第5話 青年と穀象虫
一ヶ月ちょっと前に、久しぶりに
今日はまた、少し様子が違った。外の
おうおう、ひとの米を
だが、これも、人生か――と思う。
「俺の
いや、いや、まて。人生とは(人の一生。人間が生きることである)と、現代版国語辞典は言っているのだから、違うか。まさか昆生とは言わないだろうし、そもそも昆虫に、人間でいうところの人生観などあるのだろうか──。
しかし、米粒が二、三粒、くっついた状態であるのはなぜだろうか? 気がついた自分は、首をひねった。やっぱり、
おや、ちょっと待てよ、確か、モスラは卵から幼虫になり、それが東京タワーにのぼって
さらに眼を皿のようにして凝視すると、そんなのが、そこかしこにあって、自分はそれを、指で弾き飛ばした。ところが、どうやらそれだけではなかった。それこそ十分の一ミリもあるかないかの、白い粒つぶが新聞紙の黒いインクの上を
自分は、なるほどな、と考えた。米は炭水化物だが、
「
「ちっぽけな人生」
「
いったい、何が楽しいんだ。暗い
抜けるような
知ることは、罪なりや。
自分は、己の外の世界を知っている。闇が、心に不安を抱かせること、その不安を朝日が、
そう思うのであるが、現在の自分の人生は、他人から見れば、
自分は、
「こんなんでました!」って感じの12の笑変小説集 銀鮭 @dowa45man
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