普通になりたい主人公のドタバタ学園アクション。キャラもストーリーも最高!
ただ、1つ気になるのは、「デットエンド」という言葉。あえて「デッドエンド」にしていないのはわかりますが、明らかな造語であるにも関わらず、作中の誰もが気にしていないのが気になりました。普通だったら
「デットエンド?デッドじゃなくて?」
「それはね………」
みたいな会話があってもおかしくないと思いました。他にも「デッドボール」を「デットボール」と書いていたり、その他のデッドとつく言葉にデットを使っているので、意味のある言葉なのかただの誤字なのか境界が曖昧になっていてわかりにくいなと思いました。
失礼なタイトルですいません、完全に自分のことを棚上げしてます。しかし、ここはあえてはっきり、自分が思ったことを書かせていただこうと思います。
まず、この作品にはセンスがあります。なぜ『この作者には』と言わなかったかと言うと、それは以前のハギワラさんの作品(自分が読んだものです)には無い、会話センスが存在するからです。正直、驚きました。軽快なテンポで送られる、コメディタッチの作風と、特徴的で個性的な主人公の存在。漫画コンテスト参加作品という面から見ても、とても良質な作品だと思います。
しかし、全体的に文章の作りが甘い、と感じるものがままありました。場面転換の際の描写不足や、いままでずっと主人公の一人称語りであったのに、いきなり別キャラクターの一人称語りに移ったりと、ムラがある点が目につきます。キャラクターの会話や性格も、どこかありきたりでいまいち魅力が掴みきれなかったりもします。これらの点は、ハギワラさんの作風に馴染める僕のような読者にはとっては些事かもしれませんが、そうでない読者にとっては、読むのが苦痛になったりするかもしれません。
また、これは完全に余計なお世話かもしれませんが、主人公の涼宮強のキャラクター性は、一部の人にとっては、嫌味に映るかもしれません。多少暴力的ですからね。僕からすれば、何の個性もない凡庸かつ面白みも無い、物語の奴隷のような昨今の主人公より、ずっと好感が持てますが。
簡単にまとめますと、いい点としては、主人公の特徴的なキャラクター性(個人差あり)と、独特のセンスがある会話や地の文。未熟な点は、視点、場面の描写不足や、キャラクター性の『どこかで見たな』感。完全に僕個人の意見ですが、こんな感じです。
なお、描写不足の問題点は、ハギワラさんが小説形式の書き方が向いてないから、で説明できるかもしれません。個人的には、『デットエンドで終わらせねぇ!!』は面白かったので、もっとこんな作品を読みたいところですが……そこから先は、僕が口出しすることではありませんね。
今後とも、陰ながら応援させていただきます。
軽妙な掛け合い、可愛い妹と幼なじみ、そしてポンコツ(?)な友人、とラノベや漫画のツボはしっかりがっちりと押さえられた作品です。
あと、異世界転生はあるけど異世界転生モノではない。
何を言ってるかわからないと思うけど、読めばきっとわかります。
また、特徴としてはバトルはあるけどどこか牧歌的な空気感がある作品です。
そこらへんの空気感は、作者様の他作品と共通するところと思いました。
ただ、作者様の他作品と大きく違う点……
それはタイトル通り主人公はなかなかにクズです。
カ○ジ的なあからさまなクズでは無く、微妙なさじ加減のクズです(笑)
ここら辺は読者様を選ぶかも知れませんが……
しかし、ヒロインは可愛い。
これこそが今作の牽引力でしょう。
そして、タイトルの『デット』。
英語的には負債とか債務、という意味なんでしょうか?
作者様的造語で『負債抱えたまま』的な意味だとしたなら……
ラスト、主人公の『クズ』としての負債は完済しております。
是非ラストまで読んで頂きたい。
そして、これだけは言っておきたい……
黒髪おっぱい……じゃなくて、『玉藻』かわいい。
以上である。