土の温度、風の薫り、心が微笑む

 五感に染み入るような文章。風景は目に見えるようで、愛しい騒々しさも聞こえてくるよう。食べ物はそこで私も一緒に食べているような感覚。ケガをした痛さもまさに”痛感”。土の温かさも吹き抜ける風もまるで自分が経験しているような感覚に陥ります。

 ある、ある、ある! と画面に向かって相槌をうってみたり、いいなぁ、こんな暮らしと憧れてみたり。タイヘンそうだけど幸せそう。そんなタイヘンの素のお子さん達にとって、きっとこのエッセイは宝物になる。そしてそんなタイヘンの素さん達が作者さんにとっての宝物。
 
 なんだろう。このエッセイを読むと、子どもが愛おしくなります。今朝も小言を言いながら送り出したのに(笑)。そしてなぜか自分の母親に会いたくなります。電話でも……してみようかな?

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