夕日
@sanyon09
夕日
夕日が落ちていく。
空は赤く滲む。
この”赤”の下で、家路に着く高校生やサラリーマンが一体どれだけいるだろう。
ふと記憶が頭をよぎる。
「おかえり」
懐かしい母の声。
私は自慢げにテストの順位を見せびらかす。
家に帰るまで嫉妬深いクラスメイトから隠してきたのだ。
そうだ。母に褒められれば、わかってもらえれば、味方してもらえれば、他なんてどうでもよかった。
涙が溢れる。
母の出て行ったこの家から、夕日を眺める。
やがて空は闇に包まれる。
私はいつまでも、夕日を眺め続ける。
夕日 @sanyon09
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます