3.フリー化された作品を引用しよう

読子さん:つぎは、フリー化された作品をつかう側のお話ね。単純に、いわゆる二次創作みたいなものだと思ってもらえればいいかなと思うんだけど……


さっくん:けど?


読子さん:せっかくだから、すこし進んだお話をしてみたいと思うの。前の章でお話したんだけど……カクヨムは、2016年4月30日現在、ページのトップに「最新のレビュー」が表示されているサイトだよね。


さっくん:うん。読む人の傾向が、サイト全体のなかでもっとも重要な位置に置かれている、っていうことだったよね。レビューされた作品とその関連作品は、一時的に読まれやすくなる。


読子さん:うん。だから、レビューのトレンドに乗って作品を作ることが「読まれる」ためにもっともよい選択になる。そして、その傾向が続くと、それはサイト全体の流行になっていく。


さっくん:フリー化された作品がトレンドなら、それに合わせて書いてみるのがいいってことだよね。キャラクターや世界観をしっかり読みこまないといけないから……意外と、いいものを作るのは難しそうだ。


読子さん:けれど、練習にも勉強にもなるし、きっと面白いと思う。その中で、自分の個性や強みを活かすことができれば、その作品から作者自身に興味を持ってもらえるようになるかもしれない。たとえば「ニコニコ動画」では「初音ミク」作品がトレンドになった。その頃にたくさんのボーカロイド楽曲が作られたよね。supercell、ryoさんの作品を「ボーカロイドだから」が入り口で聴いた人も多いはず。


さっくん:最終的に、作者自身のオリジナル作品を読んでもらいたい人は多いはずだしね。


読子さん:うん。だから、フリー化された作品を引用して小説を書くメリットは、読んでもらいやすくなること。これはきっと「カクヨム」で公式に二次創作可としている作品で書くことでもおなじ効果があると思う。


さっくん:ものすごくたくさん小説があるカクヨムのなかでまずはアクセスしてもらうことを達成しないと、だね。


読子さん:うん。だから、フリー化された作品を作ったときもタグ設定やタイトル、紹介文の設定はとても大事だよ。短編や掌編くらいの長さにして、ちょっと読んでみようかなって思ってもらうことも大事。それと……もし、フリー化された作品で上手に自分のオリジナル作品を紹介できたりすると、自分の作品にも興味を持ってもらえるかも。フリー化された世界のなかに、ちょっと自分のキャラクターがお邪魔するような短編を書いてみたりね。


さっくん:それって、単純に作品の紹介をするだけになったりしないのかな? 作品タグを引用しているけど、ほとんど自分の作品のことしか書いていないとか……


読子さん:ありえない話じゃないけど……それはおすすめできない、かな。読んでいる人たちはきっと、作品の後ろにある作者の「人格」もいっしょに読んでいる。もし、失礼なこと、マナーのよくないことをすると、そのときは、作者ごと作品も嫌われてしまうと思うの。丁寧にふるまうことは、きっとすごく大事。


さっくん:作者自身も作品の一部っていうことだね。


読子さん:うん。懸念もあるとはおもうけれど……まずは難しく考えずに「カクヨム」というサイトで楽しく遊んでみることだと思う。それがきっと、力を入れたオリジナルの作品を読んでもらうことにつながるんじゃないかな。

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