第10話 気づけば、そこに
家に着くと、カタンと音がして、
私はミナだと思って、笑顔で振り返った。
そこには、ミナが居た。
「哀しい顔だね」
ミナに見えた、別の女の子だった。
『絶望するなら、次に生かせばいい』
神の言葉は残酷だった。
私は、へたっと床に座り込んだ。
顔を覆い、ポタリポタリと涙を流した。
丸まった体の私の頭を、2歳の少女がヨシヨシと撫でた。
「そんなリリも愛してるけどな」
ふと、顔を上げた。
その後ふたりでリンと名付けた子の傍らには、彼の姿があった。
ふたりに抱きしめられて、幸せだった。
だけど彼に抱きつくと、
ミナを想い、
ミナの為に、
子供のように泣きじゃくり続けた。
ねぇ、神様。
私……。
「ありがとう。神様」
end
気づけば、そこに @arisuneko2
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます