第14話 真、サミットに出席する

「There the sake steamed clams」

「Oh, it looks delicious」


高校以来使ってない不慣れな英語で話す。


「ありがとう、おかげでサミットは成功だよ」

「Hey Mr.Okemoto , what is this dish?」


「ちょっと行ってきますね」


なんと平和な光景だろうか.

本当の平和とはこういうことではないのだろうか。

人間とは、物がなければ虚しく感じ、物を得ても虚しく感じる。そんな生き物なのだ。その「物」が仮に平和であっても、刺激に乏しく、効率に特化した社会を形成してしまう。例に習って、今の死亡率一位は自殺だ。


「艦長、人においしいものを提供できるというのは素晴らしいことですね。」

「ああ、本当にその通りだ」


この日の出来事は大きくメディアで報じられた。


≪旧自衛隊の船で行われた世界食糧サミットは大成功を収めました≫

≪内閣は、今後、簡易食料の撤廃に向けた動きして行くそうです≫


この日、世界を揺るがした自衛隊員9名は歴史に大きく名を刻むことになる。

【食の父】それが彼らに与えられた称号だ。


「さて、この大量の皿洗いをする。皆、直ちに取り掛かれ。知樹班は60枚、海斗班は40枚、俺、真班は80枚だ、かかれ!!」

「「「「「「「「「了解!」」」」」」」」」


ここには平和がある。張りぼての、見掛け倒しの平和ではなく、本物の平和だ。

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世界は極端に平和になりました かに @waido

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