呪われし声の姫 ~天空城風雲伝奇~ 前篇

作者 汐凪 猗綺子 (シオナギ アキコ)

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★★★ Excellent!!!

重厚で美しい異世界ファンタジーの醍醐味を味わうことのできる物語です。

竜の子が背に乗せて天空へ連れてきたのは息を呑むほどに美しい人間のエルダ姫でした。
けれども彼女は呪いによって声を出すことを許されていません。そんな彼女が唯一声を発せられるのは歌うときだけ。ただし、その歌声には世界を脅かせるほどの恐ろしい魔力が備わっていたのです。

過去の出来事から人間に不信感を抱く天空の人々は、美しいエルダの容姿とは裏腹なその力を恐れて警戒しますが、天空の王と王太子ボリスは彼女を天空城に匿うことを決めます。

彼女はその力を利用しようとする魔王と魔の力に取り込まれたある人物から逃れようとしていました。
しかしその追手はエルダの所在を突き止めて連れ戻そうと手を伸ばしてきます。
その害は天空にも及ぶことになりますが、ボリス王子は国とエルダを救うことができるのか──。

淀みなく流れる美しい文章は決して難解なものではなく、心地よくファンタジーの世界に引き込んでくれます。
登場人物達の心情や思惑もよく理解できますし、天空で起こる前代未聞の出来事に戸惑いつつも王や王子を支えていく様子にリアリティを感じます。

前篇は非常にいいところで終わってしまったので、これから後篇を読みに行かなくては!

★★★ Excellent!!!

天空に浮かぶ飛翔人の住むリベルラーシ。そこへ現れる、子竜に背負われた謎の少女。
ここからこの物語は始まります。
圧巻! なんというスケールの大きさで描かれているのでしょう!
緻密に練り上げられたストーリー、張り巡らされ伏線、そして何よりも愛すべきキャラクターたち。ヒロインのエルダを始め、王子ボリス、サーシャ、猫のマーロウ等々、それぞれが立ち位置をしっかり定め、この物語を盛り上げてくれます。

ファンタジーにありがちな世界説明も、無理なく読み手に想像させてくれる筆力は見事。
久しぶりにワクワクしながら、アッと言う間に前編を読み終えてしまいました。

後編、面白くないはずはありません! 万難を排し読まねば!

堪能させていただきました、ありがとうございます。、

★★★ Excellent!!!

ファンタジーの要素は全て盛り込まれている。
ゆえに、男女問わずに世界観で躓くことはない。
壮大だが、丁寧に描かれる世界観が読むごとにスーッと入ってくる。
読み手の一人一人が城を竜を想像しているだろう。
そして、その全てが違和感なく存在し得る世界。

作者の特徴である『音』が紡がれるファンタジー。
城での会話の裏でバロックが流れているような感覚や、竜が滑空する場面では『魔王』が流れたりしてました。

もっと『音』に造景が深ければ、色々な音が溢れてるのであろうな~と思いました。

また後編でレビューします。

★★★ Excellent!!!

一人の美しい少女が、天空に迷い込むところからスタートするファンタジー。
少女と関わりながら、様々な登場人物たちの思惑が交錯し、気持ちが変化していくところの描写力は、素晴らしく魅力的です。思い切り感情移入してしまいます。
ファンタジーですが、安っぽさはどこにもなく、しっかりとストーリーが作り込まれています。そして少しずつ壮大なスケールへ物語は展開していきます。
前/後編に渡る長編小説で、これから後編を拝読しますが、この先が気になるところです。