家は南のお嬢ちゃん達だけで十分だ。」


 公国も守りの剣がいくつか失われ、それについての協議を行っていました。公国の方針は上流階級及び公共施設への配備を優先し、一般市民は総じて剣の領域外で生活する、というものでこれに民政家のバイロン司令は一貫して反対を表明していました。そんな中・・・


アルフレートⅢ世「ストーダ!バイロン!今すぐ全閣僚を集めろ!10分以内だ。集まらんかった連中は知らん。メイちゃん達がとんでもない情報を持って帰ってきおった!」

ストーダ「メイ君達がですか?正直守りの剣の非接触破壊方法以上の案件など」

アルフレートⅢ世「そう思っておった余らが間抜けであった。とにかく急ぎ集めろ。良いな!」

 

 そしてダーレスブルグ公国首脳陣とルキスラ帝国首脳陣はほぼ同時刻にヘイムダル一派が空中要塞ともいうべき飛行船を造船済みであることを知るのでした・・・


PL1:ところでGM。さっきからよく出ている「空中要塞ともいうべき飛行船」ってどんなデータなんですか?私達が国に報告する、ってことは詳細データがわかっていそうなんですけど?

GM:それもそうね。データ的にはこんな感じよ。


Lv25 空中機動戦艦

知能:乗り手次第 知覚:機械 反応:乗り手次第 言語:なし 

知名度/弱点値=32/35  弱点:命中+1 先制値:40 移動速度:100(飛行)

生命抵抗力:33(40) 精神抵抗力:33(40)

HP:900 MP:0 回避:31(38) 防護点:35

○高機能兵器

→この飛行船は熟練オペレーター5名以上が揃って運用することで初めて兵器としての性能を発揮します。オペレーターの数が足りない/未熟な技量であった場合、命中や回避にペナルティが発生します。ペナルティ発生時の規模は都度GMに確認してください

○多数の兵装

→この飛行船は多数の兵装を有し、一度の主動作で全ての兵装を使用することができます。ただし、オペレーター不足が発生した場合はその限りではありません。全ての兵装は精密射撃&鷹の目&魔法制御の対象となっています。また、とても複雑な構造であるため、弾丸の再装填には専用の施設での調整が必要です。

・主砲 命中35(42) 打撃点 2d+30 射程 500m 対象 半径6m/20

 装填数 360発 属性:ガン

・火炎放射 命中37(44) 打撃点 2d+35 射程 400m 対象 貫通

 装填数 360発 属性:炎

・フリーズレーザー 命中37(44) 打撃点 2d+35 射程 400m 

 対象 貫通 装填数 360発 属性:水・氷

・ウインドバズーカ 命中37(44) 打撃点 2d+35 射程 400m 

 対象 貫通 装填数 360発 属性:風

・サンダーカノン 命中37(44) 打撃点 2d+35 射程 400m 

 対象 貫通 装填数 360発 属性:雷

・バイオブラスター 命中37(44) 打撃点 2d+35 射程 400m 

 対象 貫通 装填数 360発 属性:毒

・波動砲 命中50(57) 打撃点 2d+120 射程 800m 

 対象 貫通(ただし射線上のは全て巻き込まれる)

 装填数 60発 属性:純エネルギー 

 備考:1回放つと次弾発射までに砲身冷却として5ラウンド必要

○耐マナコーティング

→この飛行船は全ての魔法ダメージを10点軽減できます。

○対軍用兵器

→この飛行船の兵装は全て対軍隊/対城を想定してます。そのため、標的が5人以下の地点に発射した場合、全て兵装に命中に-4のペナルティ、鳥や鼠といった小さい標的だけを狙った攻撃は。また、自身の存在する乱戦エリアには発射出来ません。

○強襲兵器

→この飛行船は乱戦エリアを無視して移動可能です。さらに移動後でも問題なく攻撃可能です。

○安定制御

→この飛行船はあらゆる悪性ステータス異常の対象となりません。


PL5:HAHAHA。これ世界観をぶっ飛ばすくらい強すぎるでしょ

PL3:この船を何隻も作ってるんですよね?これさ、PC達も戦ったら勝てなくないですか?

