反面教師

 私はノンフィクションの本が好きだ。

 とりわけ社会の裏側や犯罪を題材としたものをよく読んでいる。

 徒歩でいける距離に図書館があり、手当たり次第に借りているので、一度読んだ本を再度借りてしまうこともよくあったりする。

 『犯罪』『死』『殺人』そんな単語ばかりが並ぶ本を借り続ける私に、司書さんはさぞ怪しい人物だと思ったことだろう。


 このキーワードが好きならば、さぞかしミステリー小説も好きなんだろうと思うだろうが、実はそうではない。

 いや、ミステリーも好きなのだが、私にとっては全く別のジャンルだととらえている。


 ミステリー、特に推理物を扱う作品は、いかに殺すかが重要なポイントとなっている。

 しかし、現実はそうではない。いや、殺し方も重要ではあるのだが、せれまでの過程の方が重視されるのだ。

 小説では疎まれがちな、動機というやつである。

 殺意というものは、現代の日本に生きていてよっぽどのことがないと沸き起こらないはずの感情だ。それがなぜ犯行に及ぶまでに陥ったのか。私はそれが知りたいのである。


 よく、ゲームやアニメ、漫画を目にすることで子供に悪影響を及ぼしていると言う人がいる。

 本当にそうなのだろうか。

 そうだとしたら、犯罪関連の本ばかり読んでいる私は、さぞかし恐ろしい罪を犯していることだろう。

 私から言わせると、他人の狂気に触れることで、自分がいかにまっとうに生きているのかを自覚するほうが多い。


 人は自分の想像を超えることが起こると、何かに責任を押し付けて思考を閉ざしてしまう。

 確かに殺害方法は知識として取り込むかもしれない。しかし、殺意は自分の中で沸き起こるものであり、漫画やゲームが影響するとは思えないのだ。


 子供の頃は善悪の区別がなく、何でも真似したがるという主張もあるが、私だって人の親。赤ん坊ならいざ知らず、物心ついた子供はすぐに自分なりの社会を形成している。

 親の機嫌を理解し、友達や先生に対する態度を変える。兄弟がいればその姿を見て失敗を学び、繰り返さないよう学習する。

 善悪の区別がないと言ってしまうことこそが、子供をしっかりと見ずに責任逃れをしようという証拠なのではないだろうか。

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B型は生まれた時から『B型』なのか 潮崎みよ @noichi5

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