PL2:一番困るのが空を飛ばれていることよね。空中から砲撃されたら対処のしようがないわ。

PL1:確かスカイシップの移動速度は50。移動力も倍違うんじゃ逃げることもできませんよ?

GM:だからアルフレートⅢ世公王が大慌てで閣僚会議を開こうとしているのよ。


~その大慌てで開いた閣僚会議にて~

ストーダ「バカな・・・」

アルフレートⅢ世「じゃが事実じゃ。しかもメイちゃんの報告では少なくともこいつが6隻は造船済みだそうじゃ。数少ない希望としてはこいつを作った造船所はすでに破壊済みだということじゃ。それよりメイちゃん。ここにヴァネッサちゃんがいないということはそういうとこじゃよな?」


~同時刻 皇城医務室にて~

ヴァネッサ「加えて言うならこんなに大掛かりな施設を2つも3つも作れるくらいの資金力があったなら、当の昔にヘイムダル達は建国をしていたと思います。だから飛空艇造船所は私達が破壊した一か所だけ。かつ一朝一夕に再現できるようなものでもありません。」

ユリウス「そうか。つまりヘイムダル達がこれ以上この飛空船を造船することはないということか」

エラルド「・・・ですが、製造済みの飛空船だけで・・・十分我が国と・・・戦えるだけの超兵器です。」

ユリウス「エラルド。そこまでわかっていながら、なぜそこまでの大けがを負って帰ってきた?私はヴァネッサ達に協力するよう言ったが、守れとは言っていない。ヴァネッサやアイーダは素人ではない。一緒に居るユウやメイ、ジェリコもだ。もっと攻撃を散らせ、自分の身を守ってもよかったのではないか?」

エラルド「ユウ君、メイ君、ジェリコ君はさておきヴァネッサはいずれ我が国の皇后陛下に、アイーダは皇妹殿下となられるお方です。そのようなお方に傷跡になるようなお怪我をさせるわけには・・・」

ユリウス「・・・ふん。わかっているならよい。それよりヴァネッサ。ここにメイがないということは彼女達はダーレスブルグ公国にいるのだな?大至急公王アルフレートⅢ世に連絡を取りたい。どんな方法でもよい。連絡手段はないか。」

アイーダ「それなら私が通話のピアスを持っています。」


~同時刻 公国 議事堂にて~

メイ「あ、それなら私がアイーダちゃん宛の・・・きゃ!!」

通話のピアス『メイ。聞こえるか。ユリウス・クラウゼだ。すまないが大至急アルフレートⅢ世公王に取り次いで』

アルフレートⅢ世「余じゃ。メイちゃん達の持ってきた飛空船の情報とその対策について話があるんじゃが、いいのう?」


~同時刻 皇城医務室にて~

ユリウス「私も同じことを考えていた。話はとても10分では終わらないだろうから、直接話をしたい。ヴァネッサ。今すぐ私をダーレスブルグ公国まで転送してくれ」

家臣「いけません陛下。御身自ら軽々しく他国に行くなど」

ユリウス「礼儀作法など言っている場合か!」

アルフレートⅢ世『いきなり来られても、うちも歓迎の準備が出来ん。悪いがうちは体面を何よりも重んじてな。と、冗談はさておき、少しお互いに考える時間も必要じゃろうて。』


~同時刻 公国 議事堂にて~

アルフレートⅢ世「ジェリコちゃん。国境沿いにジェリコちゃんの会社の本社があったのう。そこで余とユリウス帝は今後の両国について相談をする。ついては移動用の足に鉄道を使わせてくれんかのう。あれを使えば今から2時間もあればお互いに顔を合わせた話ができる」

ジェリコ「え?今からですか?あの、鉄道列車の通常運行速度ではそこまで3時間かかります。途中駅を全て飛ばして減速しなかったとしても、安全性を考えれば2時間は少し危険すぎます。そもそも本社建屋は散らかってますし、列車だってダイアの関係上・・・」

アルフレートⅢ世「あ~ジェリコちゃん。余はのう、出来るか出来ないかなんて聞いておらんのじゃ」

 

 

アルフレートⅢ世「   」

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